大学生用のノートパソコン購入を検討されている方に、「このノートパソコンを購入すれば間違いない!」というおすすめ機種や値段について解説します。
私にも子供がいるため、もし自分の立場で、子供が大学生になり、ノートパソコンを買ってあげるとしたら何がよいか?について本気で考えてみました。
大学での推奨ノートパソコンのスペック・仕様と理系・文系の違い

大学でどういったノートパソコンを用意すればよいか?
最も参考になるのは、入学予定の大学で公表されているノートパソコンの推奨スペックで、まずはこれを参照するのが良いでしょう。
参考:中央大学のノートパソコン推奨スペック(文系)
かなり具体的に定義されています。
こちらは中央大学の例ですが、他の大学でも似たような推奨スペックが公表されています。
名古屋大学の例
学部ごとの違い
名古屋大学での仕様例だと、標準仕様以外に学部ごとの仕様例が記載されています。
見る限りでは、理系だからといって、特別高いスペックのパソコンが必要かというとそんなことはありません。
推奨スペックを後述しますが、AMD Ryzen 5 もしくはIntel Core Ultra 5 、メモリ16GB、SSD512GB 程度のスペックがあれば十分です。
私はIT企業でSEとして働いていますが、プログラム開発をするのでも上記のスペックがあれば十分なので「理系だからすごくスペックの高いパソコンを買わないと!」というのは特にないと感じています。
大学生ノートパソコンの推奨スペック

重要なのは以下と言えます。
- 大学で使う4年間快適に使えるスペックがあること
- 持ち運べること
- 高すぎないこと(10万円前後が望ましい)
- Office付きは不要(大学で無償提供されるのが一般的)
大学生向けノートパソコンとしては以下を推奨します。
OS:Windowsがおすすめ
CPU:AMD Ryzen 5 もしくはIntel Core Ultra 5以上
メモリ:16GB以上が望ましい
ストレージ:SSD 512GB以上が望ましい
ディスプレイ:IPS液晶もしくは有機ELで解像度フルHD以上
重さとサイズ:1.5kg以下、13.3インチもしくは14インチ
外部インターフェイス:HDMI/USB-A/USB-Cがある
価格:10万円前後(お金をかけすぎない方が良い)
以下、解説していきます。
OSはWindowsがおすすめ

OSは、Windowsが推奨となっています。
クロームブックは対象外なので、クロームブックは避ける必要があります。
大学生でノートパソコンを購入する場合、Macを購入する方が一定数いるな、という印象です。デザインやブランドに惹かれるのでしょうかね。
スタバでの大学生MacBook率が高いような?完全なイメージですが(^^;
ただ、以下の理由で、特別な理由がなければMacはあまりおすすめしません。
デファクトスタンダード(事実上の標準)はWindows
日本や世界では、OSのデファクトスタンダード(事実上の標準)がWindowsです。
会社に就職するとほとんどの確立でWindowsを使うことになります。
2022年7月の日本でのシェア率は以下の通りです。
OS | シェア率 |
Windows | 72% |
不明 | 14.84% |
Mac OS | 11.84% |
Linux | 0.73% |
Chrome OS | 0.58% |
不明が約15%もあるのが謎ですが・・・割合的には大体Windowsと考えてよいと思います。そうすると
- Windows:80%以上
- Mac:12%程度
という割合になり、OSシェアはほぼWindowsという状況になっている状況と言えます。
この傾向は日本だけでなく世界でも同様です。
私はSEで、IT企業に勤務していますがMacを使っている部署はゼロです。
OSのデファクトスタンダード(事実上の標準)がWindows、日本の一般的な企業ではそれが更に顕著です。
社会人になってから使うのは圧倒的にWindowsなので、パソコンに慣れていない方は、Windowsを購入しておいたほうが無難です。
Macは種類がほぼなくコスパは良くない

MacはAppleが製造しているのみで、Windowsのように様々なメーカーが製造していないので、種類は少ないです。
- モバイルノート:MacBook Air
- 性能を求めるなら:MacBook Pro
と、購入するべき機種は限られているので、Windowsと違って何を購入すべきか?で迷うことはないでしょう。
値段は安くはなく。最新のM3チップ搭載のMacBook Airで16.48万から、しかもこの値段はメモリ16GB、SSD256GBでの価格です。
Windowsで16万~出せば、ハイエンドPCが購入できる価格帯なのでコスパを考えてもWindowsがおすすめです。
CPUはAMD Ryzen 5以上もしくはIntel Core Ultra 5以上

CPUは、AMD Ryzen 5以上もしくはIntel Core Ultra 5以上を推奨します。
ノートパソコンに搭載されている主要CPUのベンチマークとなる、PassMarkというスコアを紹介します。
CPU | PassMarkスコア |
Core i7-13700HX | 34286 |
Core i7-13700H | 30030 |
Ryzen AI 9 365 | 29163 |
Ryzen 7 8845HS | 28671 |
Ryzen 7 8840HS | 24445 |
Core Ultra 7 155H | 24950 |
Ryzen 7 8840U | 23821 |
Ryzen 7 7735HS | 23722 |
Ryzen 5 8645HS | 22787 |
Core Ultra 5 125H | 21300 |
Ryzen 5 8640U | 20772 |
Core Ultra 7 258V | 20032 |
Core Ultra 7 155U | 16759 |
Core Ultra 5 125U | 17413 |
Ryzen 7 7735U | 21082 |
Core i5-1340P | 20106 |
Core i7-1360P | 19600 |
Ryzen 7 7730U | 18864 |
Ryzen 5 7535HS | 18312 |
Core i7-1260P | 17257 |
Core i5-1240P | 17345 |
Core 5-120U | 17292 |
Ryzen 5 7535U | 17123 |
Core i5-1335U | 16814 |
Ryzen 5 7530U | 16509 |
Ryzen 5 5625U | 15000 |
Core i5-1235U | 13865 |
Core i3-1315U | 13755 |
Ryzen 3 7330U | 11816 |
Core i7-1165G7 | 10681 |
Core i5-1135G7 | 10298 |
Ryzen 3 5300U | 10000 |
Ryzen 5 7520U | 9489 |
Intel N100 | 5657 |
Intel Celeron 7305 | 2665 |
事務作業でブラウザをたくさん立ち上げ、かつ重いアプリを複数立ち上げたまま快適に使うのであれば、スコア10000以上あると十分快適に使えます。
15000以上のCPUを選ぶと、4年は快適に使えるでしょう。
めやすはRyzen 5 7530U以上です。
現在のおすすめは、AMD Ryzen のほうがコスパがよく、AMD Ryzen 5 8645HS、Ryzen 5 8640Uなどが性能と価格のバランスが良く、おすすめです。
少し高くなりますが、Intel Core Ultra 5 125H、Core Ultra 7 155Hもおすすめできます。
メモリは16GB以上が望ましい
メモリは、2025年の今、16GBが最低ラインです。
- CPU性能が向上しメモリ16GBが主流になった
- メモリ8→16GBのアップグレードはコスパ良い
- Windows11になってメモリを使うようになった
- 複数アプリ起動や動画編集はメモリ8GBが足を引っ張る
- 16GBあれば4年は快適に使える
上記理由のためです。
8GBは、2025年現在、Windows11を快適に動かすには厳しくなってきたので、最低でも16GBを選びましょう。
よく、パソコンのメモリは、「机の広さ」に例えられます。
メモリとは取り出したデータを一時的に格納しておく場所で、それが仕事を行う上での「机の広さ」に例えるのがぴったりの表現だと思います。
実際に仕事をするときをイメージすると、机が狭いと、必要な書類などを都度入れ替える必要があり、作業効率が落ちると思います。
パソコンのメモリも同じで、メモリが少ないと、複数アプリを起動しているときに、読み込みの待ち時間が発生し、快適性が大きく損なわれます。
メモリは8GBと16GBでそこまで価格差が大きくないことが多く、長く使うことを考えるなら16GB以上を購入しておくことをおすすめいたします。
高負荷作業をするなら32GB欲しいです。
ディスプレイはIPS液晶もしくは有機ELで解像度フルHD(1920×1080)以上

ディスプレイは、IPS液晶、解像度フルHD(1920×1080)以上を選ぶようにしてください。
安い機種だと、TN液晶、もしくは解像度HD(1366×768)という機種がまれにありますが、避けてください。見づらくて使いにくいです。

ここ最近は、画面サイズは比率16:10で解像度WUXGA(1920×1200)というのが主流になっています。
上記写真の左が16:9、右が16:10で、縦に長いと見やすさが体感上、かなり違います。
予算があるなら、解像度WUXGA(1920×1200)を選びましょう。
また、価格が高くなりますが有機ELもおすすめです。

上記は左が有機EL、右がIPS液晶のsRGB63%と一般的な色域ノートパソコンですが、肉眼で見るとかなりの違いがあります。有機ELのほうが綺麗なので予算があるならおすすめです。
ストレージは512GB欲しい
最近のノートパソコンのストレージはSSDが主流です。SSDはアクセスが高速で衝撃にも強いのでもっともおすすめのストレージです。
容量は最低256GB、4~5年ストレスなく使うなら512GB欲しいです。
気を付けてほしいのは、例えば容量256GBがカタログスペックだからといって、256GBすべてが使えるわけではない、ということです。
Windowsでは2進数計算で容量を計算するので、1GB=1024MBになり、実際に使える容量との誤差が生じます。その誤差が、256GBだと実容量は238GBとなります。
また、OSとブラウザなどの基本アプリで約25GB使うので、実際に使える容量は、カタログスペックの-45GB程度と考えておいた方がよいです。
サイズは持ち運ぶなら14インチ以下、1.5kg以下をめやすに

上記写真は、左が14インチ、右が13.3インチです。
持ち運ぶなら14インチ以下にしましょう。14インチで1.5kg以下であれば、持ち運びも可能なくらいのサイズと重さになります。
より軽いのがよければ、13.3インチで1kg前後のノートパソコンを探すとよいでしょう。ただし、その分高くなります。
13.3インチより小さいと、ディスプレイが小さくなり使いづらくなるので、13.3インチもしくは14インチがおすすめです。

持ち運びを考慮する場合、意外と重くてかさばるのが、電源アダプターです。
持ち運びを考慮するなら、電源アダプターはUSB Type-C対応の軽量でコンパクトなものを買ってしまったほうがよいと思います。私も購入しています。
軽量な充電器とケーブルを買えば、重量を合計100~110g程度に抑えることができます。
外部インターフェイスであったらよいもの

外部インターフェイスは、ノートパソコンによって差が出るところです。
欲しいのは以下です。
- USB Type-A:マウス・キーボード・データ転送に使う
- USB Type-C:データ転送、給電やディスプレイ出力ができればなお良し
- USB Type-CはThunderbolt4ポートであればなお良し
- HDMI:ディスプレイ出力
物理LANポートは、最近のノートパソコンにはほぼ搭載しておらず、また物理LANが必要になるケースもほぼないので、気にしなくても良いでしょう。
どうしても物理LANポートが必要になる場合、USB→LANポート変換アダプタがAmazonで1000~2000円で売っているのでそれを購入すれば事足ります。
価格は10万円前後で購入するのが望ましい
大学生の子供にノートパソコンを買ってあげるといった場合、4年は使う想定で、価格が高く良いものを買ってあげたい、という気持ちに、親としてはなるかもしれません。
私はあえて、高すぎるノートパソコンを買うのはよくない、10万円前後のものを選ぶべき、と考えています。
理由は、大学生であればこれから本格的にノートパソコンを使い始めることが大半であると思うので、高すぎるノートパソコンを買っても、その良さを活かしづらいためです。
また頻繁に持ち運ぶことも想定され、消耗も激しくなるのでせっかく高いパソコンを買っても、結局3~4年後には買い替えることになる可能性も高いためです。
10万円前後で中の上、75~80点程度のノートパソコンを買って、4年使ってもらえるならそれでも良し、本人が何か不満を感じるようなら、その不満を解消したノートパソコンを自分のお金で買ってもらう、のが良いと私は考えています。
Officeは購入しなくてよいのが一般的

大学で使うノートパソコンだと、Officeは必須だと感じるかもしれませんが、実際には大学のボリュームライセンスが使えるため、不要であることが一般的です。
Office ソフトウェアについて、大学ライセンスにより在学中は無償で利用(1アカウント)できるため、個別購入は不要です。
中央大学のノートパソコン推奨スペックにも、上記が記載されています。
そのため入学する大学のページをよくチェックし、本当に購入が必要かどうかはよく確認しましょう。
大学生におすすめのノートパソコン紹介
予算10万で完璧な性能と品質:レノボIdeaPad Slim 5 Gen10(14型AMD)
OS | Windows11 Home(64bit) |
CPU(Intel) | インテル® Core™ i5-13420H、インテル® Core™ i7-13620H |
CPU(AMD) | AMD Ryzen™ 5 8645HS, Ryzen™ 7 8845HS |
メモリ | 16 GB DDR5-5600MHz (SODIMM)(2 x 8 GB) |
ストレージ | 512 GB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC |
液晶(IPS) | 14インチ WUXGA OLED(有機ELディスプレイ) (1920 x 1200) 光沢あり, マルチタッチ非対応, HDR500, 100%DCI-P3, 400 nit, 60Hz, ブルーライト軽減パネル |
重量 | 約 1.39kg |
サイズ | 約 313.4×222.0x16.9mm(最薄部) |
バッテリー | 60Whr 動画再生時 約 9.2 時間・アイドル時 約 14.5 時間 |
価格 | 9万円台~ |
Intel版は2024年12月に、AMD版は2025年1月に発売されました。
AMD AMD Ryzen 5 8645HSの性能はよく、普段使いにはもちろんクリエイティブワークもある程度できるくらいの性能です。また有機ELディスプレイを搭載し9.98万円と安いです。
この機種の特徴としては
- すべての品質が80点以上。ミドルハイ(中の上)としてコスパ最強
と言えます。価格が10万円以下と安いのにもかかわらず、ほぼすべての品質が80点以上で総合力とコスパが素晴らしいです。
また性能も良く、事務作業用途はもちろん、ある程度のクリエイティブワークもこなせるくらいの性能があります。ディスプレイも有機ELで綺麗です。
重さも1.4kgと持ち運びもでき、米軍調達基準のMIL-STD-810H 認定も受けており耐久性も良いという、とにかく万能で、据え置きと持ち運び両方に対応できます。
今時点で価格と品質を考えると最もおすすめの機種です。
AMDのほうが性能が高くてコスパが良く、おすすめです。
レビュー記事を書いているので参考にしてみてください。

軽さでもっともおすすめ:HP Pavilion Aero 13-bg
OS | Windows11 Home(64bit) |
CPU | AMD Ryzen™ 5 8640U,Ryzen 7 8840U |
メモリ | 16GB |
ストレージ | SSD 512GB~1TB |
液晶 | 13.3インチワイド・WUXGA非光沢・IPSディスプレイ (1920×1200 / 400nit) |
重量 | 990g |
サイズ | 約 297× 211 × 16.5 (最薄部) -17.4 (最厚部) mm |
バッテリー | 最大 11時間30分 |
価格 | 11万円台~ |
モバイルノートパソコンのおすすめは、HP Pavilion Aero 13-bgです。
1kg未満重量も素晴らしいですし、性能も良いです。
またディスプレイの性能も良く、明るくて綺麗なディスプレイを採用しています。
価格も安く、持ち運びするモバイルノートとしては最もおすすめの機種です。
HP Pavilion Aero 13-bg は、価格が安いだけでなく、ディスプレイやCPU性能も、素晴らしかったです。
- 重さ973g(実測値)
- CPUは最新のAMD Ryzen 7 8840U,Ryzen 5 8640U
- 画面比率16:10、輝度400nit、sRGB100%のディスプレイ
Ryzen7 と 5 が選べますが、Ryzen 5 のほうがコスパ良くおすすめです。
ただ、軽くするためのバッテリー容量が少なく、バッテリー持ちはさほどよくないのでその点は注意してください。
大学生の子供がいる場合、学割対象となり、11.48万から購入できます。
レビュー記事は以下です。

軽くてバッテリー持ちも良い:レノボIdeaPad Slim 5 Light Gen10
OS | Windows11 Home(64bit) |
CPU | AMD Ryzen™ 5 7535HS, Ryzen™ 7 7735HS |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 512 GB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC |
液晶 | 13.3インチ WUXGA液晶 (1920 x 1200) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%sRGB, 400 nit, 60Hz |
重量 | 約 1.15kg |
サイズ | 約 295.58×206.95×14.3mm(最薄部) |
バッテリー | 54.7Whr 動画再生時 約 11.5 時間・アイドル時 約 22.8 時間 |
価格 | 10万円台~ |
実測1.14kgと軽く11万円前後と安い

レノボIdeaPad Slim 5 Light Gen10は、1.14kgと比較的軽く、価格も11万円前後で購入可能と、モバイルノートパソコンを安く購入できるのが特長です。
この価格はHP Pavilion Aero 13-bgよりも少し安いです。
ボディ質感やキーボードも良くバッテリー持ちも素晴らしい


レノボIdeaPad Slim 5 Light Gen10は、軽くて安いだけでなく、ボディ質感やキーボードも上々の出来です。
ボディ外観は質感が高く、米軍調達基準のMIL-STD-810H認証を受けており、耐久性も高いです。
キーボードも13.3インチのサイズからすると打ちやすいキーボードで、バッテリー持ちも良く、欠点が見当たらない、バランスの良い機種です。
また、HP Pavilion Aero 13-bgよりも明確に優れている点として、バッテリー持ちが良いということが挙げられます。
以下の条件にてバッテリー駆動時間のチェックを行いました。
- 輝度MAX
- youtube動画流しっぱなし
メーカー公称時間 | 動画再生時 約 11.5 時間・アイドル時 約 22.8 時間 |
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残量0%まで | 8時間35分 |
輝度の高さを考慮すると、モバイルノートパソコンとしてトップクラスのバッテリー持ちでした。そのため、大学で電源接続しない環境で長時間使うのにもおすすめできます。
レビュー記事は以下です。
