レノボ ThinkPad X1 Carbon Gen11をレノボよりお借りすることができましたので、レビュー記事を書きます。
レビュー機のスペックは以下の通りでした。
- Core i5-1335U
- メモリ16GB
- SSD 256GB
- タッチパネル、プライバシーガード液晶
- LTEあり
※2024年3月、Intel Core Ultraを搭載したGen12が発売されました。
ThinkPadシリーズはIBMがもともと開発・製造していた伝統のある機種で、今はレノボが開発製造を行っています。
- キーボードが良い
- トラックポイントあり
- 安定感のあるデザイン
- 伝統の品質と耐久性
- ThinkPadシリーズのフラッグシップ
- 14インチ、かつ1.12kg~と軽量
- 価格は高め

ThinkPadシリーズはキーボードが良いので、特にタイピング重視の方におすすめできます。
またX1シリーズは、ThinkPadシリーズのなかでもフラッグシップなので、気合の入った作りになっています。
レノボThinkPad X1 CarbonはThinkPadのフラッグシップモデル

ThinkPad X1シリーズは、ThinkPadシリーズの中でもフラッグシップモデルに位置づけられるモデルです。
フラッグシップらしく、上質な仕上げで、
- 16:10の14インチディスプレイが見やすい
- 軽量1.12kg
- キーボード良し
- バッテリー持ち良し
- 耐久性良し(米軍調達基準に準拠)
と、ビジネス用途として素晴らしい出来で、仕事の頼れる相棒としてとても役に立つパソコンになるでしょう。
パソコンに拘りのある方が、最終的によく選ばれる機種でもあり、総合力の高さが光ります。
ThinkPad X1 Carbon Gen11とGen10の違い
Gen11

Gen10

今回、比較的近い期間の中で、Gen11とGen10両方をレビューすることができました。
Gen11とGen10で何が違うのか?というと
- ボディはほぼ同じ。
- CPUは1世代新しくなり10%程度性能アップ
となっています。
天板のデザインは、レビュー機はGen10とはちょっと違っており、カーボン調になっていました。
詳しくは後述しますが、CineBench R23のスコアは、Gen11とGen10で以下の通りの違いがありました。
CPU | マルチコア | シングルコア |
Core i5-1340P | 10237 | 1720 |
Core i7-1260P | 9018 | 1799 |
Ryzen 5 5625U | 7944 | 1284 |
Core i5-1335U | 6509 | 1581 |
Core i5-1235U | 6074 | 1400 |
Core i7-1165G7 | 4122 | 1383 |
Core i5-1335UがGen11、Core i5-1235UがGen10です。
スコア的には大体、10%前後のアップとなっており、他に計測したスコアも大体、10%程度の性能アップでした。
ただGen10のCore i5-1235Uでもビジネスには十分な性能で、価格によってはGen10を敢えて購入しても良いのではと思います。
レノボ ThinkPad X1 Carbon スペックと価格
初期導入済OS | Windows 11 Pro 64bit その他のエディション選択可能 |
CPU(Gen11) | インテル® Core™ i7-1365U vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i7-1355U プロセッサー インテル® Core™ i5-1345U vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i5-1335Uプロセッサー |
CPU(Gen10) | インテル® Core™ i7-1280P vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i7-1270P vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i7-1260P プロセッサー インテル® Core™ i5-1250P vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i5-1240P プロセッサー インテル® Core™ i7-1260P vPro® Essentials プロセッサー インテル® Core™ i5-1240P vPro® Essentials プロセッサー インテル® Core™ i7-1265U vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i7-1255U プロセッサー インテル® Core™ i5-1245U vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i5-1235Uプロセッサー |
セキュリティ・チップ(TPM) | あり |
その他のセキュリティ機能 | パワーオン パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、ハードディスク パスワード(NVMe パスワード)、セキュリティ キーホール、HPD |
メモリー | オンボード: 8GB/16GB/32GB 最大32GB(LPDDR5) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB SSD |
光学ドライブ | なし |
ビデオ・チップ | CPU内蔵(インテル® Iris® Xe グラフィックス) |
ディスプレイ | 14.0型 2.8K OLED (2880 x 1800)、ブルーライト軽減 14.0型 2.2k IPS液晶(2240 x 1400) 、ブルーライト軽減、光沢なし 14.0型 WUXGA IPS液晶(1920 x 1200)、マルチタッチ対応(10点)、Privacy Guard、光沢なし 14.0型 WUXGA IPS液晶(1920 x 1200)、マルチタッチ対応(10点)、ブルーライト軽減、省電力、光沢なし 14.0型 WUXGA IPS液晶(1920 x 1200)、ブルーライト軽減、省電力、光沢なし |
インターフェース | USB4 (Thunderbolt™ 4 対応) x 2 USB 3.2 Gen 1 (Powered USB) x 1 USB 3.2 Gen 1 x 1 HDMI マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック |
ワイヤレスWAN | 対応(4G LTE Cat.16/5G Cat.20) |
ワイヤレスLAN | Wi-Fi 6E対応 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n準拠) |
Bluetooth | v5.2 |
イーサネット | なし |
オーディオ機能 | Dolby Atmos® Speaker System, Dolby Voice, 4mic+4スピーカー(キーボード面にスピーカー) |
カメラ | インカメラ: 全てプライバシーシャッター付き FHD 1080p RGB+IR Webカメラ MIPI 人感検知機能付き FHD 1080p RGB+IR Hybrid Webカメラ FHD 1080p RGB Webカメラ |
カードスロット | なし |
キーボード | フルサイズ・キーボード (6列)、89キー (Fnキー、PgUpキー、PgDnキー、Windowsキー)、JIS配列、TrackPoint、ThinkPadクリックパッド、バックライト・キーボード |
指紋センサー | あり |
ポインティング・デバイス | TrackPoint+ThinkPadクリックパッド |
本体寸法(幅×奥行き×高さ) | 約 315.6×222.5×15.4mm |
本体質量 | 約 1.12kg~ |
バッテリー | 固定式 4セル リチウムイオンポリマーバッテリー 57Whr |
バッテリー駆動時間 | 最大 約28.5時間(Gen11), 21.7時間(Gen10) |
本体カラー | ブラック |
X1 Carbonは、2023年にGen11が発売され、最新Intel第13世代CPUを搭載しています。
今回レビューしたのは最新型のGen11です。
また以前、旧型のGen10もレビューしたことがあり、Gen10はIntel第12世代CPUを搭載しています。
ボディについてはほぼ違いはなく、CPU以外はほとんど同じ、という印象を持ちました。
性能はビジネス用途であればIntel第12世代でも十分です。価格差によってはあえてGen10を買うのも良いと思います。
価格と納期
Gen11
Gen10
Gen10のほうが、CPUが1世代前になるため通常であれば少し安いのですが、2023年7月現在、Gen10の安い構成が残っていないので、現時点ではGen11のほうが安いです。
Gen11は新型で、省電力性能を重視したUプロセッサーを搭載する構成となっており、Core i5-1355U、メモリ16GB、SSD512GBで、21万~となっています。
レノボThinkPad X1 Carbon Gen11の外観と機能
外観・デザイン・質感





いかにもThinkPadというデザインです。
このデザインは好みが分かれるところかなと思います。ビジネスノートパソコンとしてはまったく違和感のないデザインですね。
ThinkPadの中でもX1は特に、外観の質感が高く見えます。
プライベート用としては、もう少し明るい色やデザインのほうがよいかな?まあ安定感のあるThinkPadデザインということになると思います。


ボディは黒一色ですが、綺麗な黒です。レビュー機は天板がカーボン調のデザインになっており、アクセントになっていました。

ディスプレイは180度まで倒して使うことができます。
- 安定のThinkPadデザイン
- 質感はThinkPadシリーズトップクラス
重量
メーカー公称の重量は1.12~kgです。実測値は1260gでした。
構成により、重さに少し違いがあるようです。

レビュー機は、
- タッチパネル、プライバシーガード液晶
- LTEあり
の構成であったため、少し重かったのだと思います。
アダプターは出力45Wで、比較的コンパクトです。重量は以下の通りです。
本体実測値 | 1260g |
---|---|
アダプター | 250g |
14インチにしては軽めですが、毎日持ち運ぶなら、より軽量な構成にするとよいと思います。
持ち運びも考慮するなら、電源アダプターはUSB Type-C対応の軽量でコンパクトなものを買ってしまったほうがよいと思います。私も購入しています。

ディスプレイ
レビュー機のディスプレイは、非光沢でアスペクト比16:10、解像度WUXGA(1920 x 1200) IPS液晶、輝度500nit、プライバシーガード機能を搭載しており、タッチパネルでした。
構成により解像度2.2Kのディスプレイを選択することもできます。
- 14.0型 2.8K OLED (2880 x 1800)、ブルーライト軽減
- 14.0型 2.2k IPS液晶(2240 x 1400) 、ブルーライト軽減、光沢なし
- 14.0型 WUXGA IPS液晶(1920 x 1200)、マルチタッチ対応(10点)、Privacy Guard、光沢なし
- 14.0型 WUXGA IPS液晶(1920 x 1200)、マルチタッチ対応(10点)、ブルーライト軽減、省電力、光沢なし
- 14.0型 WUXGA IPS液晶(1920 x 1200)、ブルーライト軽減、省電力、光沢なし
この大きさなら問題なく、解像度フルHDの拡大率100%で使えます。
マシンデフォルト推奨値はフルHDの拡大率150%なので、字が大きく感じるのであれば拡大率125%、もしくは100%にしましょう。



上記写真は私が持っているHP ENVY(13インチ)との比較です。
HP ENVYは輝度400nit、sRGB約100%のIPS液晶で、スペックは互角、発色や明るさは、ほぼ互角です。
ただプライバシーガード液晶のためかプライバシーガードモードにしていなくても、画面端がやや暗いように感じる?とか、斜めから見ると見づらく感じる?ように思いました。
おそらく、重量も少し増えているようなので、個人的にはわざわざ、このディスプレイにはせずに、普通のWUXGA(1920×1200)でよいのではないかと思いました。
- 輝度500nitのIPSディスプレイで色域は100%sRGBで発色も申し分なし
- 画面比率16:10で見やすい
- プライバシーガードのディスプレイは画面端がやや暗く感じる
キーボード

キー配置はとても綺麗で打ちやすい配置です。
テンキーレスというのもあり理想的なキー配置で、Enterキーの大きさも確保されています。
個人的に違和感があるのが、ThinkPadシリーズは左のCtrlキーが左端にない、ということですかね・・・
どうもThinkPadは伝統的にこの配置のようでして、ただ他機種だとCtrlキーは左端にあることがほとんどなので、打ち間違えます(汗)まあ慣れの問題でしょうかね。
キーピッチは1.9mm、キーストローク は約1.4mm です。よく見ると、キーの真ん中あたりが少しへこんでおり、打ちやすくしています。
ThinkPadの最大の美点がこのキーボードの打ちやすさで、ノートパソコンの中ではとても打ちやすいキーボードと言ってしまってよいと思います。
ただし少し残念なのは、キーストローク(深さ)が浅め、と感じます。この浅さは、好みが分かれるポイントだと思います。
同じThinkPadでもE14では、そうは感じなかったので、軽さや薄さを重視した結果、キーストロークが浅くなってしまっているのだと思います。
ただキーストロークはやや浅いものの、打鍵感は良好で、これはさすがThinkPadシリーズのキーボードだと感じます。
キーボードはパナソニックのレッツノート・レノボのThinkPad・富士通のLIFEBOOKが3強だと感じます。

キーボードバックライトも搭載しており、暗い場所での作業も苦になりません。
- キーボードはノートパソコン最高レベル
- 指紋認証あり
- キーボードバックライト搭載
インターフェイス

左側面のインターフェイスは、奥から順番に
- USB 4 Type-C(Thunderbolt4 対応)
- USB 4 Type-C(Thunderbolt4 対応)
- USB Type-A 3.2 Gen1
- HDMI
となります。

右側面のインターフェイスが、奥から順番に
- セキュリティホール
- USB2.0 Type-A
- nanoSIMカードスロット
- イヤホンジャック
となります。
ビジネス用途を意識したポートで、有線LANもついています。
- USB Type-Aポートが2つ
- HDMIあり
- USB Type-CはThunderbolt対応×2
- SDカードスロットなし
バッテリー駆動時間のチェック
レビュー機のバッテリーは57Whrと大きい容量です。
以下の条件にてバッテリー駆動時間のチェックを行いました。
- 輝度Max
- youtube動画流しっぱなし
メーカー公称時間 | 28.5時間 |
---|---|
残量0%まで | 5時間20分 |
バッテリー容量が大きいですが、輝度Maxで使ってしまうと持ちはそこまででもない、という印象です。
バッテリー持ちを優先するなら輝度は少し下げた方が良いでしょう。
Gen10でも同様のテストを実施しましたが、バッテリーもちは4時間50分だったので、少し改善しているという印象です。
WEBカメラ
デフォルトは解像度フルHDカメラ (プライバシーシャッター付)となります。

カメラ性能にも妥協はないです。

パソコンのカメラで撮った写真ですがきれいに撮れており、Web会議でも十分に綺麗に映るでしょう。
スピーカー

背面にスピーカーが搭載されています。Dolby Audio™対応です。
スピーカーの音質はなかなか良くて、HP ENVYが10点とすると10点くらいです。完全なる主観ですみません(^^;
HP ENVYより音が良い機種があまりなかったのですが、このThinkPadは同じくらいの音質だと思います。
無線速度のテスト
自宅のWiFiは、11ac(Wi-Fi5)で5.0GHzを使用していますが、同じ部屋だと390Mbps速度が出ており、十分に高速です。
機種 | 無線速度 |
ThinkPad X1 | 390Mbps |
HP ENVY x360 13 | 570Mbps |
HP ENVYでも同様のテストを実施しておりますが、最大速度が少し遅かったです。
離れた位置の速度はほぼ同じだったのですが・・・おそらくネットワークアダプターの設定?によると思いますが、レビューの短時間では把握できませんでした。
この傾向は、旧機種のGen10でも同様でした。Gen10よりは少し速度が改善されていたのですが。
実用上は全く問題ありません。
起動時間チェック
1回目 | 21.85秒 |
---|---|
2回目 | 21.36秒 |
3回目 | 21.32秒 |
起動時間はあまり早くないです。
ThinkPadシリーズは、内部ソフトウェア等の影響か?起動は少し遅い傾向にあります。
最近のノートパソコンは起動が凄く速く、大抵10秒以内に起動するので、ちょっと遅いなと感じてしまいました。
レノボ ThinkPad X1 Carbonの内部性能・処理速度
パソコン処理性能を計測する上でメジャーな、以下のベンチマークソフトを使って計測した結果を紹介していきます。
- PassMark
- CineBench R23
- PCMARK10
- Crystal DiskMark(ディスク速度)
また、ゲーミング性能についても、これもメジャーな以下のベンチマークソフトを使って計測します。
- ドラクエⅩ(軽量級3D)
- FF14(中量級3D)
- 3DMark
画像編集性能については、画像編集ソフトRawTherapeeでRAW現像10枚の書き出し時間を計測しました。
- RawTherapeeでのRAW現像時間
動画編集性能については、動画編集ソフトDavinci ResolveでフルHDのyoutube動画書き出し時間を計測しました。
- Davinci Resolveでのyoutube動画書き出し
計測結果については、電源設定を最適なパフォーマンスとして計測しています。
ただしPassMarkは
- 最適なパフォーマンス
- バランス(デフォルト)
- バッテリー駆動
で、計測しています。
CPU性能めやす
CPU性能を測るベンチマークとしては最も有名なPassMarkスコアについて、ノートパソコンによく搭載される主要なCPUのスコアを紹介します。
CPU | PassMarkスコア |
Core i7-13700H | 30030 |
Core i7-12700H | 27020 |
Core i5-13500H | 23554 |
Ryzen 7 6800H | 23797 |
Core i7-1360P | 20813 |
Ryzen 7 6800U | 20727 |
Ryzen 7 7730U | 18864 |
Ryzen 7 5800U | 18837 |
Ryzen 7 5825U | 18386 |
Core i5-1340P | 17878 |
Core i5-1335U | 17352 |
Core i7-1260P | 17203 |
Core i5-1240P | 17345 |
Ryzen 5 7530U | 16509 |
Ryzen 5 5600U | 15000 |
Ryzen 5 5625U | 15000 |
Core i5-1235U | 13865 |
Core i3-1315U | 13755 |
Ryzen 3 7330U | 11816 |
Core i7-1165G7 | 10681 |
Core i5-1135G7 | 10298 |
Ryzen 3 5300U | 10000 |
Core i3-1115G4 | 6610 |
Intel Celeron 7305 | 2665 |
事務作業でブラウザをたくさん立ち上げ、かつ重いアプリを複数立ち上げたまま快適に使うのであれば、Core i5-1135G7のスコア10000以上あると、重作業でも十分快適に使えます。
Intelは、第11世代では、AMDにベンチマークで差をつけられていましたが、12世代となり、その差がほぼなくなりました。
Intel Core i5-1335Uは、性能のピークパワーは控え目のCPUですが、それでも十分な性能があり、不足を感じることはまずないでしょう。
PassMark
電源接続時(最適なパフォーマンス)

電源接続時(バランス)

バッテリー駆動時

最適なパフォーマンスの設定ではマルチスレッドスコアで17694と、非常に高いスコア結果となりました。普段使いには十二分な性能と言えます。
当機種は省電力性能重視のUプロセッサーを搭載していますが、スコアは平均値以上のスコアとなっていました。
電源設定がバランスの場合、14048でした。
マルチ/シングル | ハイパフォーマンス | バランス |
マルチスレッド | 17694 | 14048(79.3%) |
シングルスレッド | 3684 | 3715(100.8%) |
マルチスレッドではバランスだと少しスコアが落ちましたが、シングルスレッドはほぼ同じスコアだったので、普段使いならバランスでも問題ない性能を発揮できると思います。
バッテリー駆動時は13675と、そこまで落ちず、モバイル性能も優秀です。
ThinkPadシリーズは、14インチ以上の大きさの機種だと、電源接続しないで使うとベンチマーク上のパフォーマンスは落ちる傾向にあったのですが、X1 Carbonのこの結果はさすがです。
マルチ/シングル | 電源接続 | バッテリー駆動 |
マルチスレッド | 21446 | 16976(79.1%) |
シングルスレッド | 3258 | 2365(72.6%) |
2022年主流だった、Inte Core i7-1260P、Ryzen 7 6800Uおよび、2021年主流だった、Ryzen 7 5800U、Intel Core i7-1165G7と比較します。
CPU | マルチ | シングル |
Ryzen 7 6800H | 25955 | 3458 |
Core i5-1340P | 22514 | 3757 |
Ryzen 7 6800U | 21461 | 3459 |
Ryzen 7 7730U | 21446 | 3258 |
Core i7-1260P | 20778 | 3713 |
Ryzen 7 5800U | 18644 | 3108 |
Core i5-1335U | 17694 | 3684 |
Ryzen 5 5625U | 16933 | 3138 |
Core i7-1165G7 | 11005 | 3142 |
高いスコアで、Ryzen 5 5625Uより上のスコアとなっています。
普段使いで、CPUがネックになってもたつくと感じることは、まずないでしょう。
CineBench R23

マルチコアスコア:6509
シングルコアスコア:1581
マルチコアスコア・シングルコアスコアともに、PassMarkと同じく、高い数値です。
Intel最新世代のCore i7-1260P、Ryzen 7 6800Uおよび、2021年主流だった、Ryzen 7 5800U、Intel Core i7-1165G7と比較します。
CPU | マルチコア | シングルコア |
Ryzen 7 6800H | 13505 | 1481 |
Ryzen 7 6800U | 11620 | 1481 |
Core i5-1340P | 10237 | 1720 |
Core i7-1260P | 9018 | 1799 |
Ryzen 7 5800U | 9276 | 1436 |
Ryzen 5 5625U | 7944 | 1284 |
Core i5-1335U | 6509 | 1581 |
Core i5-1235U | 6074 | 1400 |
Core i7-1165G7 | 4122 | 1383 |
こちらもPassMarkと同じ傾向です。普段使いには十二分な性能です。
PCMARK10
PCMARK10は、実際のアプリケーションを使用したベンチマークソフトで、実際にパソコンを使った時の作業快適性を計測するのに適しているといわれているベンチマークです。
測定結果は以下の通りです。

トータルスコア:5138
Essentials:9710(快適めやす4100)
Essentialsはパソコン基本性能の測定結果です。
快適めやすは4100なので、高い数値です。実際に使ってみてもレスポンスは快適です。
Productivity:6631(快適めやす4500)
ProductivityはOfficeなどビジネス系アプリの速度で、これも十分なスコアです。
Digital Contents Creation:5717
Digital Contents Creationは画像編集や動画編集などの性能を表すスコアです。こちらも十分なスコアです。
最新第13世代Intel Core i5-1340Pを搭載したレノボIdeaPad Slim 5i Gen8と比較してみます。
レノボIdeaPad Slim 5i Gen8:Intel Core i5-1340P
レノボThinkPad X1 Carbon:Intel Core i5-1335U
計測内容 | IdeaPad Slim | ThinkPad |
トータル | 5600 | 5138 |
App Start-up Score(アプリ起動) | 10413 | 11687 |
Video Conferencing Score(Web会議) | 8451 | 8137 |
Web Browsing Score(Web閲覧) | 9805 | 9582 |
Spreadsheets Score(表計算) | 7003 | 6869 |
Writing Score(文書作成) | 7962 | 6402 |
Photo Editing Score(画像編集) | 10120 | 8929 |
Rendering and Visualization Score(レンダリング) | 4666 | 3512 |
Video Editing Score(動画編集) | 6388 | 5961 |
Intel系のCPUは、アプリ起動・Web閲覧・文書作成など一般用途でのスコアが高い傾向があります。
さすがに最新世代のCore i5-1340Pと比較すると、いずれも少しずつ劣るスコアですが、十分に高いので快適に使えます。
特に、アプリ起動はCore i5-1335Uのほうが高く、Web閲覧もほぼ同じスコアなので、普段使いではCore i5-1340Pとほぼ同等の快適さがあるでしょう。
実際にブラウザを複数起動したり、ワードプレスでブログを書くくらいなら極めて快適に使えます。
Crystal DiskMark

シーケンシャルリードが3800を超えており、とても高速です。
HP ENVYも高速でしたが、HP ENVYは3500だったので、それよりも早い数字で、これはさすがの数値です。
機種 | シーケンシャルリード |
ThinkPad X1 Carbon | 3888MB/s |
HP ENVY x360 13 | 3500MB/s |
ドラクエⅩベンチマーク

IntelのUプロセッサーは、なぜかDQ10のベンチマークと相性がそこまで良くないようでスコアはそこそこ、というところでした。
軽めの3Dゲームならなんとか、というところです。
FF14 暁のフィナーレベンチマーク

IntelのUプロセッサーは、グラフィック性能はやや控えめの傾向にあります。
中量級のFF14は、ノートパソコン標準品質で普通、の評価でした。3Dゲームをするのにはちょっと向かないでしょう。
3DMark ベンチマーク

Fire Strikeのスコアは4391でした。
Fire Strikeのスコア目安は以下の通りです。
グラフィックボード | 3DMark Fire Strike |
GeForce RTX 3080 Ti | 38323 |
GeForce RTX 3080 | 36176 |
GeForce RTX 3060 | 20764 |
GeForce RTX 3050 Ti | 14911 |
GeForce GTX 1650 | 9047 |
AMD Ryzen 7 6800U(CPU内蔵) | 6666 |
Intel Core i7-1260P(CPU内蔵) | 5010 |
Intel Core i5-1335U(CPU内蔵) | 4391 |
Intel Core i7-1165G7(CPU内蔵) | 4200 |
Intel Core i5-1235U(CPU内蔵) | 4054 |
AMD Ryzen 5 5625U(CPU内蔵) | 3360 |
AMD Ryzen 7 5800U(CPU内蔵) | 3276 |
めやすとしてはGeForce GTX 1650がエントリー向けグラフィックボードとなります。
当機種はCPU内蔵グラフィックとしては低くはないですが、重めの3Dゲームは難しいでしょう。
どの程度までのゲームが遊べるかは、以下の記事に詳しくまとめていますので参考にしてみてください。

RawTherapeeでのRAW現像時間
フリーの画像編集ソフトRawTherapeeを使って、スマホで撮影したRAW画像10枚のRAW現像にかかる時間を測定しました。
CPU | 時間 |
AMD Ryzen 7 7730U | 17秒 |
Intel Core i5-1335U | 17秒 |
AMD Ryzen 7 5800U | 23秒 |
AMD Ryzen 7 7730Uなみの処理速度で、RAW現像は得意領域のようです。
Davinci Resolveでのyoutube動画書き出し時間
動画編集ソフトDavinci Resolveで、4分のフルHDのyoutube動画書き出し時間にかかった時間を計測しました。
CPU | 時間 |
AMD Ryzen 7 6800H+GeForce RTX 3050 Ti | 48秒 |
Intel Core i5-1340P | 1分17秒 |
AMD Ryzen 7 6800U | 1分18秒 |
Intel Core i7-1260P | 1分28秒 |
Intel Core i5-1335U | 1分48秒 |
AMD Ryzen 7 5800U | 1分56秒 |
Intel Core i5-1235U | 1分56秒 |
それなりに速く、Ryzen 7 5800Uより少し早いくらいのスピードで書き出しができました。
動画編集向きとは言いませんが、ある程度なら実施できるでしょう。
排熱性能と静粛性について
CPU負荷をツールでかけてみて、CPU温度と本体の温度、静粛性をチェックしてみました。
負荷をかけ始めたときの状態です。

負荷をかけ続けた時の状態です。


上記が測定結果ですが、負荷をかけるとCPU温度が一気に100℃程度まで上がりました。その後すぐに75℃程度まで下がります。
高温(高電力)をかけ続けられない?のかもしれません。
この間、キーボードの上側あたりがやや熱くなっていますが、打鍵ができないということはなく使えます。
また、負荷をかけた時の音についてですが、よく聞くと「サー・・」という音が聞こえますが、そこまで大きい音ではありません。
騒音測定アプリで測定したところ、負荷をかけている状態で40db弱程度でした。
騒音目安については以下の通りです。
騒音値(db) | めやす |
50db | 大きく聞こえる。静かな事務所 |
40db | 聞こえるが会話に支障なし。図書館、静かな住宅地の昼 |
30db | 小さく聞こえる。郊外の深夜、ささやき声 |
20db | ほとんど聞こえない。ささやき |
当機種は薄型設計のため、若干、負荷をかけたときの熱が気になる?ようには思いますが、まあ普通に使えるレベルだと思います。
レノボ ThinkPad X1 Carbonのレビュー評価まとめ
評価まとめ
各作業のレビュー結果は以下の通りです。
Web閲覧 | ◎(とても快適) |
---|---|
Office系事務作業 | ◎(とても快適) |
動画鑑賞 | ◎(とても快適) |
Web会議 | ◎(とても快適) |
プログラミング | ◎(とても快適) |
画像編集 | ◎(とても快適) |
動画編集 | △(動画編集向きではない) |
ゲーム | ×~△(ゲーム向きではない) |
ノートパソコン自体の質感、デザイン、耐久性、キーボード、持ち運びやすさ、コスパなどのレビュー結果は以下の通りです。
質感 | ◎(とても良い) |
---|---|
キーボード | ☆(ノートパソコン最高レベル) |
インターフェイス | ◎(とても良い) |
デザイン | △〜○(良くも悪くもThinkPad) |
耐久性 | ◎(MIL基準準拠) |
バッテリー | △~○(容量は大きい) |
持ち運び | ○(良い) |
コスパ | △~○(総合力からすると妥当だが少し高いか) |

さすがフラッグシップというだけの出来で、欠点がなくモバイル性能も優秀です。
ビジネス用途として特化した性能を持っており、多くのビジネスパーソンの最強の相棒として使えるノートパソコンだと思います。
ThinkPadというネームバリューは、ビジネスユースとして購入するのに適しているので、ビジネスで使いやすく耐久性の高いノートパソコンが欲しい、という方の選定ポイントにもなると思います。
レノボ ThinkPad X1 Carbonの良い点
- キーボードがノートパソコン最高峰
- モバイルノートパソコンとして優秀
- 安定感のあるデザイン
- 伝統の品質と耐久性
- 欠点が少ない

ThinkPadの伝統的な良さとしてキーボードが素晴らしく、かつ、X1 Carbonはモバイルノートパソコンとしても優秀です。
ビジネスの良き相棒として、活躍してくれることでしょう。
レノボ ThinkPad X1 Carbonの惜しい点
- ゲーミング・動画編集用途には向かない
- 価格が高め
これは惜しい点というよりは、X1 Carbonの特性の話ですが、外部GPUがつけられないのでグラフィック性能は控え目です。そのためゲーミングや動画編集には向かないと言えます。
またThinkPadシリーズのフラッグシップモデルなので、価格もやや高いです。
このノートパソコンを購入するのに向く方

- 持ち運びが多くビジネス用途全般に使いたい方
- キーボードに拘りがある方
- 耐久性の高いノートパソコンが欲しい方
「どんな場面でもノートパソコンを持ち歩き、仕事に使いたい」
という方には最適の機種です。
その軽さ・キーボードの良さ・性能の良さは、ビジネスの最強の相棒として活躍してくれることでしょう。
MIL基準(米国国防省調達基準)をクリアしているので耐久性も抜群です。
私もあらためて使ってみて
「やはりThinkPadのフラッグシップは良い!本業ノートパソコンがこれだったらなあ・・・」
という感想を強く持ちました。予算があるならビジネスの相棒としておすすめなのでぜひ検討してみてください。
動画編集やゲーミングならYoga Pro 7i Gen8がよさげ
Lenovo Yoga Pro 7i Gen8
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i5-13500H, Core™ i7-13700H |
メモリ | 16 GB LPDDR5-5200MHz (オンボード) |
グラフィック | NVIDIA® GeForce RTX™ 3050 6GB GDDR6 |
ディスプレイ(1) | 14.5″ WQXGA液晶 (2560 x 1600) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%sRGB, 350 nit, 90Hz |
ディスプレイ(2) | 14.5″ 3K液晶 (3072 x 1920) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%DCI-P3, 400 nit, 120Hz |
SSD | 512 GB SSD, M.2 PCIe-NVMe, 1 TB SSD M.2 2280 PCIe-NVMe Gen4 TLC |
光学ドライブ | なし |
無線LAN | Wi-Fi 6E対応 (IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n準拠) 2×2 & Bluetooth® |
Webカメラ | IR&1080p FHDカメラ (電子式プライバシーシャッター付)、マイク |
指紋認証 | なし |
外形寸法(mm) | 約 325.5×226.49×15.6mm(最薄部) |
駆動時間 | 73Whr 最大18時間 |
充電時間 | 約2時間 |
重量 | 1.49kg |
価格 | 12万円台~ |
もし外に持ち運びつつ、動画編集やゲーミングをしたいのであればレノボ Yoga Pro 7i Gen8がおすすめです。
Yoga 7i Gen8と名前が似ているのですが別機種です。
こちらは2 in 1ではなく普通のクラムシェル型ノートパソコンです。
外付けGPUに、GeForce RTX 3050を搭載する構成を選ぶことができ、かつ、14.5インチで1.49kgと、性能の割に比較的軽量です。
外付けGPUなしの構成を選択することもできます。
性能がとても良く、かつ軽いので、外出先でクリエイティブワークを行う方におすすめの機種です。
値段はYogaのほうが安いので、もし動画編集を主にするのであればこちらも検討してみてはいかがでしょうか。
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