軽量ビジネスノートパソコンの富士通LIFEBOOK UHと、レノボThinkPad X1 Carbonについてどちらがよいか?
両機種とも実機レビューする機会があったため比較します。
どちらも、軽量で優秀なモバイルビジネスノートパソコンです。
今回、レノボThinkPad X1 Carbonの2024年モデルをレビューし、そのバッテリー持続時間の長さに驚き、かなり良いなと感じました。
同じビジネスノートでコンセプトの似ている富士通LIFEBOOK UHと比較したらどうか、と感じたのでまとめます。
レノボThinkPad X1 Carbon

富士通LIFEBOOK UH

結論から言うと、2024年7月時点で新型が出ているレノボThinkPad X1 Carbonのほうが総合力は高いですが、軽さ重視なら富士通LIFEBOOKもおすすめです。
レノボThinkPad X1 Carbonと富士通LIFEBOOK UHのスペック比較
レノボThinkPad X1 Carbon Gen12
初期導入済OS | Windows 11 Pro 64bit その他のエディション選択可能 |
CPU(Gen12) | インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 165U vPro®対応 インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 155U インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 135U vPro®対応 インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 125U |
CPU(Gen11) | インテル® Core™ i7-1365U vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i7-1355U プロセッサー インテル® Core™ i5-1345U vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i5-1335Uプロセッサー |
セキュリティ・チップ(TPM) | あり |
その他のセキュリティ機能 | パワーオン パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、ハードディスク パスワード(NVMe パスワード)、セキュリティ キーホール、HPD |
メモリー | オンボード: 16GB/32GB 最大32GB(LPDDR5) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB SSD |
光学ドライブ | なし |
ディスプレイ | 14.0型 2.8K OLED (2880 x 1800)、マルチタッチ対応(10点)、ブルーライト軽減 14.0型 2.8K OLED (2880 x 1800)、ブルーライト軽減 14.0型 WUXGA IPS液晶(1920 x 1200)、Privacy Guard、光沢なし 14.0型 WUXGA IPS液晶(1920 x 1200)、マルチタッチ対応(10点)、省電力、ブルーライト軽減、光沢なし 14.0型 WUXGA IPS液晶(1920 x 1200)、省電力、光沢なし |
インターフェース | USB4 (Thunderbolt™ 4 対応) x 2 USB 3.2 Gen 1 (Powered USB) x 1 USB 3.2 Gen 1 x 1 HDMI マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック |
ワイヤレスWAN | 対応(オプション) |
ワイヤレスLAN | Wi-Fi 6E対応 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n準拠) |
Bluetooth | v5.3 |
イーサネット | なし |
オーディオ機能 | Dolby Atmos® Speaker System, Dolby Voice |
カメラ | IRカメラ、1080p FHDカメラ、プライバシーシャッター付き |
カードスロット | なし |
キーボード | フルサイズ・キーボード (6列)、89キー (Fnキー、PgUpキー、PgDnキー、Windowsキー)、JIS配列、TrackPoint、ThinkPadクリックパッド、バックライト・キーボード |
指紋センサー | あり |
ポインティング・デバイス | TrackPoint+ThinkPadクリックパッド |
本体寸法(幅×奥行き×高さ) | 312.8×214.75×14.96mm(Gen12),315.6×222.5×15.4mm(Gen11) |
本体質量 | 約 1.09kg~(Gen12)、約 1.12kg~(Gen11) |
バッテリー | 固定式 3セル リチウムイオンポリマーバッテリー 57Whr |
本体カラー | ブラック |
2024年に新モデルが発売され、Intel Core UltraのUプロセッサーを搭載しました。
それにより、バッテリー持続時間が大幅に向上しています。
富士通LIFEBOOK UH
OS | Windows11 Home、Pro(64bit) |
CPU | インテル® Core™ i7-1355U プロセッサー インテル® Core™ i5-1335U プロセッサー |
メモリ | 8〜32GB |
ストレージ | SSD 256GB〜2TB |
液晶 | 14.0型ワイド LEDバックライト付高輝度・高色純度・広視野角 TFTカラーLCD(ノングレア液晶) |
重量 | 689g |
サイズ | 307×197×15.5mm |
インターフェイス | USB 3.2(Gen2)Type-C×2 (左側面(USB Power Delivery対応(注18)、DisplayPort Alt Mode対応))、 USB 3.2(Gen1)Type-A×2 (左側面×1(電源オフUSB充電機能付)、右側面×1)、HDMI、LANポート、microSDカード |
バッテリー | <25Whバッテリ搭載時> 約11時間 |
価格 | 15万円台~ |
2024年7月現在、2024年の新モデルは発売されていないようです。
レノボThinkPad X1 Carbonと富士通LIFEBOOK UHの価格比較
ThinkPad X1 Carbon Gen12

2024年7月現在では、Intel Core Ultra 5 125U,メモリ16GB,輝度400nitのIPS液晶で22万円台です。
この構成で性能は十分で、IPS液晶はバッテリー消費も抑えられるのでおすすめです。
富士通LIFEBOOK UH

LIFEBOOKは2024年モデルが発売されていないのでCPUは1世代前のCore i5-1335Uです。
メモリ16GBとし、世界最軽量689gモデルで、16万円と、国産機としては割と安いです。
レノボThinkPad X1 Carbonと富士通LIFEBOOK UHの価格比較
両方とも、メモリ16GBのベース構成に近い構成で比較をすると
レノボThinkPad X1 Carbon:22.62万
富士通LIFEBOOK UH(WU-X/H1):16.0万
となります。その差、約6.6万円です。
富士通は2023年旧型モデルということもあり価格は安めです。
レノボThinkPad X1 Carbonと富士通LIFEBOOKの比較


レノボThinkPad X1 Carbonと富士通LIFEBOOKの比較をします。
レノボThinkPad X1 Carbonと富士通LIFEBOOK UHのスペック比較
比較項目 | ThinkPad X1 | LIFEBOOK UH |
CPU | Core Ultra 5 125U~ | Core i5-1335U~ |
メモリ | 16~32GB | 8~32GB |
ディスプレイ | IPS,有機EL | TFT |
サイズ | 14インチ | 14インチ |
アスペクト比 | 〇(16:10) | 〇(16:10) |
解像度 | 1920×1200 | 1920×1200 |
輝度 | ◎(400nit) | ◎(400nit) |
色域 | ◎(100%sRGB) | ◎(100%sRGB) |
ボディ質感 | ◎ | ◎ |
キーボード | ◎ | ◎ |
重量 | 〇(実測1.13kg) | ☆(実測682g) |
USB-A | 〇(2) | 〇(2) |
USB-C | 〇(2) | 〇(2) |
USB-C充電 | 〇 | 〇 |
USB-C映像出力 | 〇 | 〇 |
Thunderbolt/USB4 | 〇 | 〇 |
HDMI | 〇 | 〇 |
Webカメラ | 1080p | 207万画素 |
プライバシーシャッター | 〇 | 〇 |
バッテリー | 57Whr(実測15.4時間) | 25Whr(実測3:32) |
その他 | – | – |
価格 | 22.62万~ | 16.0万~ |
価格は、IPS液晶、メモリ16GB、SSD256GBで比較しています。
どちらも幅広い構成でカスタマイズできます。
軽さとバッテリー持続時間
レノボThinkPad X1 Carbon

富士通LIFEBOOK UH

どちらも14インチとしてはとても軽いのですが、富士通LIFEBOOK UHは682gという驚異の軽さです。ただその分バッテリー持続時間が短いというデメリットがあります。
レノボThinkPad X1 Carbonは、1.13kgでこれでも十分に軽いです。
バッテリー持続時間について
- 輝度MAX
- youtube動画流しっぱなし
で計測しました。
レノボThinkPad X1 Carbon:15.4時間
富士通LIFEBOOK UH:3時間32分
と、レノボThinkPad X1 Carbonはとんでもないバッテリー持続時間の長さでした。
この長さは、電源が使えない環境ではとても頼もしいでしょう。
富士通LIFEBOOK UHは、最軽量モデルだとバッテリー駆動時間が短いので、不安ならバッテリー容量が倍の構成も選べます。
キーボード
レノボThinkPad X1 Carbon

富士通LIFEBOOK UH

これはどちらもよかったです。
敢えて比較をするなら、ThinkPad X1 Carbonのほうが個人的には打鍵感は好みでした。
どちらも90点~100点に近い点数を付けられるキーボードです。
ThinkPadには伝統のトラックポイントがありマウス操作ができます。
慣れればマウスなしで使うこともできるので、マウスを置けないような場所で作業するのにもぴったりだと言えます。
CPU性能

CPUベンチマークのPassMarkスコアを比較します。
CPU | マルチ | シングル |
Core i-13700HX | 36225 | 3955 |
Ryzen 7 8840HS | 27215 | 3796 |
Ryzen 7 6800H | 25955 | 3458 |
Core Ultra 7 125H | 24100 | 3845 |
Core Ultra 5 125H | 24554 | 3636 |
Core i5-13500H | 24533 | 3830 |
Core i5-1340P | 21578 | 3742 |
Core Ultra 7 155U | 19232 | 3678 |
Core Ultra 5 125U | 19263 | 3499 |
Core i7-1260P | 21696 | 3540 |
Ryzen 7 6800U | 21461 | 3459 |
Ryzen 7 7735U | 21278 | 3419 |
Ryzen 7 7730U | 21446 | 3258 |
Ryzen 7 5800U | 18644 | 3108 |
Core i5-1335U | 17694 | 3684 |
Core i5-1235U | 16601 | 3465 |
Ryzen 5 5625U | 16933 | 3138 |
Core i7-1250U | 13518 | 3557 |
Core i7-1165G7 | 11005 | 3142 |
ピーク性能は、より高性能なCPUと比較すると、やや物足りないですが、ビジネス使いとしては十分な性能があります。
富士通LIFEBOOK UHは、1世代前のCPUですが普段使いでの性能はまったく問題ないでしょう。
それよりも、2024年の新型Intel Core Ultra Uプロセッサーは、バッテリー駆動時間の長さに効いてます。
グラフィック性能

グラフィック性能について比較します。
ベンチマークの3DMark Fire Strikeのスコアを比較します。
グラフィックボード | 3DMark Fire Strike |
GeForce RTX 3080 Ti | 38323 |
GeForce RTX 3080 | 36176 |
GeForce RTX 4070(Laptop) | 27898 |
GeForce RTX 4060 | 27500 |
GeForce RTX 3060 | 20764 |
GeForce RTX 4050 Laptop | 18579 |
GeForce RTX 3050 Ti | 14911 |
GeForce GTX 1060 | 11000 |
Intel Core Ultra 7 155H(CPU内蔵)メモリ32GB | 9181 |
AMD Ryzen 7 8840HS(CPU内蔵) | 8503 |
Intel Core Ultra 5 125H(CPU内蔵) | 8488 |
Intel Core Ultra 7 155H(CPU内蔵)メモリ16GB | 7900 |
AMD Ryzen 7 6800U(CPU内蔵) | 6666 |
Intel Core Ultra 7 155U(CPU内蔵) | 5399 |
Intel Core i5-13500H(CPU内蔵) | 5237 |
AMD Ryzen 5 7535U(CPU内蔵) | 5103 |
Intel Core i5-1340P(CPU内蔵) | 5000 |
Intel Core Ultra 5 125U(CPU内蔵) | 4955 |
Intel Core i7-1260P(CPU内蔵) | 4462 |
Intel Core i5-1335U(CPU内蔵) | 4391 |
AMD Ryzen 7 7730U(CPU内蔵) | 4000 |
AMD Ryzen 5 5625U(CPU内蔵) | 3288 |
めやすとしてはGeForce GTX 1060がエントリー向けグラフィックボードとなります。
エントリー向けグラフィックボードの半分程度のスコアのため、重い3Dゲームは難しいです。
ゲーム向きの性能ではありません。
ディスプレイ性能
レノボThinkPad X1 Carbon | 14.0型 2.8K OLED (2880 x 1800)、マルチタッチ対応(10点)、ブルーライト軽減 14.0型 2.8K OLED (2880 x 1800)、ブルーライト軽減 14.0型 WUXGA IPS液晶(1920 x 1200)、Privacy Guard、光沢なし 14.0型 WUXGA IPS液晶(1920 x 1200)、マルチタッチ対応(10点)、省電力、ブルーライト軽減、光沢なし 14.0型 WUXGA IPS液晶(1920 x 1200)、省電力、光沢なし |
富士通LIFEBOOK UH | 14.0型ワイド LEDバックライト付高輝度・高色純度・広視野角 TFTカラーLCD(ノングレア液晶) |
ThinkPad X1 Carbonは、IPS液晶と有機ELが選択できます。
富士通LIFEBOOK UHはTFT液晶のみです。
レノボThinkPad X1 Carbon(IPS)

富士通LIFEBOOK UH(TFT)

IPS,TFT液晶での比較ですが両機種とも十分に綺麗です。
IPS液晶のほうが消費電力的には有利なので、レノボThinkPad X1 Carbonのバッテリー持続時間が長い利点をより活かせるでしょう。
デザイン・外観
レノボThinkPad X1 Carbon


富士通LIFEBOOK UH


両機種ともデザインは似ており、質感も十分に高いです。
ビジネス用なので派手さはないですが、十分に満足できる質感と言えます。
レノボThinkPad X1 Carbonと富士通LIFEBOOK UHの比較まとめ


比較結果をまとめると
価格:新型というのもありレノボThinkPad X1 Carbonのほうが高い
性能:レノボThinkPad X1 Carbonが良い
ディスプレイ:IPS液晶は互角だがThinkPadは有機ELも選択可能
デザイン・質感:互角
キーボード:両機種ともとても良いがThinkPadのほうが少し上
重さ:富士通LIFEBOOK UHのほうが軽い
バッテリー:レノボThinkPad X1 Carbonが圧倒的に良い
といったところでしょうか。
どちらを買ったらよいか、まとめると
- 総合力は新型のレノボThinkPad X1 Carbonが上
- 軽さと価格は富士通LIFEBOOK UHが上
といったところでしょうか。
軽さは、富士通LIFEBOOK UHが上なので持ち運び用途は富士通が良いか、というとそうとも言い切れず、レノボThinkPad X1 Carbonは、バッテリー持続時間の圧倒的な長さがメリットです。
ThinkPad X1 Carbonはトラックポイントもあるので、マウスも置きづらいようなカフェなどの狭い席とか、電車の中などでも活躍できる機種だと言えます。
レビュー記事はこちらです。


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