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レノボYoga Slim 7x Gen9 レビュー【高性能ARMプロセッサ搭載のAIPC】

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2024年に新発売した、レノボのYoga Slim 7x Gen9をレノボよりお借りし、レビューすることができましたので、実機レビューを書きます。

 

レビュー機のマシンのスペックは以下の通りです。

  1. CPU:Snapdragon X Elite X1E-78-100
  2. メモリ32GB
  3. SSD 512GB
  4. 14.5インチ 3K OLED(有機ELディスプレイ) (2944 x 1840) 光沢あり, Dolby Vision™対応, マルチタッチパネル, HDR600 True Black, 100%DCI-P3, 1000 nit (最大)/500 nit (標準), 90Hz, ガラス

 

レノボYoga Slim 7x Gen9の特徴を一言で表すと

  1. AI機能に優れたARM版CPUを搭載した軽量高品質ノートパソコン

と言えます。

CPUに、IntelやAMDといったノートパソコンに一般的に搭載されているCPUではなく、QualcommのSnapdragon X EliteというCPUを搭載しているのが最大の特徴です。

Snapdragon X Eliteは、AI専用のNPUというプロセッサを搭載し、その性能が極めて高性能ということが特長です。

NPUは「Neural Processing unit(ニューラル プロセッシング・ユニット)」の略称で、AIを高速処理するために設計されたプロセッサです。

どれだけ高性能なのか、については後述します。

 

また、14.5インチと比較的大きいサイズながら、実測値約1.28kgと比較的軽量であるのも、特長です。

また画面も品質の高い有機ELを搭載しておりとても綺麗です。

最先端のAI機能を活用したい、ARMに対応したソフトウェアをメインに使い、どこにでも持ち運んで仕事や作業をしたい、という方には特におすすめできるノートパソコンです。

 

レノボ Yoga Slim 7x Gen9

レノボ直販サイト

OS Windows 11 Home 64ビット
CPU Snapdragon® X Elite X1E-78-100 Processor (3.40 GHz )
メモリ 16~32 GB LPDDR5X-8448MHz (オンボード)
ストレージ 512GB~1TB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC
液晶(14型) 14.5インチ 3K OLED(有機ELディスプレイ) (2944 x 1840) 光沢あり, Dolby Vision™対応, マルチタッチパネル, HDR600 True Black, 100%DCI-P3, 1000 nit (最大)/500 nit (標準), 90Hz, ガラス
重量 約 1.28kg
サイズ 約 325×225.15×12.9mm(最薄部)
バッテリー 70Wh 動画再生時 約 19.6 時間・アイドル時 約 16.6 時間
カメラ IR&1080p FHDカメラ (電子式プライバシーシャッター付)、マイク
指紋認証 なし
価格 22万円台~

 

レビューまとめショート動画を作成しました。さくっと1分で概要を知りたい方はこちらを見てみてください。

 

レノボ Yoga Slim 7x Gen9の特徴・おすすめポイント

AI機能に優れたCopilot+ PC

レノボYoga Slim 7x Gen9は、キーボードの←矢印キーの左側に、Copilotボタンを搭載しています。

マイクロソフトが定義する「AI活用を前提に最適化されたWindowsパソコン」の要件を満たすCopilot+ PCをクリアするノートパソコンとなっています。

Copilot+ PCの要件を満たすためには、毎秒40兆回以上(40TOPS)の操作をできるNPUを搭載する必要があります。

Snapdragon X Eliteでは現状ではこの仕様を満たす、唯一の製品である45TOPSの性能を持っています。

ちなみに2024年に登場したIntel Core Ultra 7 155Hでさえ、NPUの性能は、11TOPSということのため、いかにSnapdragon X Eliteが、AI活用のためのNPU性能が高いか、ということが分かります。

 

Copilotは、ボタン一つで呼び出すことができ、少し前に大ブレイクしたChatGPTと似たような機能を持っています。

欲しい情報そのものズバリを検索できるのであれば、従来通りの検索でもよいのですが、あいまいな内容の検索で、対話形式で質問したいのであれば、Copilotを活用するとよいでしょう。

 

AI性能だけでなく他ソフトの性能も高い(ARMベースで動作する場合)

Snapdragon X Eliteは、ARMベースで動作するソフトウェアの場合、性能が高く、Intel Core Ultra 以上の性能を発揮します。

今回、レビューをしていて、Intel Core Ultra以上の可能性を感じるCPUでした。

 

例えばARMベースで動作するベンチマークソフトPassMarkの測定結果は、Intel Core Ultra 7 155H以上のスコアでした。

また、動画編集ソフトのDavinci Resolveは、新バージョンよりARMベースで動作するバージョンがダウンロードできます。

このバージョンで動画書き出しスピードを測定したところ

  1. Intel Core Ultra 7 155H:66秒
  2. Snapdragon X Elite:31秒

という、圧倒的に速い書き出しスピードとなりました。

「可能性を感じる」と思ったのはまさにこの性能で、今後、ARMベースで動作するソフトウェアが増えてくると、Intelを凌駕する可能性さえあるんじゃないか、と感じさせるものがありました。

 

ARMベースのCPUは対応ソフトが多くないのが欠点

今回紹介したDavinch Resolve以外にも、Microsoft 365、Adobe Photoshop、Lightroom、Google Chromeなども、ARMベースで動作するようです。

ただレビューしていて、ARMベースで動作しないソフトもありました。

 

例えば上記はFF14のベンチマークですが、測定中のプロセス一覧をみると、アーキテクチャが「ARM64」になっていないのが分かります。

これは、ARMベースで動作しておらず、x64やx86のエミュレーション動作(異なる動作環境で実行させること)となっており、本来の性能を引き出せません。

まあFF14は、それでも高いスコアだったのですが・・・

エミュレーションで動作してくれるのならまだマシで、ソフトによっては、起動さえしてくれないものもありました。

ただこれは、今後ソフトメーカーが対応していく中で徐々に解決していく問題と言えます。

全般的に、ゲーム系はARMベースでは動作しないようです。そのためゲームをするのなら当PCを購入すべきではないでしょう。

 

レノボYoga Slim 7x Gen9は本体品質もとても高い

レノボ Yoga Slim 7x Gen9は、ボディやディスプレイなど本体品質も、とても高いです。

14.5インチと比較的大型ながら、約1.28kgと、とても軽量です。

しかも米軍調達基準のMIL規格にも対応しており、耐久性にも優れているので持ち運びも問題ありません。

 

ディスプレイも有機ELでとても綺麗で、上記写真の左がYoga Slim 7x、右がYoga 770で両方とも有機ELですが、Yoga Slim 7xのほうがさらに品質の高いディスプレイを使っているように感じられました。

高品質なノートパソコンを探している方にもおすすめできます。

 

レノボYoga Slim 7x Gen9のスペックと価格

スペック

レノボ Yoga Slim 7x Gen9

レノボ直販サイト

OS Windows 11 Home 64ビット
CPU Snapdragon® X Elite X1E-78-100 Processor (3.40 GHz )
メモリ 16~32 GB LPDDR5X-8448MHz (オンボード)
ストレージ 512GB~1TB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC
液晶(14型) 14.5インチ 3K OLED(有機ELディスプレイ) (2944 x 1840) 光沢あり, Dolby Vision™対応, マルチタッチパネル, HDR600 True Black, 100%DCI-P3, 1000 nit (最大)/500 nit (標準), 90Hz, ガラス
重量 約 1.28kg
サイズ 約 325×225.15×12.9mm(最薄部)
バッテリー 70Wh 動画再生時 約 19.6 時間・アイドル時 約 16.6 時間
カメラ IR&1080p FHDカメラ (電子式プライバシーシャッター付)、マイク
指紋認証 なし
価格 22万円台~

 

価格

CPUはどの構成でも同じで、主にメモリやSSDの容量で価格が変わります。

レビュー機の構成は、メモリ32GB、SSD1TBの構成で、25.6万円です。

価格帯は、他メーカーのフラッグシップ機種とほぼ同等の価格帯です。

 

例えばHPのフラッグシップ機種 HP Spectreは、HPのフラッグシップで、最上級モデルは22.98万円と価格が近いです。

OS Windows 11 Pro 64ビット
CPU インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 155H
メモリ 32GB(デュアルチャネル)
ディスプレイ(有機EL) 14.0インチワイド・2.8Kブライトビュー・OLEDタッチディスプレイ(2880 × 1800)
SSD 1TB SSD(PCIe Gen4x4 NVMe M.2)
アクティブペン HP MPP アクティブペン(ブラック)
無線LAN IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6E対応)
Bluetooth Bluetooth(Ver5.3)
Webカメラ HP Wide Vision 9MP IR カメラ (約900万画素)
指紋認証 あり
顔認証 あり
外形寸法 約 313 × 220 × 16.9 mm
駆動時間 最大13時間(66Wh)
重量 1.44kg
価格 19万円台~

質感は、HP Spectreのほうが少し上かなと感じましたが、Yoga Slim 7xは軽量で、Snapdragon X Eliteという将来性を感じさせるCPUを搭載していることがアドバンテージです。

 

レノボYoga Slim 7x Gen9の外観と機能

外観・デザイン・質感

外観はとても高級感があります。さすがに20万円超のノートパソコン、と言えるだけの質感です。

14.5インチと比較的大きいサイズながら、軽量で、超薄型というのもスタイリッシュで良いです。

 

重さ

メーカー公称の重量は1.28kgです。実測値は1286gとほぼ同じで、14.5インチとしては軽いです。

実際に手に取ってみても、サイズ感から予想するよりも軽いので、持ち運びもしやすいです。

 

アダプターはUSB TYpe-Cのもので出力65Wで約290gとなります。軽くはないです。

 

本体実測値 1286g
アダプター 291g

持ち運びも考慮するなら、電源アダプターはUSB Type-C対応の軽量でコンパクトなものを買ってしまったほうがよいと思います。私も購入しています。

軽量な充電器とケーブルを買えば、重量を合計100~110g程度に抑えることができます。

 

ディスプレイ

ディスプレイ 14.5インチ 3K OLED(有機ELディスプレイ) (2944 x 1840) 光沢あり, Dolby Vision™対応, マルチタッチパネル, HDR600 True Black, 100%DCI-P3, 1000 nit (最大)/500 nit (標準), 90Hz, ガラス

ディスプレイは全構成、解像度約3Kの有機ELです。

凄く綺麗で、見やすいディスプレイです。タッチ操作にも対応しています。

 

レノボ Yoga 770(解像度2.8有機EL)

レノボYoga Slim 7x Gen9(解像度3K有機EL)

 

上記写真の左がYoga Slim 7x、右がYoga 770で両方とも有機ELですが、Yoga Slim 7xのほうがさらに品質の高いディスプレイを使っているように感じられました。

ディスプレイは最高品質のものを使っていると感じられます。

 

キーボード

とても打ちやすいキーボードです。

配置は上下矢印キーの部分など、一部詰まっていて打ちにくいところはありますが、打鍵感はとても良いです。

キーストロークも1.5mmと深く、キーピッチも十分に確保されており、打ちやすいです。

超薄型でありながら、キーストロークがしっかりと深く、しっかりとした打鍵感であるのがとてもよいです。

キーボードで点数をつけるなら90点くらいでとても打ちやすいキーボードです。

またタッチパッドも広く、操作感は良好です。

 

キーボードバックライトも搭載しており、暗い場所での作業も苦になりません。

指紋認証には対応していません。

 

    インターフェイス

    インターフェイスは薄型とするために割り切った設計で、USB Type-Cが3つのみとなります。

    左右どちらからでも充電ができるのは便利です。

    ただUSB Type-AやHDMIはないので、BluetoothやUSB Type-C対応のものを使うことになるでしょう。

     

    ThunderBoltを、USB Type-C対応のDELLモニターに接続して検証したところ、問題なく4K出力、充電が可能でした。

     

    バッテリー駆動時間のチェック

    バッテリーは70Whrと、大きいバッテリー容量となります。

    以下の条件にてバッテリー駆動時間のチェックを行いました。

    • 輝度MAX
    • youtube動画流しっぱなし
    メーカー公称時間 動画再生時 約 19.6 時間・アイドル時 約 16.6 時間(逆か?)
    残量0%まで 11時間6分

    メーカー公称値は動画再生時 約 19.6 時間・アイドル時 約 16.6 時間とありましたが逆っぽい?気がします。

    実測値は11時間6分と、きわめて優秀です。

    外出先で長時間利用するのにも向くノートパソコンです。

     

    WEBカメラ

    IR&1080p FHDカメラが付いています。オプションで電子式プライバシーシャッターがつけられます。

    ノートパソコンのカメラで写真を撮りました。映りはとてもきれいで、Web会議も問題なくこなせます。

     

    スピーカー

    Dolby Atmos対応で、全面と背面に4つのスピーカーが搭載されています。スピーカーの音質は良いです。

    旧型Yoga 770も相当にレベルが高いのですが、同等レベルで音質は良いです。

     

    無線速度のテスト

    自宅のWiFiは、11ac(Wi-Fi5)で5.0GHzを使用していますが、同じ部屋だと560Mbps速度が出ており、とても高速です。

     

    1FにWiFiルーターがある状態で2Fで計測してみたところ、こちらも十分な速度が出ていました。

     

     

    機種 無線速度
    ThinkBook 13x Gen2 400Mbps
    Yoga 6 Gen8 510Mbps
    DELL XPS 13 Plus 510Mbps
    IdeaPad Slim 5i Gen8 550Mbps
    ThinkPad X1 Carbon 540Mbps
    HP Envy x360 13-ay 570Mbps
    HP Envy x360 14-fc 550Mbps
    Yoga 7i 2-in-1 Gen9 530Mbps
    Yoga Slim 7x Gen9 560Mbps
    HP Pavilion Aero 13-be 580Mbps
    Legion Pro 5i Gen8 610Mbps

     

    レノボ Yoga Slim 7x Gen9

    レノボ直販サイト

     

    レノボYoga Slim 7x Gen9の性能・処理速度

    パソコン処理性能を計測する上でメジャーな、以下のベンチマークソフトを使って計測した結果を紹介していきます。

    • PassMark
    • CineBench R23→エミュレーションモード
    • PCMARK10→ARMでは動作しなかったので対象外・・・
    • Crystal DiskMark(ディスク速度)

     

    また、ゲーミング性能についても、これもメジャーな以下のベンチマークソフトを使って計測します。

    • DQ10(軽量級3D)→ARMでは動作しなかったので対象外・・・
    • FF14(中~重量級3D)
    • FF15(重量級3D)
    • ストリートファイター6(重量級)
    • 3DMark→ARMでは動作しなかったので対象外・・・

     

    画像編集性能については、画像編集ソフトRawTherapeeでRAW現像10枚の書き出し時間を計測しました。

    • RawTherapeeでのRAW現像時間

     

    動画編集性能については、動画編集ソフトDavinci ResolveでフルHDのyoutube動画書き出し時間を計測しました。

    • Davinci Resolveでのyoutube動画書き出し

     

    計測結果については、電源に接続して、最適なパフォーマンスで計測しています。

    PassMarkは、電源に接続しないバッテリー駆動での計測も行っています。

     

     

    CPU性能を測るベンチマークとしては最も有名なPassMarkスコアについて、ノートパソコンによく搭載される主要なCPUのスコアを紹介します。

    CPU PassMarkスコア
    Ryzen 9 7945HX 55967
    Core i9-13900HX 44998
    Core i7-13700HX 34286
    Ryzen 7 7745HX 32732
    Core i7-13700H 30030
    Ryzen 7 8845HS ※最新世代 29904
    Snapdragon X Elite ※最新世代 25744
    Ryzen 7 8840HS ※最新世代 25299
    Core Ultra 7 155H ※最新世代 24910
    Core Ultra 5 125H ※最新世代 21300
    Core Ultra 7 155U ※最新世代 16577
    Core Ultra 5 125U ※最新世代 17750
    Ryzen 7 7735U 21082
    Core i5-1340P 20106
    Core i7-1360P 19600
    Ryzen 7 7730U 18864
    Core i7-1260P 17257
    Core i5-1240P 17345
    Core 5-120U ※最新世代 17292
    Ryzen 5 7535U 17123
    Core i5-1335U 16814
    Ryzen 5 7530U 16509
    Ryzen 5 5625U 15000
    Core i5-1235U 13865
    Core i3-1315U 13755
    Ryzen 3 7330U 11816
    Core i7-1165G7 10681
    Core i5-1135G7 10298
    Ryzen 3 5300U 10000
    Ryzen 5 7520U 9489
    Intel N100 5657
    Intel Celeron 7305 2665

    事務作業でブラウザをたくさん立ち上げ、かつ重いアプリを複数立ち上げたまま快適に使うのであれば、Ryzen 3 7330Uのスコア11000以上あると、重作業でも十分快適に使えます。

    Snapdragon X Eliteは、PassMarkスコア25000超で、ARMベースで動作するブラウザやソフトであれば極めて快適です。

    実際にGoogle Chromeなどのレスポンスも凄く快適でした。

     

    PassMark

    電源接続時(最適なパフォーマンス)

    電源接続時(バランス)

    バッテリー駆動時

    PassMarkスコアについて、25744と非常に高いスコアとなりました。

    SnapdragonはIntelやAMDではあまり見ない挙動というか、電源モードやバッテリー駆動でもスコアがほとんど変わりませんでした。

    バッテリー駆動でもほぼ変わらないのは、すごいCPUだと言えます。

     

    他の主流CPUの実測値と比較しました。

    CPU マルチ シングル
    Core i-13700HX 36225 3955
    Ryzen 7 8840HS 27215 3796
    Ryzen 7 6800H 25955 3458
    Snapdragon X Elite 25744 3341
    Core Ultra 7 155H 24100 3845
    Core Ultra 5 125H 24554 3636
    Core i5-13500H 24533 3830
    Core i5-1340P 21578 3742
    Core Ultra 7 155U 19232 3678
    Core Ultra 5 125U 19263 3499
    Core i7-1260P 21696 3540
    Ryzen 7 6800U 21461 3459
    Ryzen 7 7735U 21278 3419
    Ryzen 7 7730U 21446 3258
    Ryzen 7 5800U 18644 3108
    Core i5-1335U 17694 3684
    Core i5-1235U 16601 3465
    Ryzen 5 5625U 16933 3138
    Core i7-1250U 13518 3557
    Core i7-1165G7 11005 3142

    マルチスレッドのスコアはIntel Core Ultra 7 155Hをも超えるスコアとなりました。

     

    CineBench R23

    マルチコアスコア:9068

    シングルコアスコア:1100

    CineBench R23は、ARMベースでは動作せずエミュレーションモードでの動作となり、パフォーマンスを十分には発揮できません。

    CineBenchでも最新のものであればARMベースで動作するものがあるようですが、敢えてエミュレーションモードだとどれくらいの性能か?を見たかったので測定してみました。

     

    ほかの主要CPUと比較します。

    CPU マルチコア シングルコア
    Core i7-13700HX 19558 1656
    Ryzen 7 8840HS 13246 1690
    Ryzen 7 6800H 13505 1481
    Core i5-13500H 11027 1779
    Core Ultra 5 125H 10967 1653
    Core Ultra 7 155H 9702 1788
    Ryzen 7 6800U 11620 1481
    Core i5-1340P 9301 1714
    Core Ultra 5 125U 9201 1550
    Core Ultra 7 155U 7824 1674
    Ryzen 7 7735U 9250 1515
    Ryzen 7 7730U 9411 1423
    Core i7-1260P 9158 1481
    Snapdragon X Elite 9068 1100
    Ryzen 5 5625U 8064 1390
    Core i5-1235U 6961 1461
    Core i7-1165G7 4122 1383

     

    PCMARK10

    PCMARK10は、実際のアプリケーションを使用したベンチマークソフトで、実際にパソコンを使った時の作業快適性を計測するのに適しているといわれているベンチマークです。

    残念ながらARMベースでは動作しないようで・・・今回測定対象外といたします。

     

    Crystal DiskMark(測定中)

    シーケンシャルリードが5000を超えており、高速です。

    2021年式のHP Envyも高速でしたが、3500だったのでとても高速です。

    機種 シーケンシャルリード
    HP Envy 14-fc(2024年式) 7142
    DELL XPS 13 Plus 6589
    レノボLegion Pro 5i Gen8 6569
    HP Envy 13-bf(2022年式) 5332
    レノボYoga 7x Gen9 5167
    レノボYoga 7i Gen8 5091
    レノボIdeaPad Slim 5i Gen8 5086
    HP Pavilion Aero 13-be(2023年式) 5045
    レノボYoga 7i Gen9 5054
    レノボYoga 7 Gen9 5022
    レノボThinkPad X1 Gen12 4773
    レノボThinkPad X1 Gen11 3888
    レノボThinkBook 13x Gen2 3603
    HP Envy 13-ay(2021年式) 3500

     

    DQ10 ベンチマーク(軽量級3D)

    インストール時にエラーとなり計測できなかったので対象外とします。

    ゲームは相性がよくなさそうです。

     

    FF14 黄金のレガシー ベンチマーク(中~重量級3D)

    FF14のベンチマークは、4月にリリースされた新作「黄金のレガシー」でベンチマークを取りました。

    標準品質(ノートPC)で、やや快適の結果になりました。

     

    こちらのアプリは、x64のエミュレーションにて実行されているようです。

    その割には高スコアだったので、性能の高さがうかがえます。

    CPU スコア
    Snapdragon X Elite 6757
    Intel Core Ultra 7 155H 5794
    AMD Ryzen 7 8840HS 5584
    Intel Core Ultra 5 125U 3732
    Intel Core Ultra 7 155U 3704

     

    FF15ベンチマーク(重量級3D)

    スコアは軽量品質で普通、という結果になりました。

    Snapdragonは、性能は良いですがゲーム向きのCPUではありません。

    CPU スコア
    Intel Core i7-13700HX+RTX4070(標準) 15852
    AMD Ryzen 7 8840HS(軽量) 4719
    Intel Core Ultra 7 155H(軽量)メモリ32GB 4108
    Intel Core Ultra 5 125H(軽量) 3808
    Intel Core Ultra 7 155H(軽量)メモリ16GB 3355
    Snapdragon X Elite(軽量) 3122
    Intel Core i5-13500H(軽量) 2875
    AMD Ryzen 7 7735U(軽量) 3470
    Intel Core i7-1260P(軽量) 2486
    Intel Core Ultra 7 155U(軽量) 2331
    Intel Core Ultra 5 125U(軽量) 2333
    Intel Core i7-1250U(軽量) 2309

     

    ストリートファイター6ベンチマーク

    セッティングをLOWにして計測しました。

    意外と動作するな?という印象でしたが快適に遊ぶのにはちょっと厳しそうです。

    ストリートファイター6はとても重い部類のゲームのため、致し方ない結果かなと思います。

     

    3DMark ベンチマーク

    測定できず・・・対象外といたします。ゲームに向くCPUとは言えません。

     

    RawTherapeeでのRAW現像時間

    フリーの画像編集ソフトRawTherapeeを使って、スマホで撮影したRAW画像10枚のRAW現像にかかる時間を測定しました。

    CPU 時間
    AMD Ryzen 7 8840HS 11秒
    Intel Core i7-13700HX 11秒
    Intel Core Ultra 7 155H 13秒
    Intel Core i5-13500H 13秒
    Intel Core i5-1340P 13秒
    Intel Core Ultra 5 125H 14秒
    Intel Core i7-1260P 15秒
    Intel Core i5-1335U 17秒
    Intel Core Ultra 5 125U 18秒
    Intel Core i5-1235U 18秒
    AMD Ryzen 7 7730U 17秒
    Intel Core Ultra 7 155U 21秒
    Intel Core i7-1250U 21秒
    Snapdragon X Elite 40秒

    ARM対応でないソフトを使う分には、性能を十分には引き出せないようです。

     

    Davinci Resolveでのyoutube動画書き出し時間

    動画編集ソフトDavinci Resolveで、4分のフルHDのyoutube動画書き出し時間にかかった時間を計測しました。

    今まで計測に使っていたDavinci Resolve 18だと、ARMに対応していなかったので、19を新しくダウンロードして計測しました。

    CPU 時間
    Snapdragon X Elite(ARM版/Ver.19) 31秒
    Intel Core i7-13700HX+GeForce RTX 4060 42秒
    AMD Ryzen 7 6800H+GeForce RTX 3050 Ti 48秒
    Intel Core i7-13700H+GeForce RTX 4050 56秒
    Intel Core Ultra 5 125H 1分02秒
    Intel Core Ultra 7 155H(メモリ32GB) 1分06秒
    Intel Core Ultra 7 155H(メモリ16GB) 1分11秒
    Intel Core i5-13500H 1分10秒
    AMD Ryzen 7 8840HS 1分13秒
    Intel Core i5-1340P 1分17秒
    AMD Ryzen 7 7735U 1分18秒
    AMD Ryzen 7 6800U 1分18秒
    AMD Ryzen 5 7535U 1分22秒
    Intel Core Ultra 5 125U 1分26秒
    Intel Core i7-1260P 1分28秒
    AMD Ryzen 7 7730U 1分29秒
    Intel Core Ultra 7 155U 1分36秒
    Intel Core i5-1235U 1分40秒
    Intel Core i5-1335U 1分48秒
    AMD Ryzen 7 5800U 1分56秒
    Intel Core i7-1250U 2分22秒

    ARM版で、新しいバージョンでの計測とはいえ、今までレビューしてきた中で一番早い速度となりました。

    ARMに対応しているソフトであれば、性能を十二分に引き出せるのでおすすめです。

     

    レノボ Yoga Slim 7x Gen9

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    排熱性能と静粛性について

    いつも使っている負荷ツールがARMだと正常動作しなかったので(汗)動画書き出しを行い、騒音チェックを行いました。

    4分程度の動画書き出しでは、まったくと言っていいほど音が大きくならず、騒音計で測定すると大体25db前後の数値になっていました。

    騒音目安については以下の通りです。

    騒音値(db) めやす
    50db 大きく聞こえる。静かな事務所
    40db 聞こえるが会話に支障なし。図書館、静かな住宅地の昼
    30db 小さく聞こえる。郊外の深夜、ささやき声
    20db ほとんど聞こえない。ささやき

    負荷をかけても、温度や音は全く気になりません。

     

    レノボ Yoga Slim 7x Gen9

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    レノボYoga Slim 7x Gen9のレビュー評価まとめ

    評価まとめ

    各作業のレビュー結果は以下の通りです。

    Web閲覧 ◎(快適)
    Office系事務作業 ◎(快適)
    動画鑑賞 ◎(快適)
    Web会議 ◎(快適)
    SNS・ブログ ◎(快適)
    プログラミング ◎(快適)
    画像・写真編集 ?(測定できず、ARM動作ソフトなら快適と予想)
    動画編集 ◎(ARMで動作するソフトであれば快適)
    ゲーム ×(ARMは現状ゲーム向きではない)

     

    ノートパソコン自体の質感、デザイン、耐久性、キーボード、持ち運びやすさ、コスパなどのレビュー結果は以下の通りです。

    質感 ◎(とても良い)
    ディスプレイ ◎(とても良い)
    キーボード ◎(とても良い)
    インターフェイス △(USB Type-Cのみ)
    デザイン ○(良い)
    耐久性 ◎(とても良い)
    バッテリー ◎(とても良い)
    持ち運び ○(14.5インチとしては軽い)
    コスパ △(安くはないが可能性を感じる)

    全体的に高品質ですがインターフェイスだけは少ないです。

    あと価格は22万円~と高めですが、その分、とても高品質です。

     

    レノボ Yoga Slim 7x Gen9の良い点

      1. ARM対応ソフトの性能は抜群で可能性を感じさせる
      2. 14.5インチで1.28kgと軽量、MIL規格にも対応
      3. 有機ELディスプレイがとても綺麗で最高品質
      4. バッテリー駆動時間が長い

      全体的に高品質です。

      ARM対応ソフトであれば性能は抜群で、持ち運んでのクリエイティブ作業に向きます。

       

      レノボ Yoga Slim 7x Gen9で気になった点

      1. 22万円台~と価格は高め
      2. ARM版対応ソフトはまだ発展途上

      すべてのソフトがARMに対応しているわけではないため、まだ発展途上というイメージがあります。

      また価格も高めです。

       

      このノートパソコンを購入するのに向く方

        1. ARMに対応したソフトをメインで使っている方
        2. 高性能ノートパソコンを持ち運んで使いたい方

        ARM対応のソフトをメインに使う方には、最高のパフォーマンスを発揮できるのでおすすめです。

        また、ノートパソコン自体の品質が高く、14.5インチで1.28kgと軽量なので、持ち運んで高負荷作業をしたい方にもおすすめできます。

        私が実施したい作業は、このパソコンで快適にできたので、軽量で持ち運んでの作業がやりやすいというメリットがあり、欲しくなった1台です。

         

        レノボ Yoga Slim 7x Gen9

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