2023年に新発売された、ノートパソコンCPUのIntelとAMDについて
- Intel Core i5-1340P
- AMD Ryzen 7 7730U
を搭載したノートパソコンをレビューすることができましたので、性能比較をしようと思います。
性能比較したノートパソコンは以下の2台です。
- レノボ Yoga 7i Gen8(Intel Core i5-1340P)
- レノボ IdeaPad Flex 5 Gen8(AMD Ryzen 7 7730U)
レビューした機種の中で、レノボYoga 6 Gen8もAMD Ryzen 7 7730Uを搭載していましたが、ボディサイズのためかIdeaPad Flexのほうがやや高いスコアであったので、そちらで比較します。
レノボIdeaPad Flex 5 Gen8
Lenovo Yoga 6 Gen 8
PassMarkベンチマークスコア比較(電源接続時)
CPUベンチマークでは有名なPassMarkの電源接続時スコア比較をします。
Intel Core i5-1340P:21578
AMD Ryzen 7 7730U:21466
PassMark比較結果:Core i5-1340Pのほうが上
CPU | マルチ | シングル |
Ryzen 7 6800H | 25955 | 3458 |
Core i5-1340P | 21578 | 3742 |
Ryzen 7 6800U | 21461 | 3459 |
Ryzen 7 7730U | 21446 | 3258 |
Core i7-1260P | 20778 | 3713 |
Ryzen 7 5800U | 18644 | 3108 |
Core i5-1335U | 17694 | 3684 |
Ryzen 5 5625U | 16933 | 3138 |
Core i7-1165G7 | 11005 | 3142 |
今回比較対象のCore i5-1340PとRyzen 7 7730U以外に、1世代前のCore i7-1260P、Ryzen 7 6800Uの実測値も記載しています。
もともと、AMD Ryzenはマルチスレッドのスコアが高く、Intelはシングルスレッドのスコアが高い傾向がありましたが、最新世代でもその傾向はあります。
スコアを見る限りでは、Intel Core i5-1340Pがシングルコア、マルチコアともに高いスコアとなっていました。
こうしてみると、ベンチマークスコアだけなら、2021年主流だったCore i7-1165G7とはマルチで約2倍のスコアがあるわけで・・・進化を感じますね。
バッテリー駆動時のスコア比較(PassMark)
AMD Ryzenは、バッテリー駆動時のスコアが落ちやすいということも言われていましたが、最新世代ではどうか?比較してみました。
Intel Core i5-1340P
マルチ/シングル | 電源接続 | バッテリー駆動 |
マルチスレッド | 21578 | 21389(99.1%) |
シングルスレッド | 3742 | 2652(70.8%) |
AMD Ryzen 7 7730U
マルチ/シングル | 電源接続 | バッテリー駆動 |
マルチスレッド | 21446 | 16976(79.1%) |
シングルスレッド | 3258 | 2365(72.6%) |
バッテリー駆動時のスコアも、Intel Core i5-1340Pのほうが落ち幅が少ないという結果になりました。
ただシングルのスコアはどちらも70%程度になっているので、IntelとAMDで落ち幅はそこまで変わらないという印象です。
CineBench R23でのベンチマーク比較
PassMarkと並んで有名なCPUベンチマークのCineBench R23のスコア比較をします。
Intel Core i5-1340P
AMD Ryzen 7 7730U
CPU | マルチコア | シングルコア |
Ryzen 7 6800H | 13505 | 1481 |
Ryzen 7 6800U | 11620 | 1481 |
Core i5-1340P | 9301 | 1714 |
Ryzen 7 7730U | 9411 | 1423 |
Core i7-1260P | 9018 | 1799 |
Ryzen 7 5800U | 9276 | 1436 |
Ryzen 5 5625U | 8064 | 1390 |
Core i7-1165G7 | 4122 | 1383 |
Intel Core i5-1340Pがシングルコア優勢、AMD Ryzen 7 7730Uはマルチコア優勢です。
ただマルチコアのスコアは大差がなく誤差の範囲のように思います。シングルコアのスコアはCore i5-1340Pが大きく勝っているので、性能はCore i5-1340Pのほうが高いと感じます。
実際のアプリを使った性能比較(PCMark10)
PCMARK10は、実際のアプリケーションを使用したベンチマークソフトで、実際にパソコンを使った時の作業快適性を計測するのに適しているといわれているベンチマークです。
比較結果を以下に乗せます。
Intel Core i5-1340P
AMD Ryzen 7 7730U
計測内容 | IdeaPad | Yoga 7i Gen8 |
トータル | 5857 | 5623 |
App Start-up Score(アプリ起動) | 12327 | 12449 |
Video Conferencing Score(Web会議) | 8460 | 8347 |
Web Browsing Score(Web閲覧) | 8663 | 9788 |
Spreadsheets Score(表計算) | 12458 | 6973 |
Writing Score(文書作成) | 7247 | 7352 |
Photo Editing Score(画像編集) | 7798 | 10158 |
Rendering and Visualization Score(レンダリング) | 6144 | 4690 |
Video Editing Score(動画編集) | 4372 | 6320 |
- IntelはWeb閲覧・文書作成・画像編集が強い
- AMDは表計算・レンダリングが強い
という傾向があります。
IntelのほうがWeb閲覧や文書作成など一般的用途で強いイメージです。
ただ体感としては、ブラウザを複数開くとか、ブラウザでワードプレスでブログを書く程度の負荷であれば、AMDもIntelも、ほとんど差は感じず、どちらも極めて快適です。
RawTherapeeでのRAW現像時間
フリーの画像編集ソフトRawTherapeeを使って、スマホで撮影したRAW画像10枚のRAW現像にかかる時間を測定しました。
CPU | 時間 |
Intel Core i5-1340P | 13秒 |
Intel Core i5-1335U | 17秒 |
AMD Ryzen 7 7730U | 17秒 |
AMD Ryzen 7 5800U | 23秒 |
Core i5-1340Pのほうが若干優勢です。
Davinci Resolveでのyoutube動画書き出し時間
動画編集ソフトDavinci Resolveで、4分のフルHDのyoutube動画書き出し時間にかかった時間を計測しました。
CPU | 時間 |
AMD Ryzen 7 6800H+GeForce RTX 3050 Ti | 48秒 |
Intel Core i5-1340P | 1分17秒 |
AMD Ryzen 7 6800U | 1分18秒 |
Intel Core i7-1260P | 1分28秒 |
AMD Ryzen 7 7730U | 1分29秒 |
Intel Core i5-1335U | 1分48秒 |
AMD Ryzen 7 5800U | 1分56秒 |
AMD Ryzen 5 5625U(メモリ8GB) | 1分58秒 |
これもIntel Core i5-1340Pのほうが若干優勢です。
グラフィック性能比較
最新世代IntelとAMD Ryzenのグラフィック性能を比較します。
ゲーム用のグラフィック性能スコアを表す指標として有名なSteamの3DMark Fire Strike のスコアを紹介します。
Intel Core i5-1340P
AMD Ryzen 7 7730U
Fire Strikeのスコア目安は以下の通りです。
グラフィックボード | 3DMark Fire Strike |
GeForce RTX 3080 Ti | 38323 |
GeForce RTX 3080 | 36176 |
GeForce RTX 3060 | 20764 |
GeForce RTX 3050 Ti | 14911 |
GeForce GTX 1650 | 9000 |
AMD Ryzen 7 6800U(CPU内蔵) | 6666 |
Intel Core i5-1340P(CPU内蔵) | 5000 |
Intel Core i7-1260P(CPU内蔵) | 5000 |
Intel Core i7-1165G7(CPU内蔵) | 4200 |
AMD Ryzen 7 7730U(CPU内蔵) | 4000 |
AMD Ryzen 5 5625U(CPU内蔵) | 3288 |
AMD Ryzen 7 5800U(CPU内蔵) | 3276 |
めやすとしてはGeForce GTX 1650がエントリー向けグラフィックボードで、これくらいの性能があれば、中程度の3Dゲームが実施できます。
Intel Core i5-1340、AMD Ryzen 7 7730UのCPU内蔵グラフィックスだと、GTX 1650には届いておらず、重い3Dゲームは難しいです。
CPU内蔵グラフィックは、AMD Ryzen 7 6800Uが強いです。また6800Uの後継であるRyzen 7 7735U(7730Uではない)も、比較的強いです。
ドラクエⅩなどの軽量3Dゲームや、2Dゲームであれば問題なく遊べます。
ちなみにCPU内蔵グラフィックスの場合、性能を十分に引き出すためにはメモリはデュアルチャネル構成であることが必須です。
たとえばメモリ8GBの場合、4GB×2であることが必要です。
デュアルチャネルでないと、グラフィックパワーは、本来の約半分程度の性能しか引き出すことができないようです。
そのためCPU内蔵グラフィックのみで、ゲーミング用途で使いたい場合、デュアルチャネルであるかどうかをよく確認しましょう。
価格(コスパ)比較
IntelとAMDのCPUを比較すると、若干AMDのほうが安いことが多いです。
このあたりはIntelの強さや人気の高さが伺えますが、私個人的には、最近のIntel Core i5、AMD Ryzen 5 以上のCPUであれば、体感上違いを感じることがほとんどなく、コスパの良いAMDで良いのではないかと思います。
Intel Core i5-1340PとAMD Ryzen 7 7730Uの比較結果まとめ
Intel Core i5-1340PとAMD Ryzen 7 7730Uの比較結果をまとめます。
比較して優勢であったほうに〇をつけました。
比較内容 | AMD | Intel |
ベンチマーク(シングルコア) | 〇 | |
ベンチマーク(マルチコア) | ほぼ同じ | ほぼ同じ |
ベンチマーク(バッテリー駆動) | 〇 | |
アプリ起動 | ほぼ同じ | ほぼ同じ |
Web閲覧 | 〇 | |
表計算 | 〇 | |
文書作成 | ほぼ同じ | ほぼ同じ |
画像編集 | 〇 | |
動画編集 | 〇 | |
グラフィック性能 | 〇 | |
コスパ・ラインナップ | 〇 |
全体的に、若干Intelが優勢でしたが、正直なところ、体感上はどちらも極めて快適なので、どっちを選んでもOKという感じがします。
ただIntelはCore i5なのに対して、AMDはRyzen7なので
Intel Core i5-1340P >= AMD Ryzen 7 7730U
となっているのは、Intelの第12~13世代での巻き返しっぷりがすごい、と感じます。
コスパはAMD Ryzenが優勢なので、コスパ良くノートパソコンが欲しい場合はAMDでよいと思います。
Intel Core i5-1340PとAMD Ryzen 7 7730Uを搭載したおすすめノートパソコン
Intel Core i5-1340PとAMD Ryzen 7 7730Uを搭載したおすすめノートパソコンを紹介します。
レノボ Yoga 7i Gen8(Intel Core i5-1340P)
14インチと16インチがラインナップされている高品質2 in 1ノートパソコンです。
14インチは有機ELなのでディスプレイ品質に拘りたい方にもおすすめです。
レノボ Yoga 6 Gen8(AMD Ryzen 7 7730U)
Lenovo Yoga 6 Gen 8
13インチのモバイル 2 in 1ノートパソコンです。
10万円以下で、高品質でAMD Ryzen 7 7730U + メモリ16GBと高性能なノートパソコンが手に入ります。
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