ノートパソコンを買うとなった場合、どのような機種を選べばよいか?
Windowsは特に、ラインナップが豊富なので知識がないと迷う、という方も多いと思います。
私は、本業のSEと副業のブロガーでノートパソコンをフル活用しているので、選び方について解説します。
ノートパソコンの用途からの選び方

ノートパソコンを購入される場合、イメージしている用途があると思いますので、まずは用途からどういったノートパソコンが必要かを決めましょう。
ノートパソコンの代表的な用途と必要性能
ノートパソコンの代表的な用途と、欲しい性能について以下にまとめました。
Web閲覧 | 必須性能があればOK |
---|---|
Office系事務作業 | 必須性能があればOK |
Web会議 | 必須性能があればOK |
SNS・ブログ | 必須性能があればOK |
動画鑑賞 | 必須性能があればOK |
画像・写真編集 | ディスプレイ品質がよいものを選びたい |
プログラミング | メモリ16GB + SSD512GB以上を選びたい |
動画編集 | 外部GPU搭載機種を選びたい |
ゲーム | 外部GPU搭載機種を選びたい |
Office系事務作業などテレワークや一般的用途
Office系事務作業などテレワーク用途、もしくはWeb閲覧など一般的用途での使用は、必須性能があればOKです。
後述する必須性能を満たしていれば問題ありません。
画像・写真編集
画像・写真編集を主要な用途としたい場合、ディスプレイの輝度が明るく、色域が広いディスプレイを選びたいところです。

詳細なスペックや選び方については後述します。
プログラミング
プログラミングをがっつりとやりたい場合、開発環境にメモリとSSD容量を結構使うので、メモリ16GB + SSD512GB以上のスペックが欲しいです。
趣味程度に、少しやってみるくらいであれば、必須性能を満たすノートパソコンで問題ありません。
動画編集・ゲーム
動画編集、ゲームを主要用途とする場合、外部GPU搭載機種を選びたいところです。
ノートパソコンの必須性能・推奨性能について

ノートパソコンを選ぶ際に目安となる性能について
- 必須性能:必ずクリアしてほしい性能
- 推奨性能:予算に余裕があればクリアしたい性能
を解説します。
性能 | 必須 | 推奨 |
CPU | 12世代Intel Core i3/AMD Ryzen 3 5000番台以上 | 12世代Intel Core i5/AMD Ryzen 5 5000番台以上 |
メモリ | 8GB以上 | 16GB以上 |
ストレージ | SSD 256GB以上 | SSD 512GB以上 |
ディスプレイ | IPS液晶,輝度250nit以上,sRGBカバー率60%以上 | IPS液晶/OLED,輝度300nit以上,sRGBカバー率98%以上 |
解像度 | 解像度1920×1080以上,画面比率16:9 | 解像度1920×1200以上,画面比率16:10もしくは3:2 |
CPU性能
ノートパソコンに搭載されている主要CPUのベンチマークとなる、PassMarkというスコアを紹介します。
CPU | PassMarkスコア |
Core i7-12700H | 27020 |
Ryzen 7 6800H | 23797 |
Ryzen 7 6800U | 20727 |
Ryzen 7 5800U | 18837 |
Ryzen 7 5825U←おすすめ | 18386 |
Ryzen 5 7530U←おすすめ | 17704 |
Core i7-1260P←おすすめ | 17203 |
Core i5-1240P←おすすめ | 17345 |
Ryzen 7 5700U | 15747 |
Ryzen 5 5600U | 15000 |
Ryzen 5 5625U←おすすめ | 15000 |
Core i5-1235U | 13865 |
Ryzen 5 5500U | 13348 |
Core i7-1165G7 | 10681 |
Core i5-1135G7 | 10298 |
Ryzen 3 5300U | 10000 |
Core i3-1115G4 | 6610 |
Intel Celeron 7305 | 2665 |
事務作業でブラウザをたくさん立ち上げ、かつ重いアプリを複数立ち上げたまま快適に使うのであれば、Ryzen3 5300Uのスコア10000以上あると、十分快適に使えます。
スコアを見てみると分かりますが、数年前まではIntelのCore i3,5,7 が主流でしたが、AMD Ryzenの躍進により、とりあえずIntelを選んでおく、という時代は終わりました。
AMD Ryzenは値段が安く、かつ、性能も十分なので、一般用途であればAMD Ryzenを選んでも全く問題ない状況です。
コスパが良くておすすめのCPUは、上の表記載の通り
- AMD Ryzen 5 5625U
- AMD Ryzen 5 7530U
- AMD Ryzen 7 5825U
- Intel Core i5-1240P
- Intel Core i7-1260P
となります。
- Intel Core i3もしくはAMD Ryzen 3 以上を選択すれば普段使いでは問題なし
- 5年使うならIntel Core i5もしくはAMD Ryzen 5 以上
- AMD Ryzen がコスパ良い
メモリ容量目安
普段使いでコスパ最重視なら、8GBが目安です。
4GBだと、普段使いでもレスポンスが厳しくなることが多いので、最低でもメモリ8GBは確保しましょう。
メモリは、容量を増やすことによる価格差はさほどでもないのですが、快適性能の体感を得やすいパーツと言えます。
つまり、スペックアップによるコスパの良いパーツです。
例えば、CPUをAMD Ryzen 5→7に変えても、体感性能はほとんど違いを感じられないと思いますが、メモリ8GB→16GBに増やすのは、効果を体感しやすいです。
そのため、少し予算に余裕があるのであれば、CPUよりも、メモリをスペックアップすることを最重要視したほうがよいでしょう。
また、グラフィックス性能を最大限に活かす場合、メモリはデュアルチャネル(同じ容量のメモリを2枚差し)が必須となります。
デュアルチャネルでないと、メモリの性能がネックになり、グラフィックス性能を引き出しきれないからです。
メモリ16GB以上の場合、ほぼ間違いなくデュアルチャネルですが、8GBの場合はデュアルチャネルかどうかは機種によりけりです。メーカーの仕様表をよく確認してみましょう。
ただゲームや動画編集などをしないのであれば、さほど影響はありません。
- 最低8GB
- 5年使うなら16GB以上
- デュアルチャネル(4GB×2もしくは8GB×2)だとなお良し
ディスプレイ性能
見落としやすいのは、ディスプレイの性能です。
価格が比較的安い機種だと、ディスプレイの品質を少し落としていることが多いです。
- IPS液晶、もしくはOLED(有機EL)
- 輝度250~300nit以上
- 解像度フルHD(1920×1080)以上
これを満たしたディスプレイを搭載している機種を選択しましょう。
安い機種だと、たまにTN液晶になっていることがありますが、TN液晶は確実に避けてください。視野角が狭い、暗いなどでディスプレイが見づらいです。
また解像度HD(1366×768)も避けてください。事務作業で使うには描画領域が狭くなり、作業がしづらくなります。

- 左:HP ENVY 輝度400nit、sRGB100%
- 右:Lenovo IdeaPad Slim 輝度300nit、sRGB63%
左がHP ENVYで高性能ノートパソコン、右がIdeaPad Slim でコスパ重視ノートパソコンとなります。
HP ENVYのディスプレイのほうが、明るくて色鮮やかであることが分かります。
IdeaPad Slim も、これ単体で見れば全く問題ない品質ですし、事務作業には何ら支障のないディスプレイなのですが、比較すると差を感じます。点数をつけるならばIdeaPadのディスプレイは70点です。
対してHP ENVYのディスプレイは90点くらいはつけられる綺麗さがあります。
また最近は有機EL(OLED)搭載のモデルも増えてきています。
コスパを追い求めるならばIPS液晶になりますが、少し予算が許すのならば、有機ELモデルを検討してみるのも良いと思います。

上記は有機EL搭載のLenovo Yoga 770iですが、とても色鮮やかで明るく、美しいディスプレイです。

同じく輝度400nitで、IPS液晶であるHP ENVY x360 13-ay(左)との比較です。
写真だとわかりづらいかもしれませんが、やはり有機ELのほうが明らかに色鮮やかできれいです。
写真が趣味であるとか、画像編集をしたいという方は、ディスプレイ品質は妥協しないようにしましょう。
ノートパソコンの使う状況からの選び方

- ノートパソコンの用途を検討する
- 用途に見合った性能を検討する
ノートパソコンの用途や必要性能が検討できたら、次にノートパソコンを使う状況・使い方からどういったノートパソコンがよいかを検討します。か
使う状況で一番大きいのは、外に持ち運んで使うどうか、になります。
- 外に頻繁に持ち運ぶ
- たまに持ち運びたい
- まったく持ち運ばない
その場合のノートパソコンのサイズ、重量目安は以下の通りです。
使い方 | サイズ | 重量目安 |
外に頻繁に持ち運ぶ | 13.3インチ以下 | ~1.2kgまで |
たまに持ち運びたい | 13.3~14インチ | ~1.5kgまで |
まったく持ち運ばない | 15.6インチ以上 | 何kgでもよい |

頻繁に持ち運ぶのであれば、サイズは13.3インチ以下、重量は1.2kgまで、できれば1kg以下を選びたいところです。
ただし価格は高くなります。
たまに持ち運ぶ、くらいであれば、14インチ、重量1.5kg程度でも問題ありません。

上記写真は
左が13インチのHP ENVY(1.25kg)
右が14インチのレノボ IdeaPad Slim(1.4kg)
です。
大きさはさほどの差がなく、どちらもカバンに入れること自体は問題ないサイズです。

上記写真は
左が13インチのHP ENVY(1.25kg)
右が15.6インチのレノボ ThinkPad E15(1.78kg)
です。
さすがに15.6インチとなると、大きく、重くなってしまうので、持ち運びは厳しく、基本は据え置き用途となります。
ノートパソコンの価格からの選び方

何か物を買う場合、何はともかく予算が重要、という方もいらっしゃると思います。
例えばノートパソコンは10万以内では買いたい、という方もいらっしゃると思います。
以下に、ノートパソコンの価格と、どの程度の性能の機種が買えるかをまとめました。
価格 | 買える機種 |
~6万円 | 予算不足です・・ |
7万~8万円 | 必須性能をクリアした機種 |
11万円 | 13インチで持ち運びできる機種 |
13万円 | 推奨性能をクリアした機種 |
15万円~ | 動画編集やゲームもできる機種、Mac |
必須性能をクリアした機種を買うには、7~8万円くらいは見ておく必要があります。
セール時期などによってはギリギリ、6万円台で購入できる可能性もあります。
6万円以下のノートパソコンは、Windowsで購入するのはちょっと厳しいです。
持ち運びできる機種、推奨性能をクリアした機種は、それよりも高くなりますので、予算に応じてどこまでの性能を求めるかは、よく考えて購入しましょう。
ノートパソコンを安く買えるおすすめメーカー

ノートパソコンをコストパフォーマンス重視で選ぶとなると
レノボ・DELL・HPのパソコンを直販サイトで購入するのがもっともお勧めとなります。
この3メーカーが、コストパフォーマンスが最高によく、品質も良いので、おすすめです。
レノボ
レノボはコスパ最強です。特にIdeaPadのコスパがすこぶる良いです。まずはこれをチェックしてみましょう。
レノボは、ただ安いだけでなく、最低限クリアして欲しい性能や質感という点でも、安いにもかかわらずきっちり満たしています。これは凄いことです。そういう意味でもコスパ最強と言えます。
DELL
Inspiron 14 AMD、16 AMDが相変わらず即納を続けているので、すぐパソコンが欲しい方は真っ先に候補にするべき機種となります。
DELLはInspironのコスパが抜群なのと、納期が常に安定しているのが魅力です。
IdeaPadの在庫がなかったり、レノボが中国メーカーなので避けたいとかであれば、DELLを選ぶとよいでしょう。
HP
HPは、全メーカー屈指のデザインの良さがあります。
また、Pavilion Aero 13やENVY x360 13など、安いながらも他メーカーにはない光るモデルを投入しているという印象があります。
半面、納期についてはDELL、レノボに負けている印象があります。
HPは、価格.comモデルだと常に安く、まずはこちらをチェックし、金曜日夜~日曜日は、HPの週末セールをチェックしてみましょう。週によっては、価格.comモデルより安いことがあります。
ちなみに私も、HPのENVY x360 13-ayという機種を価格.com限定モデルが安かったので実際に購入しています。
HP直販と価格.com限定モデルの違いは何か?実際に購入した経験からすると、全くないと思います。
価格.com限定モデルも、HP直販サイトでの販売になっていますしね。実際に購入して届いた商品も、価格.com限定を感じさせるものは何もありませんでした。
そのため気にせず、価格.com限定モデルのほうが安ければそちらを購入で問題ないと思います。
Macやクロームブックはどうなのか?

Macやクロームブックは、購入するノートパソコンとしてはどうなのか?
私はサブPCとしてクロームブックも持っていますが、一台目に買うメインマシンとしては、あまり知識がないのならばWindowsをおすすめします。
理由は
WindowsがOSのデファクトスタンダード(事実上の標準)
であるからです。
Windowsのほうが何か調べるときに情報量も多いし、対応アプリも多いです。
また会社などでも、Windowsが圧倒的に使われているので互換性の心配もありません。
MacBook Airやクロームブックについて、記事を書いているので参考にしてみてください。


必須性能を満たして安いおすすめ機種紹介

ノートパソコンの選び方については上記の通りで、ここからは、快適性能を満たしつつ安い機種について、紹介しようと思います。
- DELL Inspiron 14 AMD
- レノボ IdeaPad Slim 570 14 AMD
- レノボ IdeaPad Flex 5 Gen8 14 AMD
上記3機種に絞って紹介します。
DELL Inspiron 14 AMD
CPU | AMD Ryzen™ 5 5625U |
メモリ | 8GB~ |
ストレージ | SSD 256GB~ |
液晶 | 14.0-インチ 16:10 FHD+ (1920 x 1200) 非光沢 非-タッチ 250nits WVA ディスプレイ |
重量 | 約1.54kg |
サイズ | 約 314×227.5×15.7~19.0mm |
バッテリー | 54Wh (最大時間は未公表) |
価格 | 7万円台〜(時期により変動) |
7万円台から購入可能でコストパフォーマンス抜群、最大のメリットは納期が安定しているということです。
ディスプレイが16:10の縦長になっている・メモリが後付けで増設可能なのが、ライバルのLenovo IdeaPad Slimと比較してのメリットです。
あと、メモリ16GBモデルも7万円台と安いので、メモリ16GBにしたい場合もおすすめできます。
このモデルは、ずっと即納で推移し続けており、DELLの納期確保は本当に素晴らしいです。
レビュー記事を書いているので参考にしてみてください。

レノボ IdeaPad Slim 570 14(AMD)
OS | Windows11 Home(64bit) |
CPU | AMD Ryzen™ 5 5625U (2.60GHz 2MB) |
メモリ | 8GB(デュアルチャネル)~ |
ストレージ | SSD 256GB~ |
液晶 | 14″ FHD液晶 (1920 x 1080) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 45%NTSC, 300 nit, 60Hz, LEDバックライト |
重量 | 約1.38kg |
サイズ | 約 321.7×211.8×17.9mm(最薄部) |
バッテリー | 最大15.9時間 |
価格 | 7万円前後(時期によって変動) |
目立った欠点のない万能スペックで、かつ、価格も非常に安いです。
私自身、旧型の550を妻用に購入し、主にテレワーク・日常用途で使っていますが快適に使ってもらっています。
この値段の割には、質感もなかなか良いです。
Lenovo IdeaPad Slim 570 14(AMD)は、レビュー記事も書いていますので参考にしてみてください。

レノボ IdeaPad Flex 5 Gen8 14 AMD
IdeaPad Slim 570の兄弟機として、コンバーチブル型のIdeaPad Flex 5シリーズという機種も販売されています。
2023年1月31日、新型が発売されました。
OS | Windows11 Home(64bit) |
CPU | AMD Ryzen™ 5 7530U |
メモリ | 16GB(デュアルチャネル) |
ストレージ | 512 GB SSD, M.2 PCIe-NVMe |
液晶 | 4″ WUXGA液晶 (1920 x 1200) IPS, 光沢あり, マルチタッチパネル, 45%NTSC, 300 nit, 60Hz, LEDバックライト, ガラス |
重量 | 約1.55kg |
サイズ | 約 313.1×224.9×17.8(最薄部) |
バッテリー | 52.5Whr(最大14時間) |
価格 | 8万円台〜(時期によって変動) |
メモリ16GBの場合こちらの機種のほうがコスパがよく、最新AMD Ryzen 5 7530U、メモリ16GBで2月現在、9万円台です。
スペックを求めるのであればこちらもおすすめです。
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