新発売した、レノボのIdeaPad 5x 2-in-1 Gen9 をレノボよりお借りし、レビューすることができましたので、実機レビューを書きます。


レビュー機のマシンのスペックは以下の通りです。
- CPU:Snapdragon® X Plus X1P-42-100
- メモリ16GB
- SSD 512GB
- 14インチ WUXGA OLED(有機ELディスプレイ) (1920 x 1200) 光沢あり, マルチタッチパネル, HDR500, 100%DCI-P3, 400 nit, 60Hz
レノボIdeaPad 5x 2-in-1 Gen9の特徴を一言で表すと
- 有機ELディスプレイが綺麗なコスパ抜群の2-in-1、性能もまずまずだが対応ソフトに注意点あり
と言えます。
CPUに、IntelやAMDといったノートパソコンに一般的に搭載されているCPUではなく、QualcommのSnapdragon X というCPUを搭載しているの特徴です。
Snapdragon(スナップドラゴン)は、Qualcomm(クアルコム)社が開発したSoC(System on Chip)で、Androidを搭載したスマートフォンで広く採用されています。
またSnapdragon X は、AI専用のNPUというプロセッサを搭載し、その性能が高性能ということが特長です。
NPUは「Neural Processing unit(ニューラル プロセッシング・ユニット)」の略称で、AIを高速処理するために設計されたプロセッサです。
このSnapdragonは、ARMアーキテクチャのCPUと呼ばれておりますが、性能もまずまずよく、ARM対応のソフトを使うのであれば普段使いには性能は十分です。
Google Chrome、Microsoft Office、動画編集ソフトなど、対応ソフトは多く、それらのソフトを使うのであれば、コスパ良く有機ELの2-in-1が購入できるというのもあり、この機種のメリットを活かせます。
逆にゲームはきびしく、Steamのソフトはほとんど動かなかったので、自分がパソコンで使いたいソフトがARMに対応しているか、は確認してから購入をしたほうがよいでしょう。
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Snapdragon® X Plus X1P-42-100 (3.40 GHz ) |
メモリ | 16 GB LPDDR5X-8448MHz (オンボード) |
ストレージ | 512 GB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC |
液晶(14型) | 14インチ WUXGA OLED(有機ELディスプレイ) (1920 x 1200) 光沢あり, マルチタッチパネル, HDR500, 100%DCI-P3, 400 nit, 60Hz, ガラス |
重量 | 約 1.5kg |
サイズ | 約 313x227x17.5mm(最薄部) |
バッテリー | 57Wh 動画再生時 約 14.1 時間・アイドル時 約 16.6 時間 |
カメラ | FHD 1080p カメラ、プライバシーシャッター付き |
指紋認証 | なし |
価格 | 11万円台~ |
レノボ IdeaPad 5x 2-in-1 Gen9の特徴・おすすめポイント

総合評価
各項目をS~Dで評価しました。Sが一番高い評価です。
比較項目 | IdeaPad 5x 2-in-1 |
CPU | Snapdragon® X Plus X1P-42-100 |
CPU性能(PassMark) | B(実測19118) |
グラフィック性能 | C+ |
メモリ | 16GB |
ディスプレイ総合評価 | B+ |
ディスプレイ種類 | 有機EL |
サイズ | 14インチ |
アスペクト比 | 16:10 |
ディスプレイ解像度 | B(1920×1200) |
ディスプレイ輝度 | A (400nit) |
ディスプレイ色域 | A (100%sRGB) |
ボディ質感 | B+ |
キーボード | B+ |
持ち運びやすさ | C+(実測1.48kg) |
インターフェイス | B+ |
USB-A | 〇(2) |
USB-C | 〇(2) |
USB-C充電 | 〇 |
USB-C映像出力 | 〇 |
HDMI | 〇 |
Webカメラ | B(1080p) |
プライバシーシャッター | 〇 |
バッテリー持ち | A+(57Whr 実測9:51) |
認証 | 指紋認証 |
その他機能 | 2in1,タッチパネル |
価格・コスパ | A(11.98万) |
おすすめ度 | C+(注意点あり) |
有機ELで11万円台からとコスパが良い、ARM対応ソフトなら性能もまずまず

レノボIdeaPad 5x 2-in-1 Gen9は、有機ELディスプレイの2-in-1で、11.98万円と、コスパが素晴らしいです。
有機ELの2-in-1は、価格が高くなる傾向にあるので、11万円台という価格は、かなり攻めた価格設定だと感じます。
また、CPUに、IntelやAMDといったノートパソコンに一般的に搭載されているCPUではなく、QualcommのSnapdragon X というCPUを搭載しているのが特長です。
Snapdragonは、冒頭説明の通り、AndroidスマートフォンのCPUとして採用されており、それがノートパソコン用にも採用され始めています。
このSnapdragonは、ARMアーキテクチャのCPUと呼ばれており、IntelやAMDのx86,X64アーキテクチャとは異なるアーキテクチャのCPUということになります。

ARMアーキテクチャのCPUは、パソコン用としてはまだ主流ではなく、対応ソフトが限られるのが注意点ですが、メジャーなソフトであれば対応され始めています。
例えば上の画像の動画編集ソフトDaVinch Resolveであれば、「Windows ARM」と書かれているものが、ARMアーキテクチャのCPUに対応したソフトとなります。
対応ソフトであれば、性能は価格の割にまずまず高く、中の上程度の性能があります。

上記はARM対応版のベンチマークソフトPassMarkスコアですが、19000以上のスコアになっておりこれは、2023年のIntel Core i7-1360Pに匹敵するスコアになります。

性能はまあまあ良い、のですが、グラフィック性能は控えめです。
FF14 黄金のレガシーでのベンチマークは、1685と低スコアで、動画の書き出しスピードもそこまで早くはありませんでした。
普段使いには、まったく問題ないくらいの性能がありますが、低価格用のCPUなので過度な期待は禁物というところです。
ARM対応ソフトについて
ではARMに対応しているソフトは何があるか?メジャーなソフトをあげていきます。
- Google Chrome(ブラウザ)
- Microsoft Office(オフィス)
- Adobe Photoshop(画像編集)
- DaVinchi Resolve(動画編集)
調べてみると、ブラウザでのWeb閲覧やOfficeでの事務作業、画像編集や動画編集もソフトが対応していれば問題ないことが分かります。
ただ、ゲームとは相性がまだよくないようです。

最近発売されたドラクエリメイクを試しにインストールして遊んでみようとしましたが、インストールはできましたがゲームが起動しませんでした(汗)
ゲームもやりたいなら、現時点ではARMアーキテクチャのCPUは、避けた方がよいでしょう。
バッテリー持ちは優秀

Snapdragon Xは、性能の割に省電力性能が高いという売りがあります。
最大輝度で、YouTube動画を流したままのバッテリー持ちテストでは、9時間51分と優秀なバッテリー持ちでした。
有機ELで輝度の高いディスプレイとしてはとても優秀な結果で、電源のない環境で長時間作業をしたり、動画を見たりする作業に向きます。
Copilotボタンを搭載


レノボIdeaPad 5x 2-in-1 Gen9は、Copilotボタンを搭載しているので、Copilot機能をボタン一つで呼び出すことができます。
欲しい情報そのものズバリを検索できるのであれば、従来通りの検索でもよいのですが、あいまいな内容の検索で、対話形式で質問したいのであれば、Copilotを活用するとよいでしょう。
ライバル機種:HP Envy x360 14-fa

有機ELの2-in-1ということで他メーカーのライバル機種は、HP Envy x360 14-faになります。
AMD版
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | AMD Ryzen™ 5 8640HS, Ryzen™ 7 8840HS |
メモリ | 16~32GB |
ディスプレイ(OLED) | 14.0インチ・2.8Kブライトビュー・OLEDタッチディスプレイ(2880×1800 / 16:10 / 400nit / 48~120Hz) |
ディスプレイ(IPS) | 14.0インチ・WUXGA非光沢・IPSタッチディスプレイ(1920×1200 / 16:10 / 400nit / 60Hz) |
SSD | 512GB~1TB PCIe® Gen4 NVMe™ M.2 SSD |
光学ドライブ | なし |
無線LAN | IEEE 802.11ax (Wi-Fi 6E対応) |
Bluetooth | Bluetooth(Ver5.3) |
Webカメラ | 5MP IR カメラ (約500万画素) |
認証 | 顔認証 |
外形寸法(mm) | 約 313 × 218× 16.9 mm(最厚部) |
駆動時間 | 最大14.5時間(IPS)、10.5時間(OLED) |
重量 | 1.39kg |
価格 | 12万円台~ |

AMD Ryzen 7、有機ELの構成だとセールで14.98万です。
価格はHP Envyのほうが高いですが、全体的な品質はHP Envyのほうが上で、AMD Ryzenなので対応ソフトなどは特に気にせず使えますし、ゲームもできます。
価格が3万円高いので、予算次第というのはありますが、予算が15万円くらいあれば、HP Envyのほうがおすすめです。
レノボIdeaPad 5x 2-in-1 Gen9のスペックと価格
スペック
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | Snapdragon® X Plus X1P-42-100 (3.40 GHz ) |
メモリ | 16 GB LPDDR5X-8448MHz (オンボード) |
ストレージ | 512 GB SSD M.2 2242 PCIe-NVMe Gen4 TLC |
液晶(14型) | 14インチ WUXGA OLED(有機ELディスプレイ) (1920 x 1200) 光沢あり, マルチタッチパネル, HDR500, 100%DCI-P3, 400 nit, 60Hz, ガラス |
重量 | 約 1.5kg |
サイズ | 約 313x227x17.5mm(最薄部) |
バッテリー | 57Wh 動画再生時 約 14.1 時間・アイドル時 約 16.6 時間 |
カメラ | FHD 1080p カメラ、プライバシーシャッター付き |
指紋認証 | なし |
価格 | 11万円台~ |
価格

価格は11.98万と、有機ELディスプレイで、ARMのCPUを搭載している2-in-1をいうことを考えると安いです。
ARMのノートパソコンは、2024年前半にも各メーカーから発売されていましたが、価格が高く、販売は厳しいだろうなと思っていました。
この価格なら、ARM対応のソフトをメインに使うのであれば良いコスパなんじゃないかと言えます。
レノボIdeaPad 5x 2-in-1 Gen9の外観と機能
外観・デザイン・質感
外観はまずまず、高級感があります。質感で不満を感じるようなことはないでしょう。
また、米軍調達基準のMIL-STD 810Hの頑丈な規格に適合しており、耐久性のある金属製のボディを搭載しています。
そのため、あまり軽くはないですが、持ち運んでの作業にも向きます。


2-in-1として使えることが特徴で、スタンドモードやタブレットモードとして使うこともできます。
重さ

メーカー公称の重量は1.5kgです。実測値は1482gとほぼ同じで、14インチの2-in-1としては平均的な重さです。
アダプターはUSB TYpe-Cのもので出力65Wで約290gとなります。軽くはないです。

本体実測値 | 1482g |
---|---|
アダプター | 289g |
持ち運びも考慮するなら、電源アダプターはUSB Type-C対応の軽量でコンパクトなものを買ってしまったほうがよいと思います。私も購入しています。
軽量な充電器とケーブルを買えば、重量を合計100~110g程度に抑えることができます。
ディスプレイ
ディスプレイ | 14インチ WUXGA OLED(有機ELディスプレイ) (1920 x 1200) 光沢あり, マルチタッチパネル, HDR500, 100%DCI-P3, 400 nit, 60Hz, ガラス |
ディスプレイは全構成、解像度フルHDの有機ELです。
有機ELなので見やすいディスプレイです。解像度はフルHDなのが少し残念ですが、実用上何か困るということはありません。
レノボ Yoga 770(解像度2.8有機EL)

レノボIdeaPad 5x 2-in-1 Gen9(解像度フルHD有機EL)

上記が、解像度2.8K 有機ELのレノボYoga 770との比較です。
色鮮やかさは同レベル、見比べると、やや当機種のほうが明るすぎて、少し粗く感じるか?くらいの違いですが、実用上ではよほど細かく見る人でない限り、気になるとかいうことはまずないかと思います。
文字についても、解像度2.8Kのディスプレイと、よほど近づいて見比べるといったことをしない限りは、粗さなどを感じることはありません。
キーボード

打ちやすいキーボードです。
配置は上下矢印キーの部分など、一部詰まっていて打ちにくいところはありますが、打鍵感は良いです。

キーストロークがしっかりと深く、しっかりとした打鍵感で、キーピッチも十分に確保されており、打ちやすいです。
キーボードで点数をつけるなら80~85点くらいで打ちやすいキーボードです。
またタッチパッドも広く、操作感は良好です。

キーボードバックライトも搭載しており、暗い場所での作業もできます。
指紋認証にも対応しています。
インターフェイス

左側面のインターフェイスが奥から順番に
- HDMI
- USB3.2 Gen2 Type-C×2
- マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック
となります。

右側面のインターフェイスが奥から順番に
- USB3.2 Gen1(Type-A)×2
- microSDメディアカードリーダー
- 電源ボタン
となります。
14インチノートパソコンとしては、一般的なインターフェイスです。

USB3.2 Gen2 Type-C×2を、USB Type-C対応のDELLモニターに接続して検証したところ、問題なく4K出力、充電が可能でした。
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリーは57Whrと、14インチとしては平均的なバッテリー容量となります。
以下の条件にてバッテリー駆動時間のチェックを行いました。
- 輝度MAX
- youtube動画流しっぱなし
メーカー公称時間 | 動画再生時 約 14.1 時間・アイドル時 約 16.6 時間 |
---|---|
残量0%まで | 9時間51分 |
実測値は9時間51分と、とても優秀です。
外出先で長時間利用するのにも向くノートパソコンです。
WEBカメラ
1080p FHDカメラが付いています。プライバシーシャッターつきです。

ノートパソコンのカメラで写真を撮りました。映りはきれいで、Web会議も問題なくこなせます。
スピーカー

Dolby Atmos対応で、前面に2つのスピーカーが搭載されています。スピーカーの音質はまずまず良いです。
私の私用PC レノボYoga 770と聞き比べたところ、Yoga 770が10点とすると当機種は8~9点くらいでしょうか。
レノボYoga 770は音質が高レベルなので、IdeaPad 5x 2-in-1 Gen9も不満を感じるようなことはないでしょう。
無線速度のテスト
自宅のWiFiは、11ac(Wi-Fi5)で5.0GHzを使用していますが、同じ部屋だと560Mbps速度が出ており、とても高速です。
1FにWiFiルーターがある状態で2Fで計測してみたところ、こちらも十分な速度が出ていました。
機種 | 無線速度 |
ThinkBook 13x Gen2 | 400Mbps |
Yoga 6 Gen8 | 510Mbps |
DELL XPS 13 Plus | 510Mbps |
IdeaPad Slim 5i Gen8 | 550Mbps |
ThinkPad X1 Carbon | 540Mbps |
HP Envy x360 13-ay | 570Mbps |
HP Envy x360 14-fc | 550Mbps |
Yoga 7i 2-in-1 Gen9 | 530Mbps |
IdeaPad 5x 2-in-1 Gen9 | 560Mbps |
Yoga Slim 7x Gen9 | 560Mbps |
HP Pavilion Aero 13-be | 580Mbps |
Legion Pro 5i Gen8 | 610Mbps |
レノボIdeaPad 5x 2-in-1 Gen9の性能・処理速度
パソコン処理性能を計測する上でメジャーな、以下のベンチマークソフトを使って計測した結果を紹介していきます。
- PassMark
- CineBench R23→エミュレーションモード
- PCMARK10→ARMでは動作しなかったので対象外・・・
- Crystal DiskMark(ディスク速度)
また、ゲーミング性能についても、これもメジャーな以下のベンチマークソフトを使って計測します。
- DQ10(軽量級3D)→ARMでは動作しなかったので対象外・・・
- FF14(中~重量級3D)
- FF15(重量級3D)→グラフィック性能が低いので対象外・・・
- ストリートファイター6(重量級)→グラフィック性能が低いので対象外・・・
- 3DMark→ARMでは動作しなかったので対象外・・・
画像編集性能については、画像編集ソフトRawTherapeeでRAW現像10枚の書き出し時間を計測しました。
- RawTherapeeでのRAW現像時間
動画編集性能については、動画編集ソフトDavinci ResolveでフルHDのyoutube動画書き出し時間を計測しました。
- Davinci Resolveでのyoutube動画書き出し
計測結果については、電源に接続して、最適なパフォーマンスで計測しています。
PassMarkは、電源に接続しないバッテリー駆動での計測も行っています。
CPU性能を測るベンチマークとしては最も有名なPassMarkスコアについて、ノートパソコンによく搭載される主要なCPUのスコアを紹介します。
CPU | PassMarkスコア |
Core i7-13700HX | 34286 |
Core i7-13700H | 30030 |
Ryzen 7 8845HS | 29904 |
Ryzen 7 8840HS | 24445 |
Core Ultra 7 155H | 25160 |
Ryzen 7 8840U | 23821 |
Core Ultra 5 125H | 21300 |
Ryzen 5 8640U | 20772 |
Core Ultra 7 155U | 16577 |
Core Ultra 5 125U | 17750 |
Ryzen 7 7735U | 21082 |
Core i5-1340P | 20106 |
Core i7-1360P | 19000 |
Ryzen 7 7730U | 18864 |
Core i7-1260P | 17257 |
Core i5-1240P | 17345 |
Core 5-120U | 17292 |
Ryzen 5 7535U | 17123 |
Core i5-1335U | 16814 |
Ryzen 5 7530U | 16509 |
Ryzen 5 5625U | 15000 |
Core i5-1235U | 13865 |
Core i3-1315U | 13755 |
Ryzen 3 7330U | 11816 |
Core i7-1165G7 | 10681 |
Core i5-1135G7 | 10298 |
Ryzen 3 5300U | 10000 |
Ryzen 5 7520U | 9489 |
Intel N100 | 5657 |
Intel Celeron 7305 | 2665 |
事務作業でブラウザをたくさん立ち上げ、かつ重いアプリを複数立ち上げたまま快適に使うのであれば、スコア10000以上あると十分快適に使えます。
2024年の今購入するなら、15000以上のCPUを選ぶと、4年は快適に使えるでしょう。
めやすはRyzen 5 7530U以上です。
Snapdragon® X Plus X1P-42-100は、PassMarkスコア19000超で、ARMベースで動作するブラウザやソフトであれば快適です。
実際にGoogle Chromeなどのレスポンスも快適でした。
PassMark
電源接続時(最適なパフォーマンス)

電源接続時(バランス)

バッテリー駆動時

PassMarkスコアについて、19118と高いスコアとなりました。
SnapdragonはIntelやAMDではあまり見ない挙動というか、電源モードやバッテリー駆動でもスコアがほとんど変わりませんでした。
バッテリー駆動でもほぼ変わらないのは、すごいCPUだと言えます。
他の主流CPUの実測値と比較しました。
CPU | マルチ | シングル |
Core i-13700HX | 36225 | 3955 |
Ryzen 7 8840HS | 27215 | 3796 |
Ryzen 7 6800H | 25955 | 3458 |
Snapdragon X Elite | 25744 | 3341 |
Core Ultra 7 155H | 24100 | 3845 |
Core Ultra 5 125H | 24554 | 3636 |
Core i5-13500H | 24533 | 3830 |
Core i5-1340P | 21578 | 3742 |
Core Ultra 7 155U | 19232 | 3678 |
Core Ultra 5 125U | 19263 | 3499 |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | 19118 | 3404 |
Core i7-1260P | 21696 | 3540 |
Ryzen 7 6800U | 21461 | 3459 |
Ryzen 7 7735U | 21278 | 3419 |
Ryzen 7 7730U | 21446 | 3258 |
Ryzen 7 5800U | 18644 | 3108 |
Core i5-1335U | 17694 | 3684 |
Core i5-1235U | 16601 | 3465 |
Ryzen 5 5625U | 16933 | 3138 |
Core i7-1250U | 13518 | 3557 |
Core i7-1165G7 | 11005 | 3142 |
スコアはIntel Core Ultra 5 125U程度のスコアがあります。
CineBench R23

マルチコアスコア:6999
シングルコアスコア:1095
CineBench R23は、ARMベースでは動作せずエミュレーションモードでの動作となり、パフォーマンスを十分には発揮できません。
CineBenchでも最新のものであればARMベースで動作するものがあるようですが、敢えてエミュレーションモードだとどれくらいの性能か?を見たかったので測定してみました。
ほかの主要CPUと比較します。
CPU | マルチコア | シングルコア |
Core i7-13700HX | 19558 | 1656 |
Ryzen 7 8840HS | 13246 | 1690 |
Ryzen 7 6800H | 13505 | 1481 |
Core i5-13500H | 11027 | 1779 |
Core Ultra 5 125H | 10967 | 1653 |
Core Ultra 7 155H | 9702 | 1788 |
Ryzen 7 6800U | 11620 | 1481 |
Core i5-1340P | 9301 | 1714 |
Core Ultra 5 125U | 9201 | 1550 |
Core Ultra 7 155U | 7824 | 1674 |
Ryzen 7 7735U | 9250 | 1515 |
Ryzen 7 7730U | 9411 | 1423 |
Core i7-1260P | 9158 | 1481 |
Snapdragon X Elite | 9068 | 1100 |
Ryzen 5 5625U | 8064 | 1390 |
Core i5-1235U | 6961 | 1461 |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | 6999 | 1095 |
Core i7-1165G7 | 4122 | 1383 |
PCMARK10
PCMARK10は、実際のアプリケーションを使用したベンチマークソフトで、実際にパソコンを使った時の作業快適性を計測するのに適しているといわれているベンチマークです。
残念ながらARMベースでは動作しないようで・・・今回測定対象外といたします。
Crystal DiskMark(測定中)

シーケンシャルリードが6000を超えており、高速です。
2024年式のパソコンは5000程度が平均値ですが上回っています。
機種 | シーケンシャルリード |
HP Envy 14-fc(2024年式) | 7142 |
DELL XPS 13 Plus | 6589 |
レノボLegion Pro 5i Gen8 | 6569 |
レノボIdeaPad 5x 2-in-1 Gen9 | 6119 |
HP Envy 13-bf(2022年式) | 5332 |
レノボYoga 7x Gen9 | 5167 |
レノボYoga 7i Gen8 | 5091 |
レノボIdeaPad Slim 5i Gen8 | 5086 |
HP Pavilion Aero 13-be(2023年式) | 5045 |
レノボYoga 7i Gen9 | 5054 |
レノボYoga 7 Gen9 | 5022 |
レノボThinkPad X1 Gen12 | 4773 |
レノボThinkPad X1 Gen11 | 3888 |
レノボThinkBook 13x Gen2 | 3603 |
HP Envy 13-ay(2021年式) | 3500 |
DQ10 ベンチマーク(軽量級3D)
インストール時にエラーとなり計測できなかったので対象外とします。
ゲームは相性がよくなさそうです。
FF14 黄金のレガシー ベンチマーク(中~重量級3D)

FF14のベンチマークは、4月にリリースされた新作「黄金のレガシー」でベンチマークを取りました。
標準品質(ノートPC)で、設定変更が必要の結果になりました。
こちらのアプリは、x64のエミュレーションにて実行されているようです。
グラフィック性能はあまり高くはないようです。
CPU | スコア |
Snapdragon X Elite | 6757 |
Intel Core Ultra 7 155H | 5794 |
AMD Ryzen 7 8840HS | 5584 |
Intel Core Ultra 5 125U | 3732 |
Intel Core Ultra 7 155U | 3704 |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | 1685 |
3DMark ベンチマーク
測定できず・・・対象外といたします。ゲームに向くCPUとは言えません。
RawTherapeeでのRAW現像時間
フリーの画像編集ソフトRawTherapeeを使って、スマホで撮影したRAW画像10枚のRAW現像にかかる時間を測定しました。
CPU | 時間 |
AMD Ryzen 7 8840HS | 11秒 |
Intel Core i7-13700HX | 11秒 |
Intel Core Ultra 7 155H | 13秒 |
Intel Core i5-13500H | 13秒 |
Intel Core i5-1340P | 13秒 |
Intel Core Ultra 5 125H | 14秒 |
Intel Core i7-1260P | 15秒 |
Intel Core i5-1335U | 17秒 |
Intel Core Ultra 5 125U | 18秒 |
Intel Core i5-1235U | 18秒 |
AMD Ryzen 7 7730U | 17秒 |
Intel Core Ultra 7 155U | 21秒 |
Intel Core i7-1250U | 21秒 |
Snapdragon X Elite | 40秒 |
Snapdragon X Plus X1P-42-100 | 36秒 |
ARM対応でないソフトを使う分には、性能を十分には引き出せないようです。
Davinci Resolveでのyoutube動画書き出し時間

動画編集ソフトDavinci Resolveで、4分のフルHDのyoutube動画書き出し時間にかかった時間を計測しました。
今まで計測に使っていたDavinci Resolve 18だと、ARMに対応していなかったので、19を新しくダウンロードして計測しました。
CPU | 時間 |
Snapdragon X Elite(ARM版/Ver.19) | 31秒 |
Intel Core i7-13700HX+GeForce RTX 4060 | 42秒 |
AMD Ryzen 7 6800H+GeForce RTX 3050 Ti | 48秒 |
Intel Core i7-13700H+GeForce RTX 4050 | 56秒 |
Intel Core Ultra 5 125H | 1分02秒 |
Intel Core Ultra 7 155H(メモリ32GB) | 1分06秒 |
Intel Core Ultra 7 155H(メモリ16GB) | 1分11秒 |
Intel Core i5-13500H | 1分10秒 |
AMD Ryzen 7 8840HS | 1分13秒 |
Intel Core i5-1340P | 1分17秒 |
AMD Ryzen 7 7735U | 1分18秒 |
AMD Ryzen 7 6800U | 1分18秒 |
AMD Ryzen 5 7535U | 1分22秒 |
Intel Core Ultra 5 125U | 1分26秒 |
Intel Core i7-1260P | 1分28秒 |
AMD Ryzen 7 7730U | 1分29秒 |
Intel Core Ultra 7 155U | 1分36秒 |
Intel Core i5-1235U | 1分40秒 |
Intel Core i5-1335U | 1分48秒 |
Snapdragon X Plus X1P-42-100(ARM版/Ver.19) | 1分51秒 |
AMD Ryzen 7 5800U | 1分56秒 |
Intel Core i7-1250U | 2分22秒 |
ARM対応版にて計測しましたが、早いとはいえない結果でした。
動画編集はできなくはないですが、向いているとは言いにくいです。
排熱性能と静粛性について

いつも使っている負荷ツールがARMだと正常動作しなかったので(汗)ベンチマーク測定中に、騒音チェックを行いました。

音はサー・・・という音がそれなりに聞こえます。40db弱程度が平均値でした。
騒音目安については以下の通りです。
騒音値(db) | めやす |
50db | 大きく聞こえる。静かな事務所 |
40db | 聞こえるが会話に支障なし。図書館、静かな住宅地の昼 |
30db | 小さく聞こえる。郊外の深夜、ささやき声 |
20db | ほとんど聞こえない。ささやき |

負荷計測中に温度をスマホのアプリで計測しました。
ほんのり、赤くなっているところが、手の体温と大体同じくらいの温度になっていますが、触ってもほとんど熱いとは感じませんでした。排熱性能は優秀です。
レノボYIdeaPad 5x 2-in-1 Gen9のレビュー評価まとめ

評価まとめ
各作業のレビュー結果は以下の通りです。
Web閲覧 | ◎(快適) |
---|---|
Office系事務作業 | ◎(快適) |
動画鑑賞 | ◎(快適) |
Web会議 | ◎(快適) |
SNS・ブログ | ◎(快適) |
画像・写真編集 | △(性能はそこまで高くはない) |
動画編集 | △(ARMで動作するソフトでもそこそこ) |
ゲーム | ×(ARMは現状ゲーム向きではない) |
総合評価は以下の通りです。
比較項目 | IdeaPad 5x 2-in-1 |
CPU | Snapdragon® X Plus X1P-42-100 |
CPU性能(PassMark) | B(実測19118) |
グラフィック性能 | C+ |
メモリ | 16GB |
ディスプレイ総合評価 | B+ |
ディスプレイ種類 | 有機EL |
サイズ | 14インチ |
アスペクト比 | 16:10 |
ディスプレイ解像度 | B(1920×1200) |
ディスプレイ輝度 | A (400nit) |
ディスプレイ色域 | A (100%sRGB) |
ボディ質感 | B+ |
キーボード | B+ |
持ち運びやすさ | C+(実測1.48kg) |
インターフェイス | B+ |
USB-A | 〇(2) |
USB-C | 〇(2) |
USB-C充電 | 〇 |
USB-C映像出力 | 〇 |
HDMI | 〇 |
Webカメラ | B(1080p) |
プライバシーシャッター | 〇 |
バッテリー持ち | A+(57Whr 実測9:51) |
認証 | 指紋認証 |
その他機能 | 2in1,タッチパネル |
価格・コスパ | A(11.98万) |
おすすめ度 | C+(注意点あり) |
有機ELの2-in-1が11.98万と安く、バッテリー持ちもよいです。
性能もそこそこですが、ARM対応ソフトでないとパフォーマンスを発揮できません。
あと動画編集やゲーム向きでもありません。
対応ソフトの状況から言って、現状では、初心者向きではないかなと言えます。
レノボ IdeaPad 5x 2-in-1 Gen9の良い点

- 有機ELの2-in-1で11.98万と安い
- ブラウザ閲覧・動画鑑賞など普段使いには性能も十分
- バッテリー駆動時間が長い
- MIL規格に対応
有機ELの2-in-1として安いのが特徴で、性能も普段使いには十分です。
バッテリー駆動時間が長く、MIL規格に対応しているので耐久性もあります。
レノボ IdeaPad 5x 2-in-1 Gen9で気になった点
- ARM版対応ソフトはまだ発展途上
- 動画編集性能は高くない
すべてのソフトがARMに対応しているわけではないため、まだ発展途上というイメージがあります。特にゲームは厳しいです。
またARM対応であっても動画編集性能はあまり高くはありませんでした。
このノートパソコンを購入するのに向く方

- 事務作業・動画鑑賞など普段使いをメインにする
- 有機ELのキレイなディスプレイで動画鑑賞を楽しみたい
- 電源に接続しないで長時間使いたい
性能はそこそこで、ARM対応ソフトでないと性能を十分に発揮できませんが、事務作業や動画鑑賞などはカバーできます。
またディスプレイがきれいなので動画鑑賞にも向きます。バッテリー持ちもよいです。
MIL規格に適合しており耐久性もあるので、持ち運んで使う用途に向くかな、と感じました。1.48kgなので軽くはないですが持ち運べなくもないです。
パソコンやタブレットをパソコン教室で使う子供向けにもよさそうです。
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