昨今、生成AIがものすごくトレンドになっており、パソコンレビューでもAI PCというカテゴリのPCが増えてきています。
現状生成AIは、ChatGPTなどクラウドのサーバー上で動作した結果を返す仕組みが大半なので、AI PCを使いローカルで生成AIを動かす機会はまだ少ないです。
生成AIを活用するにあたり、AI PCは本当に必要なのか、何がメリットか、について解説します。
動画も作成したのでご視聴ください。
AI PCとは?
- AIに最適化された機能や性能を持つパソコン
- NPUを搭載し、AI性能が高いとされるパソコン
AI PCの明確な定義はないのですが、上記2つを満たすパソコンを、AI PCと呼んでいます。
NPU(Neural Processing Unit)を搭載し、その性能が高いPCを、AI PCと呼ぶことが一般的です。
NPU(Neural Processing Unit)とは、AI処理専用のプロセッサーで、CPUやGPUとは別に、省電力で高効率なAIタスク処理が可能となるプロセッサーです。
NPUの性能を表す指標として、「TOPS」というのが用いられています。
TOPSとは、「Tera Operations per Second」の略称で、「システムが1秒間に何兆回の演算を実行できるか」を示します。
例えば、10TOPSならば、1秒間に10兆回の演算が実行できるコンピューティングパワーを表します。1秒間に10兆回の演算性能を持つCPUなら、「10TOPS」となります。
| CPU | TOPS |
| GeForce RTX 4060 | 242 TOPS |
| AMD Ryzen AI 9 HX 375 | 55 TOPS |
| AMD Ryzen AI 9 365 | 50 TOPS |
| AMD Ryzen AI 7 350 | 50 TOPS |
| AMD Ryzen AI 5 340 | 50 TOPS |
| Intel Core Ultra 7 258V | 47 TOPS |
| Intel Core Ultra 5 226V | 40 TOPS |
| Intel Core Ultra 9 285H | 13 TOPS |
| Intel Core Ultra 7 255H | 13 TOPS |
| Intel Core Ultra 7 155H | 11 TOPS |
TOPSの値は上記の通りで、外部GPUが圧倒的に高いのですが、2025年最新のCPUであれば、外部GPUなしでも十分に高い値となっています。
40TOPS以上であれば、マイクロソフトが定義している「Copilot+ PC」の基準を満たすので、40TOPS以上が高いAI性能を持つPCと言えます。
Copilot+ PCとAI PCの違いは?
Copilot+ PCも、AI PCも、AI性能に強いPCという意味では同じなのですが、Copilot+ PCのほうが、より厳しい要件があります。
AI PC
「AI PC」とは、AI性能の高いパソコンの総称であり、NPUを搭載しているものはAI PCと呼ばれています。
また、「Copilotキー」を搭載しており、マイクロソフトのCopilot機能をボタン1つで呼び出せるPCであることが一般的です。
Copilot+ PC
「Copilot+ PC」のほうが、マイクロソフトが定義している厳密な要件があります。
- 40TOPS以上のNPUを搭載(1秒間に40兆回以上の演算処理能力)
- 16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ
- 256GB以上のSSD/UFSストレージ
- 長時間のバッテリー駆動時間(1日中使用可能)
- Copilotキーの搭載
特に40TOPS以上のNPUが性能要件としては厳しく、この性能を満たすCPUは一部しか存在しません。
そのため、「Copilot+ PC」と製品紹介で記述されているPCであれば、「AI PC」よりも、より性能が高いノートパソコンと思ってもらえればOKです。
AI PC、Copilot+ PCは性能がトップクラスに高い?
AI PC、Copilot+ PCは、性能がトップクラスに高いのか?というと、実は完全にイコールではありません。
| OS | Windows 11 Home |
| CPU | インテル® Core™ Ultra 7 255H, インテル® Core™ Ultra 9 285H |
| メモリ | 32 GB LPDDR5X-8533MT/s (オンボード) |
| ディスプレイ | 14.5インチ 3K OLED(有機ELディスプレイ) (3000 x 1872) 汚れ防止, マルチタッチパネル, HDR600 True Black, 100%DCI-P3, 500 nit, 120Hz, ガラス |
| SSD | 1 TB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC |
| 無線LAN | Wi-Fi 7対応 (IEEE 802.11be/ax/ac/a/b/g/n準拠) 2×2 & Bluetooth® |
| Webカメラ | 500万画素&IRカメラ、デュアルマイクロホン |
| 電源 | 100W スリム ACアダプター (3ピン) USB Type-C |
| 外形寸法 | 約 325.3×228.1×16.9mm(最薄部) |
| 駆動時間 | 84 Whr |
| 重量 | 1.54kg |
| 価格 | 18.98万円~ |
例えばこちらの機種は、性能がトップクラスに高いですが、NPU性能がCopilot+ PC要件を満たしていません。ただこの機種も、性能は素晴らしく高く、おすすめの機種です。
あくまでNPU性能が高いのが、AI PC、Copilot+ PCという位置づけです。
ただ、Copilot+ PC要件を満たすノートパソコンは、結果的に性能が高く、万能でバランスの良い機種が多いです。
AI PC、Copilot+ PCがAI利用に必須か?
- 別にそんなことはない
- AI PCでなくとも生成AIは普通に利用可能
- NPU性能もAI利用にさほど有効とは言えない
生成AIをこれから使っていこうというときに、AI PCを必ず買ったほうが良いか、というと、実はそんなことはありません。
私はIT企業勤務で、AI PCでないマシンで、バリバリ、生成AIでプログラミングを実施しています。
生成AIを活用するのに、AI PCが有利とは言えない最大の理由は、生成AIはAI提供企業のクラウドサービスを活用するのが一般的であるため、利用するマシン自体の性能がさほど影響しないためです。

こちらは、自分のマシンから生成AIサーバーに接続して、AIを活用するイメージになりますが、基本はブラウザやAIツールからAIを利用し、結果を返してもらうイメージなので、マシンスペックはさほど重要ではありません。
AI PCでなくとも生成AIは普通に使える
こちらはAIコードエディタのアンチグラビティを使っている動画で、AI PCではないマシンで動作させています。
特に、クラウドのAIを活用するとなったときに、NPU性能が活かせるというわけでもないので、AI PCではない普通のノートパソコンでも、生成AIを使うことは普通にできます。
AI PCで何ができる?
AI PCとは、AI性能の高いパソコンであるため、ローカルPC上でAI機能を動かすのであればその性能を活かせる、ということになります。
ただ・・・現状、冒頭でも述べましたが、生成AI機能はクラウド上のサーバーを使うものが大半であるため、まだAI PCの性能を活かす機会があるかというと、そこまでではないという状況です。
ローカルPC上で、生成AI機能を使うことが当たり前になってくると、AI PCの性能も活きてくる時代がそのうちやってくるだろうと言えます。
ローカルPC上での生成AI機能は今後流行るのか?
ではローカル上で生成AI機能を動かすことは今後流行っていくのか?というと、可能性は十分にあるんじゃないかと考えています。
というのも
- クラウドでの生成AIの利用者が増える
- クラウドでの利用が重くなる
- クラウドでの生成AIの利用が制限されるもしくは有償になる
- ローカルPC上でのAI機能使用が主流になる
という流れは十分に考えられるからです。
また、クラウドでの生成AI機能を使うことで、例えば情報流出などのリスクも考えられるので、重要な企業秘密を扱う企業は余計に閉じた環境でのAI活用を考えていくだろうというのもあります。
ただし・・・高性能な生成AIを動作させるには、外部GPUや大量のメモリが必要で、個々のPCにそこまで性能を持たせるのか?というと微妙で、おそらくローカル上といっても、せいぜい企業サーバーくらいになるのではないかというのが、現状の予想です。
ローカル生成AI機能をプログラミングで検証
別記事で検証結果を載せていますが、ローカルPC上に、ローカルLLMという、ChatGPTのような機能をローカル上で動かす環境を構築し、試してみた結果を簡単に紹介します。
この記事でも紹介しています。
ローカルLLMを動かすためのツール「Ollama」(オラマと読むらしい)をインストール
→GoogleのローカルLLMの「Gemma 3」をセットアップ
し、pythonでブロック崩しゲームを作ってもらいました。
ローカルLLM(大規模言語モデル)を用いての生成AIプログラミング検証
AI能力を見るのに、ChatGPTのようなLLM(大規模言語モデル)の簡易版をローカルPCに構築して、生成AIプログラミングを動かす検証を行いました。
Pythonで、ブロック崩しゲームを作ってほしいとリクエストしています。
結果は以下の通りです。
ローカルLLM(Gemma3)でブロック崩しゲームを作ったときの性能
| CPU+メモリ | 掛かった時間 |
| Gemini 2.5 Pro(クラウド) | 35秒 |
| Intel Core i7-14650H + GeForcr RTX 4060 | 2分6秒 |
| AMD Ryzen 7 250 + GeForcr RTX 5060 + メモリ16GB | 3分50秒 |
| Intel Core Ultra 9 285H + メモリ32GB | 3分52秒 |
| AMD Ryzen AI 7 350 + メモリ32GB | 4分40秒 |
| Intel Core Ultra 7 258V + メモリ32GB | 4分52秒 |
| Intel Core Ultra 5 225H + メモリ16GB | 5分57秒 |
| AMD Ryzen 7 6800U + メモリ16GB | 6分5秒 |
タスクマネージャーを確認するとNPUは、現時点ではローカルLLMを動かすのにほぼ活用されておらず、外部GPUの有無のほうが性能には重要であるようです。
そういった意味でも、AI PCでNPU性能を追い求めるのは、残念ながら現状あまり意味がない、という状況になってしまっています。
AI PC、Copilot+ PCを買う意味はないのか?
ではAI PC、Copilot+ PCを買う意味はないのか?というと、そうではなく、AI PCの中でも特にCopilot+ PCは、性能が高くてクリエイティブワークにも対応可能、バッテリー持ちもよい万能な機種が多いです。
- Copilot+ PCは性能の高い機種が多い
- Copilot+ PCはクリエイティブワークも対応可能
- 万能なPCが欲しいならCopilot+ PC はおすすめ
これからCopilot+ PCのおすすめを紹介しますが、Copilot+ PCは、クリエイティブ用途にも使えつつ、バッテリー持ちも良くて、万能で完成度の高い機種が多いです。
別にAIだけの用途ではなく、様々な用途においてCopilot+ PCは優秀なので、買うのは十分にアリと言えます。
AI PC(Copilot+ PC)ノートパソコンおすすめ
ここからはAI PC(Copilot+ PC)でおすすめを紹介します。
HP OmniBook X Flip 14-fm
Intel版
| OS | Windows 11 Home |
| CPU | インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 226V, インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 258V |
| メモリ | 16 ~ 32GB |
| グラフィックス | インテル® Arc™ グラフィックス 130V, 140V |
| ディスプレイ | 14.0インチ・2.8K・OLED タッチディスプレイ (2880×1800 / 16:10 / 400nit / DCI-P3 100% / 48~120Hz / 最大10.7 億色) |
| SSD | 512 GB ~ 1TB SSD |
| 無線LAN | IEEE802.11be(Wi-Fi 7)、Bluetooth 5.4 |
| 電源 | 65W USB Type-C™ スリムACアダプター (動作電圧:100-240 VAC、動作周波数:50-60 Hz) |
| 外形寸法 | 約 313 × 218× 14.6-16.9 mm |
| 駆動時間 | 最大17時間30分 |
| 重量 | 1.39kg |
| その他 | HP リチャージャブル MPP2.0 アクティブペン |
| 価格 | 14万円台~ |
AMD版
| OS | Windows 11 Home |
| CPU | AMD Ryzen™ AI 5 340, AMD Ryzen™ AI 7 350 |
| メモリ | 16 ~ 32GB |
| ディスプレイ | 14.0インチ・2.8K・OLED タッチディスプレイ (2880×1800 / 16:10 / 400nit / DCI-P3 100% / 48~120Hz / 最大10.7 億色) |
| SSD | 512 GB ~ 1TB SSD |
| 無線LAN | IEEE802.11be(Wi-Fi 7)、Bluetooth 5.4 |
| 電源 | 65W USB Type-C™ スリムACアダプター (動作電圧:100-240 VAC、動作周波数:50-60 Hz) |
| 外形寸法 | 約 313 × 218× 14.6-16.9 mm |
| 駆動時間 | 最大14時間30分 |
| 重量 | 1.41kg |
| その他 | HP リチャージャブル MPP2.0 アクティブペン |
| 価格 | 13万円台~ |
旧Envyの後継機種で高級マルチモードPCです。
AI性能が高いのももちろんですが、すべてが最高級品質で、2025年1押しの機種です。
レビュー記事は以下になりますので参考にしてみてください。
HP OmniBook 7 Aero 13-bg
| OS | Windows 11 Home |
| CPU | AAMD Ryzen™ AI 5 340 , AMD Ryzen™ AI 7 350 (最大 50 TOPS NPU) |
| グラフィックス | AMD Radeon™ 840 グラフィックス、860 グラフィックス |
| メモリ | 16~32GB |
| ストレージ | 512GB~1TB SSD |
| 液晶(IPS) | 13.3インチワイド・WUXGA非光沢・IPSディスプレイ (1920×1200 / 400nit / sRGB 100% / 最大1677万色) |
| 重量 | 約970g |
| サイズ | 約 297× 211 × 16.5 (最薄部) -17.4 (最厚部) mm |
| 電源アダプター | 65W USB Type-C™ ACアダプター (動作電圧:100-240 VAC、動作周波数:50-60 Hz) |
| バッテリー | 最大15時間30分 |
| 価格 | 12万円台~(7%オフ適用) |
高いAI性能を持つAMD Ryzen AIを搭載、とても安いノートパソコンです。
しかも970gと凄く軽く、持ち運びにも向きます。
日本HPより当サイト用の割引クーポンを提供していただきました。
下のリンクより購入していただくと、税込13.2万円以上のノートパソコンが7%オフで購入できます。【広告】【提供:株式会社日本HP】
ただしセールとの併用はできません。
旧機種のPavilion Aero 13-bgはレビューしているので参考にしてみてください。CPU以外はほぼ同じです。
AI PCのまとめ
- 生成AIの活用にAI PCはぶっちゃけ必要ない
- 生成AIはクラウドサービスを活用するのが一般的
- ただしAI PCの中でもCopilot+ PCは万能でクリエイティブ用途にもおすすめできる
- よってCopilot+ PCを値上げ前に買うのはアリ
結論としては上記となります。
生成AIを使うのに、AI PCは必須ではありませんが、Copilot+ PCは、クリエイティブ用途にも万能で優秀なPCになるので、買うのはアリと言えます。
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