テレワーク用途などでOffice付きのノートパソコンが欲しいという方は多いと思います。
メーカー直販サイトでOffice付きのノートパソコンを購入すること自体は簡単で、構成を選択するときにOfficeありの構成にするだけです。

ただこのOffice付きノートパソコンを購入すること自体が、よくよく調べていると実は損なのでは?と思うことがあったので、詳しく説明していきます。
Office付きノートパソコンのライセンスは、購入したパソコンのみで使える

ノートパソコンでOffice付きというのはどういったライセンスか?
Officeがあらかじめインストールされたものは、OEM版ライセンスと呼ばれるもので、そのパソコンでのみ使用できるライセンスです。
Officeのライセンスに詳しくなかったとき、「パソコンにインストールされていたOfficeのライセンス、買い替えたパソコンに転用して使えるんじゃない?」と少しだけ思ったこともありますが、そんなことはありません。
そのためOfficeがインストールされたノートパソコンを購入すると、毎回Officeの購入が必要になります。
Office付きノートパソコンのOffice自体(OEM版ライセンス)の値段は?

ではこのOEM版ライセンス、どの程度の価格か?というと、 Microsoft Office Home & Business で、大体2万円くらいの価格です。
「大体2万円くらい」と表現したのは、メーカーや時期によって微妙に価格差があるからです。

上記は富士通LIFEBOOKのカスタマイズ構成ですが、2.32万となっています。
HPだとOffice付きセールのようなものも実施していることがあり、Officeの値段が40%オフになっていることもあります。
予想ですが、このOEM版ライセンス、原価は結構安いのではないか?と予想します。
そうでないと40%オフとかできないですからね(汗)
マイクロソフトとしても、パソコンごとにOfficeライセンス購入費用が売り上げになるのだから、収益としても大きいのではないかと思います。
パソコンにあらかじめインストールされているOEM版ライセンスの結論は
買ったパソコンでしか使えず、損をする可能性が高い
というライセンスです・・・。
OEM版以外のライセンス価格の説明
パソコンにあらかじめインストールされているOEM版以外にはどんなライセンスがあり、価格はいくらか?
個人(家庭向け)のライセンス種類と値段を説明します。
主に以下の3種類があります。
- 永続ライセンス(買い切り)
- 月額払い(サブスクリプション)
- 年額払い(サブスクリプション)
永続ライセンス(買い切り)
永続ライセンスは買い切りライセンスで、同時に2台までOfficeを使えます。
「同時に2台まで」使えるので、もしパソコンを買い替えて3台目にライセンスを使いたい場合、古いパソコンからアンインストールすることで新しいパソコンにインストールできるようになります。
※古いマシンからアンインストールしないとライセンス違反になります。
ただし、一度使用したライセンスキーを再度入力する場合、インターネット経由でのライセンス認証に失敗することがあり、その場合は電話による認証で実施します。
私は電話認証も経験したことがありますが、表示されるガイダンス通りに実施するだけなので、そこまで大変ではなかったです。
永続ライセンスの特徴は以下です。
- 買い切りのため追加費用は掛からない
- 同時2台までであればインストールするパソコンは自由
- 購入時からのバージョンアップはできない
永続ライセンスのメリット
一回購入すれば、どのパソコンでも2台までインストールできることが最大のメリットです。
これはパソコンを買い替えたときでも同様なので、短いスパンでパソコンを買い替える、もしくは複数台パソコンを保有している、かつ、毎回Officeをインストールする方は、永続ライセンスを購入してしまったほうがお得でしょう。
永続ライセンスのデメリット
デメリットで一番大きいのは上記3のバージョンアップできないことです。
パソコンの平均使用年数は5年くらいと思いますが、5年もたつとOfficeバージョンが古くなり、最悪サポート切れになっていたりする可能性もあります。
永続ライセンスの価格
Office Personal 2021 ※Word、Excelのみ
価格は32,784円です。2台までインストールすることができます。
こちらはWordとExcelのみなので、PowerPointも使いたい方は、Businessのほうを購入することになります。
個人用でパソコンを使う場合、WordとExcelしか使わないという方は多いと思います。
Office付きのノートパソコンを購入する場合、Officeのみ価格は2万~2.3万ですが、そのパソコンのみでしか使えません。
2台にOfficeをインストールするのならば、永続ライセンスを購入したほうがお得です。
Office Home & Business 2021
価格は38,284円です。こちらも2台までインストールすることができます。PowerPointを使うならこちらになります。
月額・年額払い(サブスクリプション方式)

サブスクリプション方式と呼ばれる、月額・年額での定額ライセンスのことです。
こちらのOfficeは「Office 365」と呼ばれるもので、常に最新版にアップデートされるのが最大のメリットです。
そのためサポート終了を気にする必要がありません。
また、クラウドストレージ(OneDrive)が1TBついてくるので、それもメリットです。
クラウドストレージはGoogleドライブなどもありますが、一定容量以上使おうとすると有料になるので、1TBも使えるのは大きいと思います。
サブスクリプション方式ライセンスの特徴は以下です。
- 月額・もしくは年額費用がかかる
- 同時5台までであればインストールするパソコンは自由
- 常に最新バージョンが使用可能
- クラウドストレージが1TBまで利用可能
- 有償版Teamsが利用可能
サブスクリプションライセンスのメリット
常に最新バージョンが使えることが最大のメリットでしょう。
またクラウドストレージも1TB使えるようになるので、ビジネス用途で使うような場合にはおすすめと思います。
サブスクリプションライセンスのデメリット
当然の話になりますが月額・年額費用がかかり続けることです。
買い切りライセンスとどちらがお得かは、利用台数・用途・パソコン買い換えタイミングなどをよく見極めて判断するようにしましょう。
サブスクリプションライセンスの価格
Microsoft 365 Personal
価格は12,984円/年です。5台までインストールすることができます。
Microsoft 365 Family
価格は18,400円/年です。6ユーザまで使用でき、5台までインストールすることができます。
そもそもOfficeがいるか?をよく検討したほうがよい
Microsoft Officeですが、購入するとなると上述の通り、なかなか高いです・・・
Officeですが、ここ最近は様々な代替ソフトや手段が出てきており、家庭用であればそちらを使用すれば問題ないことがほとんどです。
そのため、本当に必要か?をよく見極めたほうがよいと思います。
Office代替手段その1:Googleドキュメント
Googleが提供していて無料で使える、Googleドキュメント、Googleスプレッドシート、Googleスライドというものを使うことができます。
- Googleドキュメント:Wordに該当
- Googleスプレッドシート:Excelに該当
- Googleスライド:PowerPointに該当
これらのソフトは、Microsoft Officeとも互換性があり、Officeで作成したファイルを開くこともできるし、Googleドキュメントなどで作成したファイルをOfficeで開くこともできます。
ただ、Microsoft Officeとの完全互換ではなく、Microsoft OfficeのドキュメントをGoogleドキュメントで開いたりすると、表示が崩れてしまったりすることがあります。
試しにGoogleスプレッドシートで、簡単な表を作成してみました。
作成したファイルは、Googleドライブで共有可能です。

機能的には、家庭用ならばGoogleドキュメントで十分、という印象です。
家庭用マシンだと、Officeが入っていないマシンも多いと思うので、むしろGoogleドキュメントのほうが文書共有にはよいと思います。
Web版無料Office
Microsoft Officeには、機能限定されていますが無料のWeb版Officeが提供されています。

マイクロソフトアカウントにサインインすれば、すぐに使えるようになり、複雑なマクロなどを使わないのであれば十分でしょう。
ただ、少し面倒なのは、作成した文書を保存するのも、送られてきた文書を開くのも、クラウドストレージのOneDrive経由での操作になるので、OneDriveの使用可能容量が少ないと、保存ができなくなる可能性はあります(無料だと5GBまでです)
Officeは本当に必要か?よく考えてみましょう
上記の代替手段もあり、家庭用マシンでOfficeが必要になるケースは、実際のところかなり少ないのではと予想します。
よくあるのが、家庭用マシンをテレワーク用として活用したいのでOfficeが必要、というものですが・・・
最近はセキュリティも厳しいので、家庭用マシンのローカルドライブに、Office文書を保存OKとする会社自体が少ないと予想します。
私が勤務している会社でも、専用シンクライアントマシンによるリモート接続しか許可されておらず、ローカルマシンに保存はできません。
大抵の会社は、家庭用マシンをもし使うにしても、VPNソフトをインストールした上で、会社のマシンにリモート接続して使うのみ、ということがほとんどかと思います。
そのため、もし家庭用マシンで会社のOffice文書を見るため必要、と思っている方でも、会社のセキュリティ規則をよく確認してみましょう。
Microsoft Officeで損をしないよう意識することまとめ
- Office付きノートPCのOffice単品の価格は2万強
- Office付きノートPCは損の可能性が高い
- 個人用PCにOfficeが本当に必要かを再検討する
- どうしても必要な場合買い切りやサブスクリプションライセンスも検討する
というところです。参考になれば幸いです。
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