ノートパソコンのCPUについて、どの程度の性能や種類のCPUを選べばよいか?
ノートパソコンは数年単位で買い換えるものなので、CPUの選び方や、IntelとAMDではどちらがよいか?などが分からないと思います。
当記事ではIntelとAMDの比較や、どのCPUが一番お買い得か?を詳しく解説します。
Intel Core i5かAMD Ryzen 5 最新世代(1世代前も可)がおすすめ

4~5年快適に使うなら、CPUはIntel Core i5もしくはAMD Ryzen 5以上 最新世代か1世代前がおすすめです。
私がノートパソコンレビューで実測値をとってきた、PassMarkというCPUベンチマークスコアを紹介します。
CPU | PassMarkスコア |
Ryzen 9 7945HX | 55967 |
Core i9-13900HX | 44998 |
Core i7-13700HX | 34286 |
Ryzen 7 7745HX | 32732 |
Core i7-13700H | 30030 |
Core i5-13500H | 23554 |
Ryzen 7 7735U | 21082 |
Core i5-1340P※コスパ良し | 20595 |
Core i7-1360P | 19600 |
Ryzen 7 7730U | 18864 |
Core i5-1335U※コスパ良し | 17352 |
Core i7-1260P | 17257 |
Core i5-1240P※コスパ良し | 17345 |
Ryzen 5 7535U※コスパ良し | 17123 |
Ryzen 5 7530U※コスパ良し | 16509 |
Ryzen 5 5625U※コスパ良し | 15000 |
Core i5-1235U※コスパ良し | 13865 |
Core i3-1315U | 13755 |
Ryzen 3 7330U | 11816 |
Core i7-1165G7 | 10681 |
Core i5-1135G7 | 10298 |
Ryzen 3 5300U | 10000 |
Ryzen 5 7520U | 9789 |
Intel N100 | 5657 |
Intel Celeron 7305 | 2665 |
事務作業でブラウザをたくさん立ち上げ、かつ重いアプリを複数立ち上げたまま快適に使うのであれば、スコア10000以上あると、十分快適に使えます。
めやすとしてはCore i5-1135G7程度以上のスコアです。
2023年はIntel13世代が登場し、性能は若干、Intelが優勢ですが大差はなく、コスパならAMDのほうが良いので、Intel・AMD好みで選べばよい状況です。
Intel Core i5もしくはAMD Ryzen 5がもっとも性能に対するコスパが良いです。
さらに上のCore i7もしくはRyzen 7は、値段が1万程度高くなるわりには、性能差を実感できないことが多く、コスパを考えるとCore i5、Ryzen 5で十分です。
CPUはIntel/AMDどちらでもよい

上記のPassMarkのスコアを見ればわかる通り、CPUはIntel、AMDどちらを選んでもよいです。
2023年時点の最新世代では、IntelのほうがAMDよりも性能は若干上ですが、普段使いではどちらを選んでも大差はありません。
Intel・AMDのCPUベンチマーク結果
私が過去実機レビューで計測してきた、各CPUのPassMark(マルチ・シングル)を紹介します。
CPU | マルチ | シングル |
Core i-13700HX | 36225 | 3955 |
Ryzen 7 6800H | 25955 | 3458 |
Core i5-13500H | 24533 | 3830 |
Core i5-1340P | 21578 | 3742 |
Ryzen 7 6800U | 21461 | 3459 |
Ryzen 7 7735U | 21278 | 3419 |
Ryzen 7 7730U | 21446 | 3258 |
Core i7-1260P | 20778 | 3713 |
Ryzen 7 5800U | 18644 | 3108 |
Core i5-1335U | 17694 | 3684 |
Core i5-1235U | 16601 | 3465 |
Ryzen 5 5625U | 16933 | 3138 |
Core i7-1165G7 | 11005 | 3142 |
IntelのCPUのほうが、特にシングルスレッドでのスコアが少し高い傾向にあります。
シングルの性能が高いと、主にゲームで有利というのがあり、ゲーミングで突き詰めるならIntelのほうがよいと言えますが、性能を突き詰めない限りはどちらを選んでも大差ないです。
各種アプリケーションのIntel・AMDの性能

純粋なCPU性能でなく、実際のアプリを動作させたときのパフォーマンスを測定するベンチマークに、PCMARK10というものがあるので、レビューでの測定結果を紹介します。
各計測内容ごとに、どちらのCPUが有利かを載せます。
計測内容 | Intel | AMD |
App Start-up Score(アプリ起動) | 〇 | |
Video Conferencing Score(Web会議) | 大差なし | 大差なし |
Web Browsing Score(Web閲覧) | 〇 | |
Spreadsheets Score(表計算) | 〇 | |
Writing Score(文書作成) | 〇 | |
Photo Editing Score(画像編集) | 〇 | |
Rendering and Visualization Score(レンダリング) | 〇 | |
Video Editing Score(動画編集) | 〇 |
スコアの傾向を見ると上記表の通りなのですが、だからといって普段使いでAMDのWeb閲覧が遅いと感じることもなく、わずかな違いです。
なので、気にしすぎる必要は全くなく、ベンチマークの性能が同じくらいであれば安いほうの購入でよいと言えます。
コスパはAMDのほうがIntelよりも上
同一機種で、AMDとIntel両方を搭載した機種がラインナップされていることがあります。
大抵の場合、AMDのほうが、Intelよりも少し安いです。
上記はレノボYoga 7シリーズの例ですがAMDのほうが6000円安く、IntelとAMDにこだわりがないならば、AMDを選んだほうが少し安くなることが多いです。
そのため好みが特になければ、AMDを選んだほうがよいと言えます。
CPUはIntel・AMDどちらがよいか?のまとめ
- Intel・AMDどちらを選んでもよい
- 2023年現在Intelのほうが性能は僅かに上
- 価格はAMDが安い
- コスパ優先ならAMD
私自身はコスパ重視で、私用PCはAMDを選んでます。
IntelのCPUの選び方

ここからはIntelのCPUについて、選び方を解説します。
IntelのCPUの種類(HX/H/P/U)
IntelのCPUは、名前の末尾にHX/H/P/Uというアルファベットがついており、アルファベットが種類を表しています。
種類 | 特徴 |
HXシリーズ | 超高性能・ゲーミング用途 |
Hシリーズ | 高性能・ゲーミングや動画編集などの用途 |
Pシリーズ | 性能・省電力・価格のバランスが良い。スタンダード・モバイルノートパソコン用途 |
Uシリーズ | 性能は控えめ・省電力性能に優れる。モバイルノートパソコンや低価格ノートパソコン用途 |
- Intel Core i7-13700HX:HXシリーズ
- Intel Core i5-13500H:Hシリーズ
- Intel Core i5-1340P:Pシリーズ
- Intel Core i5-1335U:Uシリーズ
という見分け方になります。
種類 | 性能 | 価格 | 省電力 |
HXシリーズ | 超高性能 | 高い | 凄く悪い |
Hシリーズ | 高性能 | 高い~普通 | 悪い |
Pシリーズ | 高性能~普通 | 普通 | 普通 |
Uシリーズ | 低い~普通 | 安い | 良い |
特徴としては上記です。
ノートパソコンのCPUとしておすすめなのは、性能と価格のバランスが良いPシリーズです。
ただし用途としてモバイル性能を重視したいならUシリーズですし、ゲーミングならHXシリーズとなります。
性能の違いについて
IntelのCPUには、Core i3、i5、i7 など、iの後ろに数字がついています。
この数字が、相対的な性能を表しています。
同じ世代であれば
i7 > i5 > i3
という性能差になっています。
おすすめは、性能と価格のバランスが良い、i5です。
世代について
CPUを選ぶ際の注意点として世代があります。
Intel Core i5-[13]40P
→上記の[13]の部分が、世代を表しており、13世代となります。
2023年現在の最新は13世代です。
ベンチマークスコアを見てもらえばわかりますが、世代が1世代違うと性能が相当に変わります。
CPU | PassMarkスコア |
Core i5-1340P | 20595 |
Core i7-1360P | 19600 |
Core i5-1335U | 17352 |
Core i7-1260P | 17257 |
Core i5-1240P | 17345 |
Core i5-1235U | 13865 |
Core i3-1315U | 13755 |
Core i7-1165G7 | 10681 |
Core i5-1135G7 | 10298 |
11世代のCore i7は、13世代のCore i3に性能が負けています。世代が違うとそれくらいの性能の違いが出てくるということです。
そのため、パソコンを選ぶときにはCPUの世代をよくチェックしましょう。
おすすめは最新世代、安ければ1世代前も可です。
AMDのCPUの選び方

AMDのCPUについて、選び方を解説します。
AMDのCPUの種類(HX/HS/U)
AMDのCPUは、名前の末尾にHX/HS/Uというアルファベットがついており、アルファベットが種類を表しています。
種類 | 特徴 |
HXシリーズ | 超高性能・ゲーミング用途 |
HS/Hシリーズ | 高性能・ゲーミングや動画編集などの用途。あまり見かけない |
Uシリーズ | 性能・省電力・価格のバランスが良い。スタンダード・モバイルノートパソコン用途 |
- AMD Ryzen 7 7745HX:HXシリーズ
- AMD Ryzen 6 6800H:H/HSシリーズ
- AMD Ryzen 7 7735U:Uシリーズ
という見分け方になります。
種類 | 性能 | 価格 | 省電力 |
HXシリーズ | 超高性能 | 高い | 凄く悪い |
H/HSシリーズ | 高性能 | 高い~普通 | 悪い |
Uシリーズ | 普通 | 普通 | 良い |
特徴としては上記です。
ノートパソコンのCPUとしておすすめなのは、性能と価格のバランスが良いUシリーズです。
ただし用途としてゲーミング性能を重視したいならHXシリーズとなります。
性能の違いについて
AMDのCPUには、Ryzen 3、5、7 など、後ろに数字がついています。
この数字が、相対的な性能を表しています。
同じ世代であれば
7 > 5 > 3
という性能差になっています。
おすすめは、性能と価格のバランスがよい、5です。
世代について
CPUを選ぶ際の注意点として世代があります。
AMD Ryzen 7 [7735]U
→上記の[7735]の部分が、世代を表しています。
ただし・・・AMDの場合はIntelほどの分かりやすさがなく(汗)
数字が大きいほど、新しい世代、くらいの見方となります。
- Ryzen 7 [7735]U:7000番台シリーズ、最新
- Ryzen 7 [6800]U:6000番台シリーズ、1世代前
- Ryzen 7 [5800]U:5000番台シリーズ、2世代前
というような世代の違いがあります。
ただしAMDの場合、5000番台~7000番台で、性能に大差がなく、5000番台以上のCPUであれば普段使いには問題ありません。
デチューンされたCPUに注意!
AMDは、4桁の数字で、妙にデチューンされて性能が抑えられているCPUが存在します。
ぱっと見、数字だけだと判断できないので、そういったCPUの購入は注意が必要です。
CPU | PassMarkスコア |
Ryzen 7 7735U | 21082 |
Ryzen 7 7730U | 18864 |
Ryzen 5 7530U | 16509 |
Ryzen 3 7330U | 11816 |
Ryzen 3 5300U | 10000 |
Ryzen 5 7520U | 9789 |
Ryzen 3 7320U | 9175 |
例えば
- Ryzen 5 7530U
- Ryzen 5 7520U
だと、数字がほとんど同じなので性能も変わらないだろうと思いきや、性能に大差がありmす。

公式ページのスペック表を見ていると、CPUのコア数とスレッド数が7520Uは減らされており、その分性能が抑えられているということになります。
Intel・AMD各CPUのおすすめ機種
DELL Inspiron 14/16(5000番台):AMD Uシリーズ、Intel Uシリーズ
DELL Inspiron 14,16

CPU | AMD Ryzen™ 5 7530U |
メモリ | 8GB~16GB |
ストレージ | SSD 256GB~1TB |
液晶 | 14.0-インチ 16:10 FHD+ (1920 x 1200) 非光沢 非-タッチ 250nits WVA ディスプレイ |
重量 | 約1.59kg |
サイズ | 約 314×226.6 x16.49~19.5 mm |
バッテリー | 54Wh (最大時間は未公表) |
価格 | 6万円台〜(時期により変動) |
AMD Ryzen Uシリーズ、Intel Uシリーズを搭載しており、コスパが素晴らしく、普段使いの性能も申し分ないです。
HP Pavilion Aero 13-be:AMD Uシリーズ
OS | Windows11 Home(64bit) |
CPU | AMD Ryzen 5 7535U,Ryzen 7 7735U |
メモリ | 8GB~16GB |
ストレージ | SSD 256GB~512GB |
液晶 | 13.3インチワイド・WUXGA非光沢・IPSディスプレイ(1920×1200)輝度400nit、色域100% sRGB |
重量 | 957g |
サイズ | 298×209×16.9mm |
バッテリー | 最大11時間(44Whr) |
価格 | 10万円台~(セール時8万円台~) |
957gという重量も素晴らしいですし、性能も価格も良いです。
AMDのUシリーズを搭載しており、性能と省電力性能のバランスがよい機種です。モバイルノートパソコン1押しです。
レノボYoga 7i Gen8:Intel Pシリーズ
OS | Windows11 Home(64bit) |
CPU | インテル® Core i5-1340P |
メモリ | 16 GB LPDDR5-5200MHz (オンボード) |
ストレージ | 512 GB SSD, M.2 PCIe-NVMe |
液晶 | 16″ WQXGA液晶 (2560 x 1600) IPS, 光沢あり, マルチタッチパネル, 100%sRGB, 400 nit, 60Hz |
カメラ | IR&1080p FHDカメラ (プライバシーシャッター付) |
指紋認証 | なし |
重量 | 約1.98kg |
サイズ | 約 362.16×250.12×16.99mm(最薄部) |
バッテリー | 最大21.5時間 71Wh |
価格 | 15万円台〜 |
CPUは最新のIntel Core i5-1340Pを搭載しています。構成でCore i7-1360Pを選択することもできますが、性能的にはCore i5でも十分な性能です。
Intel Pシリーズを搭載したスタンダードノートパソコンで、Pシリーズの性能をきっちり引き出しています。
ディスプレイも輝度400nit、100%sRGBと、色域の広くて明るい綺麗なディスプレイを搭載しています。
Yoga 7シリーズは、14インチのAMDモデル、Intelモデルもあり、14インチの場合は13万円台から有機EL搭載構成が購入できます。
大画面でなくてもよいのであれば、14インチ版のYoga 7i Gen8、もしくはYoga 7 Gen8(AMD)もおすすめです。
レノボ Legion Pro 5i Gen8:Intel/AMD HXシリーズ
初期導入済OS | Windows 11 Home (64bit) |
プロセッサー | インテル® Core™ i7-13700HX, i5-13500HX |
メモリ容量 | 16 GB DDR5-4800MHz (SODIMM) – (2 x 8 GB) |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce® RTX™ 4050,4060,4070 Laptop |
ストレージ | 512GB~1TB |
ディスプレイ | 16″ WQXGA液晶 (2560 x 1600) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, HDR400, 100%sRGB, 500 nit, 240Hz, ブルーライト軽減パネル |
ワイヤレス | Wi-Fi 6対応 (IEEE 802.11ax/ac/a/b/g/n準拠) 2×2 & Bluetooth® |
内蔵カメラ | 1080p FHDカメラ |
本体寸法 (幅×奥行き×高さ) | 約 363.4×260.4×22~27mm |
質量 | 約 2.5kg |
バッテリー | 80Whr |
2023年発売のミドル~ハイエンドレノボゲーミングノートパソコンです。
IntelとAMD両方あり、いずれも超高性能なHXシリーズのCPUを搭載しており、性能が素晴らしいです。

おすすめ機種は上記ページにまとめていますので参考にしてみてください。
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