ThinkPad X1 Nano Gen3をレノボよりお借りすることができましたのでレビュー記事を書きます。

13.3インチのモバイルノートパソコンサイズで、重量955g(実測値)と、とても軽いのが特徴です。
レビュー機のマシンのスペックは以下の通りです。
- CPU:Intel Core i5-1340P
- メモリ16GB
- SSD 256GB
- 13.3インチ 2K液晶 (2160 x 1350) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%sRGB, 450 nit
フラッグシップであるThinkPad X1シリーズの高い品質を確保しつつ、かつX1 Carbonよりも軽いという、モバイルノートパソコンとしては理想的な仕上がりです。
初期導入済OS | Windows 11 Home (64bit) |
プロセッサー | インテル® Core™ i7-1360P, Core i5-1340P |
メモリ容量 | 16 GB LPDDR5X-7500MHz (オンボード) |
ストレージ | 256~1TB SSD, M.2 PCIe-NVMe (OPAL対応) |
ディスプレイ1 | 13インチ 2K液晶 (2160 x 1350) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%sRGB, 450 nit, 60Hz |
ディスプレイ2 | 13インチ 2K液晶 (2160 x 1350) IPS, 光沢なし/反射防止/汚れ防止, マルチタッチパネル, 100%sRGB, 450 nit, 60Hz |
ワイヤレス | インテル® Wi-Fi 6E AX211 2×2 vPro®対応 & Bluetooth® |
内蔵カメラ | IR&1080p FHDカメラ (プライバシーシャッター付) |
本体寸法 (幅×奥行き×高さ) | 約 293.2 x 208.0 x 14.4mm |
質量 | 約 966.5g~ |
バッテリー | 固定式 3セル リチウムイオンポリマーバッテリー 49.6Whr |
ThinkPadシリーズ最軽量955g(実測値)

ThinkPad X1 Nanoは、ThinkPad X1シリーズの中でも最軽量で、レビュー機は実測値955gと非常に軽かったです。
これだけ軽ければ持ち運びも楽で、毎日持ち運ぶ用途の場合、14インチのX1 Carbonよりもこちらのほうがよいと思います。
ThinkPadシリーズ伝統のキーボードの良さも健在

ThinkPadシリーズ最大の特徴である、キーボードの良さも健在で、13.3インチながら配置は素晴らしくきれいです。
キーストロークは1.4mmと浅めですが打鍵感は良好です。
ThinkPadキー配置の特徴として、左下のFnキーとCtrlキーが伝統的に逆ですが、Lenovo Vantageの設定で機能を入れ替えることができます。

CPUはIntel Pシリーズを搭載しているが性能は控えめ

レビュー機は、Intel Core i5-1340Pという性能の高いCPUを搭載していますが、当機種での性能は控えめでした。
PassMarkスコアは、他機種のCore i5-1340Pではスコア21500程度ありましたが当機種では16500程度でした。
薄型軽量設計のため、消費電力を少し落としているのではないかと思います。
ThinkPad13インチのX13シリーズとの比較
OS | Windows 11 Pro 64bit |
CPU | インテル® Core™ i7-1365U vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i7-1355U プロセッサー インテル® Core™ i5-1345U vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i5-1335U プロセッサー インテル® Core™ i3-1315U プロセッサー |
メモリ | オンボード: 8GB/16GB/32GB 最大32GB(LPDDR5) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB SSD |
液晶 | 13.3型 2.8K OLED (2880 x 1800)、ブルーライト軽減 13.3型 WUXGA IPS液晶 (1920 x 1200)、ブルーライト軽減、光沢なし 13.3型 WUXGA IPS液晶 (1920 x 1200)、マルチタッチ対応(10点)、光沢なし 13.3型 WUXGA IPS液晶 (1920 x 1200)、光沢なし |
重量 | 約1.09kg~ |
インターフェイス | USB4 (Thunderbolt™ 4 対応) x 2 USB 3.2 Gen 1 (Powered USB) x 1 USB 3.2 Gen 1 x 1 HDMI マイクロホン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック |
サイズ | 約 301.7×214.8x16mm |
バッテリー | 41Whr/54.7Whr |
価格 | 10万円台〜 |
ThinkPadシリーズでも、13インチで比較的軽量、かつ、安く購入できるのがこのX13シリーズです。
重量は約1.1kg~と、ThinkPad X1 Nanoよりは少し重く、本体もやや厚いですが、その分インターフェイスは充実、キーの打鍵感も更に良いです。
Intel Core i3、メモリ8GBの最小構成であれば10万円から購入できます。
ThinkPad X1 Nanoは、1kg未満でCore i5、メモリ16GBの構成からとはいえ、22万~と安いとは言えず、コスパならX13の圧勝です。
ThinkPad X1 Nano Gen3のスペックと価格
スペック
初期導入済OS | Windows 11 Home (64bit) |
プロセッサー | インテル® Core™ i7-1360P, Core i5-1340P |
メモリ容量 | 16 GB LPDDR5X-7500MHz (オンボード) |
ストレージ | 256~1TB SSD, M.2 PCIe-NVMe (OPAL対応) |
ディスプレイ1 | 13インチ 2K液晶 (2160 x 1350) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%sRGB, 450 nit, 60Hz |
ディスプレイ2 | 13インチ 2K液晶 (2160 x 1350) IPS, 光沢なし/反射防止/汚れ防止, マルチタッチパネル, 100%sRGB, 450 nit, 60Hz |
ワイヤレス | インテル® Wi-Fi 6E AX211 2×2 vPro®対応 & Bluetooth® |
内蔵カメラ | IR&1080p FHDカメラ (プライバシーシャッター付) |
本体寸法 (幅×奥行き×高さ) | 約 293.2 x 208.0 x 14.4mm |
質量 | 約 966.5g~ |
バッテリー | 固定式 3セル リチウムイオンポリマーバッテリー 49.6Whr |
価格
価格は高いです。Core i5-1340P、メモリ16GB、SSD512GBの構成で、22.3万円となります。
この価格は、14インチのThinkPad X1 Carbonよりも高いです。
ただX1 Nanoのほうが1kg未満と軽いので、予算があって私がどちらを選ぶか?と言われたら、Nanoのほうを選びます。
ThinkPad X1 Nanoの外観と機能
外観・デザイン・質感






漆黒のボディにキーボードには赤いトラックポイントと、いかにも伝統のThinkPadというデザインです。
カーボンとマグネシウム合金がボディに使われており、質感は良いです。
ボディは高さ14.4mmとスリムです。

180度倒して使うこともできます。
重量
メーカー公称の重量は966g~です。実測値は955gとさらに軽かったです。

ノートパソコンで重量1kg未満は、軽くて持ち運びにはとてもありがたいです。
頻繁にノートパソコンを持ち運ぶ方に、特におすすめしたい機種です。

アダプターは出力45Wで250g、一般的なノートパソコンと比較しても普通の出力と重さです。
本体実測値 | 955g |
---|---|
アダプター | 250g |
持ち運びも考慮するなら、電源アダプターはUSB Type-C対応の軽量でコンパクトなものを買ってしまったほうがよいと思います。私も購入しています。
軽量な充電器とケーブルを買えば、重量を合計100~110g程度に抑えることができます。
ディスプレイ
ディスプレイ | 価格 |
13インチ 2K液晶 (2160 x 1350) IPS, 光沢なし, マルチタッチ非対応, 100%sRGB, 450 nit, 60Hz | 22.37万円~ |
13インチ 2K液晶 (2160 x 1350) IPS, 光沢なし/反射防止/汚れ防止, マルチタッチパネル, 100%sRGB, 450 nit, 60Hz | 27.21万円 |
13.3インチで解像度2K、タッチパネル対応・非対応の2種類から選択できます。
2023年10月の構成では、タッチパネル対応の構成は価格が高かったです。
レビュー機はマルチタッチ非対応でした。





ディスプレイは素晴らしい品質です。 明るくて発色もよく、文字も高解像度で見やすいです。
事務作業・写真編集・動画編集など、どのような用途でも万能に使えるディスプレイです。
キーボード

キーピッチは横18mm、縦18.0mmです。
キー配置はとても綺麗です。ただしEnterキー左隣の\などのキーはやや小さく感じます。
ThinkPadキー配置の特徴として、左下のFnキーとCtrlキーが伝統的に逆ですが、Lenovo Vantageの設定で機能を入れ替えることができます。


キーストローク は約1.4mm です。
キーの真ん中がやや凹んでおり、打ちやすくしているキーです。
キーストロークが浅めなためか、キーを打ったときに底まで行っている感触があり、もう少し反発力が欲しいな、と感じましたが打ちやすいキーボードです。
同じ13インチのX13では、そのようなことは感じなかったので、ボディの薄さも要因としてあるのではと思います。
キーボードで点数をつけるなら85~90点くらいで打ちやすいと言えます。

キーボードバックライトも搭載しており、暗い場所での作業も苦になりません。
指紋認証も搭載しています。
インターフェイス

左側面のインターフェイスは、奥から順番に
- イヤホンジャック
- USB4 Type-C(Thunderbolt4) × 2
となります。

右側面のインターフェイスは
- 電源ボタン
のみとなります。
イヤホンジャック以外はThunderbolt4が2ポートのみのため割り切った構成です。
HDMI・USB Type-Aがないのは、ビジネス用途としては賛否が分かれる点でしょう。
インターフェイスは、おなじくX1シリーズのX1 Carbonのほうが充実しています。
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリーは49.5Whrと、普通より少し少ないバッテリー容量となります。
以下の条件にてバッテリー駆動時間のチェックを行いました。
- 輝度MAX
- youtube動画流しっぱなし
- バランスモードで計測
メーカー公称時間 | 19.7時間 |
---|---|
残量0%まで | 4時間13分 |
輝度の高さや解像度2Kであることを考えると妥当なバッテリー持ちといえます。
バッテリー駆動のまま長く使うのであれば、輝度を落とすか、解像度を落とすとよいと思います。
WEBカメラ
解像度1080p FHDカメラが付いています。プライバシーシャッター付きです。


上記はノートパソコンのカメラで写真を撮った結果で、カメラ移りは良いです。
物理プライバシーシャッターつきで、ビジネス用途として不足している点は全くないと言えます。
スピーカー

表面の上部2か所と背面にスピーカーが搭載されています。スピーカーの音質は良いと言えます。HP ENVYが10点とすると10点くらいです。完全なる主観ですみません(^^;
何台かのノートパソコンスピーカーを聞き比べてみて、HP ENVYのスピーカーはかなり優秀ということが分かっているので、ThinkPad X1 Nanoは同じくらいの良いスピーカーです。
無線速度のテスト
自宅のWiFiは、11ac(Wi-Fi5)で5.0GHzを使用していますが、同じ部屋だと520Mbps速度が出ており、高速です。

ネットワークアダプタは、IntelのWi-Fi 6E対応のものが搭載されていました。
機種 | 無線速度 |
ThinkPad X1 Carbon | 390Mbps |
ThinkBook 13x Gen2 | 400Mbps |
Yoga 6 Gen8 | 510Mbps |
DELL XPS 13 Plus | 510Mbps |
ThinkPad X1 Nano | 520Mbps |
IdeaPad Slim 5i Gen8 | 550Mbps |
HP ENVY x360 13-ay | 570Mbps |
HP Pavilion Aero 13-be | 580Mbps |
Legion Pro 5i Gen8 | 610Mbps |
HP ENVYなどは500Mbps以上出ていますが、それと同等レベルで早い結果となりました。
起動時間チェック
1回目 | 17.49秒 |
---|---|
2回目 | 17.11秒 |
3回目 | 17.69秒 |
起動時間は普通です。
10秒以内で起動する機種もあるのですごく早いというほどではないですが、ストレスなく起動するといえます。
ThinkPad シリーズはなぜか、起動が遅い機種が多いのですが、Nanoはその中では比較的早いほうだと言えます。
レノボThinkPad X1 Nanoの内部性能・処理速度
パソコン処理性能を計測する上でメジャーな、以下のベンチマークソフトを使って計測した結果を紹介していきます。
- PassMark
- CineBench R23
- PCMARK10
- Crystal DiskMark(ディスク速度)
また、ゲーミング性能についても、これもメジャーな以下のベンチマークソフトを使って計測します。
- DQ10(軽量級3D)
- FF14(中量級3D)
- FF15(重量級3D)
- 3DMark
画像編集性能については、画像編集ソフトRawTherapeeでRAW現像10枚の書き出し時間を計測しました。
- RawTherapeeでのRAW現像時間
動画編集性能については、動画編集ソフトDavinci ResolveでフルHDのyoutube動画書き出し時間を計測しました。
- Davinci Resolveでのyoutube動画書き出し
計測結果については、電源に接続し、最適なパフォーマンスモードの計測としています。
PassMarkのみは、バランスでの計測も行っています。

CPU性能を測るベンチマークとしては最も有名なPassMarkスコアについて、ノートパソコンによく搭載される主要なCPUのスコアを紹介します。
CPU | PassMarkスコア |
Core i7-13700HX | 34522 |
Core i7-13700H | 30030 |
Core i7-12700H | 27020 |
Core i5-13500H | 23554 |
Ryzen 7 6800H | 23797 |
Ryzen 7 7735U | 21082 |
Core i5-1340P | 20595 |
Ryzen 7 6800U | 20584 |
Core i7-1360P | 19600 |
Ryzen 7 7730U | 18864 |
Ryzen 7 5800U | 18837 |
Ryzen 7 5825U | 18386 |
Core i5-1335U | 17352 |
Core i7-1260P | 17257 |
Core i5-1240P | 17345 |
Ryzen 5 7535U | 17123 |
Ryzen 5 7530U | 16509 |
Ryzen 5 5600U | 15000 |
Ryzen 5 5625U | 15000 |
Core i5-1235U | 13865 |
Core i3-1315U | 13755 |
Ryzen 3 7330U | 11816 |
Core i7-1165G7 | 10681 |
Core i5-1135G7 | 10298 |
Ryzen 3 5300U | 10000 |
Core i3-1115G4 | 6610 |
Intel N100 | 5657 |
Intel Celeron 7305 | 2665 |
事務作業でブラウザをたくさん立ち上げ、かつ重いアプリを複数立ち上げたまま快適に使うのであれば、Core i5-1135G7のスコア10000以上あると、重作業でも十分快適に使えます。
Intel Core i7-1360P、Core i5-1340Pは、どちらも高い性能を持っており、普段使いから動画編集まで、幅広い作業を快適にこなすことができます。
PassMark
電源接続時(最適なパフォーマンス)

電源接続時(バランス)

バッテリー駆動時

最適なパフォーマンスの設定では、16573と高いスコアでしたが、Core i5-1340Pの平均値は20000超のため物足りないスコアとなりました。
当機種は薄型軽量のため、電力消費を抑えるチューニングがされていると言えます。
電源設定がバランスの場合、13470と、もう少し落ちました。
マルチ/シングル | 最適なパフォーマンス | バランス |
マルチスレッド | 16573 | 13470(81.2%) |
シングルスレッド | 3719 | 2957(79.5%) |
バッテリー駆動時は16573→15162と落ち幅は少なかったですが、シングルが3719→2486と大きく落ちていました。
マルチ/シングル | 最適なパフォーマンス | バッテリー駆動 |
マルチスレッド | 16573 | 15162(91.4%) |
シングルスレッド | 3719 | 2486(66.8%) |
他の主流CPUの実測値と比較しました。
CPU | マルチ | シングル |
Core i-13700HX | 36225 | 3955 |
Ryzen 7 6800H | 25955 | 3458 |
Core i5-13500H | 24533 | 3830 |
Core i5-1340P(Yoga) | 21578 | 3742 |
Core i5-1340P(Nano) | 16573 | 3719 |
Core i7-1260P | 21696 | 3540 |
Ryzen 7 6800U | 21461 | 3459 |
Ryzen 7 7735U | 21278 | 3419 |
Ryzen 7 7730U | 21446 | 3258 |
Ryzen 7 5800U | 18644 | 3108 |
Core i5-1335U | 17694 | 3684 |
Core i5-1235U | 16601 | 3465 |
Ryzen 5 5625U | 16933 | 3138 |
Core i7-1165G7 | 11005 | 3142 |
シングルのスコアは、期待値通りですがマルチのスコアはあまり伸びなかったという印象です。
CineBench R23

マルチコアスコア:6265
シングルコアスコア:1485
マルチコアスコア・シングルコアスコアともに、PassMarkと同じ傾向で、Core i5-1340Pの本来のポテンシャルは引き出せていないスコアでした。
ほかの主要CPUと比較します。
CPU | マルチコア | シングルコア |
Core i7-13700HX | 19558 | 1656 |
Ryzen 7 6800H | 13505 | 1481 |
Core i5-13500H | 11027 | 1779 |
Ryzen 7 6800U | 11620 | 1481 |
Core i5-1340P(Yoga) | 9301 | 1714 |
Core i5-1340P(Nano) | 6265 | 1481 |
Ryzen 7 7735U | 9250 | 1515 |
Ryzen 7 7730U | 9411 | 1423 |
Core i7-1260P | 9158 | 1481 |
Ryzen 7 5800U | 9276 | 1436 |
Ryzen 5 5625U | 8064 | 1390 |
Core i5-1235U | 6961 | 1461 |
Core i7-1165G7 | 4122 | 1383 |
同CPUを搭載しているYoga 7i Gen8と比較してもやや低いスコアで、バッテリー持ちや放熱性などを考慮し、やや性能を抑えているのだろうと言えます。
PCMARK10
PCMARK10は、実際のアプリケーションを使用したベンチマークソフトで、実際にパソコンを使った時の作業快適性を計測するのに適しているといわれているベンチマークです。
測定結果は以下の通りです。

トータルスコア:4951
Essentials:9739(快適めやす4100)
Essentialsはパソコン基本性能の測定結果です。
快適めやすは4100なので、高い数値です。実際に使ってみてもレスポンスは極めて快適です。
Productivity:6712(快適めやす4500)
ProductivityはOfficeなどビジネス系アプリの速度で、これも十分なスコアです。
Digital Contents Creation:5039
Digital Contents Creationは画像編集や動画編集などの性能を表すスコアです。
こちらも高いスコアです。
Intel Core i5-1340Pを搭載したYoga 7i Gen8と比較してみます。
ThinkPad X1 Nano:Intel Core i5-1340P
レノボYoga 7i Gen8:Intel Core i5-1340P
計測内容 | ThinkPad Nano | Yoga 7i Gen8 |
トータル | 4951 | 5623 |
App Start-up Score(アプリ起動) | 11997 | 12449 |
Video Conferencing Score(Web会議) | 8287 | 8347 |
Web Browsing Score(Web閲覧) | 9293 | 9788 |
Spreadsheets Score(表計算) | 6872 | 6973 |
Writing Score(文書作成) | 6556 | 7352 |
Photo Editing Score(画像編集) | 8553 | 10158 |
Rendering and Visualization Score(レンダリング) | 2983 | 4690 |
Video Editing Score(動画編集) | 5015 | 6320 |
PassMarkやCineBenchのスコアは大差がついていましたが、PCMARK10についてはクリエイティブワーク以外のスコアは、Yoga 7i Gen8と大差はありませんでした。
以下、他主要CPUとのスコア比較です。
App Start-up Score(アプリ起動)
App Start-up Score(アプリ起動) | スコア |
Intel Core i5-1340P(Yoga) | 12449 |
Intel Core i5-1340P(Nano) | 11997 |
Intel Core i5-1335U | 11687 |
AMD Ryzen 7 7735U | 11574 |
Intel Core i7-13700HX | 10300 |
Intel Core i7-1260P | 8629 |
AMD Ryzen 5 5625U | 8457 |
Web Browsing Score(Web閲覧)
Web Browsing Score(Web閲覧) | スコア |
Intel Core i7-13700HX | 10187 |
Intel Core i5-1340P(Yoga) | 9788 |
Intel Core i5-1340P(Nano) | 9293 |
Intel Core i5-1335U | 9582 |
Intel Core i7-1260P | 9128 |
AMD Ryzen 5 5625U | 8862 |
AMD Ryzen 7 7735U | 8761 |
Spreadsheets Score(表計算)
Spreadsheets Score(表計算) | スコア |
AMD Ryzen 7 7735U | 11080 |
Intel Core i7-13700HX | 10928 |
AMD Ryzen 5 5625U | 7148 |
Intel Core i5-1340P(Yoga) | 6973 |
Intel Core i5-1340P(Nano) | 6872 |
Intel Core i5-1335U | 6889 |
Intel Core i7-1260P | 6536 |
Writing Score(文書作成)
Writing Score(文書作成) | スコア |
AMD Ryzen 5 5625U | 7393 |
Intel Core i5-1340P(Yoga) | 7352 |
Intel Core i5-1340P(Nano) | 6556 |
Intel Core i7-13700HX | 6895 |
Intel Core i5-1335U | 6402 |
Intel Core i7-1260P | 6344 |
AMD Ryzen 7 7735U | 5181 |
Video Editing Score(動画編集)
Video Editing Score(動画編集) | スコア |
Intel Core i7-13700HX | 7446 |
Intel Core i5-1340P(Yoga) | 6320 |
Intel Core i5-1340P(Nano) | 5015 |
Intel Core i5-1335U | 5961 |
Intel Core i7-1260P | 5544 |
AMD Ryzen 7 7735U | 4345 |
AMD Ryzen 5 5625U | 3931 |
Web閲覧や文書作成など一般用途では十分な性能があります。ただ同CPUを搭載しているYoga 7i Gen8よりは少しずつ低いスコアでした。
Crystal DiskMark

シーケンシャルリードが4000を超えており、高速です。
2021年式のHP ENVYも高速でしたが、HP ENVYは3500だったのでそれよりも高速です。
機種 | シーケンシャルリード |
DELL XPS 13 Plus | 6589 |
レノボLegion Pro 5i Gen8 | 6569 |
レノボYoga 7i Gen8 | 5091 |
レノボIdeaPad Slim 5i Gen8 | 5086 |
HP Pavilion Aero 13-be(2023年式) | 5045 |
レノボThinkPad X1 Nano Gen3 | 4055 |
レノボThinkPad X1 Gen11 | 3888 |
レノボThinkBook 13x Gen2 | 3603 |
HP ENVY 13-ay(2021年式) | 3500 |
DQ10 ベンチマーク(軽量級3D)

最高品質でも快適の結果となりました。
FF14 暁のフィナーレベンチマーク(中量級3D)

標準品質(ノートPC)で、やや快適の結果となりました。
CPU | スコア |
Intel Core i7-13700HX | 29454 |
Intel Core i5-13500H | 8214 |
AMD Ryzen 7 7735U | 7490 |
Intel Core i5-1340P(Yoga) | 7383 |
Intel Core i5-1340P(Nano) | 6632 |
Intel Core i7-1260P | 7299 |
Intel Core i5-1235U | 7287 |
Intel Core i5-1335U | 5638 |
AMD Ryzen 7 7730U | 5081 |
FF15ベンチマーク(重量級3D)

スコアは軽量品質でも重い、という結果になりました。
CPU | スコア |
Intel Core i7-13700HX+RTX4070(標準) | 15852 |
Intel Core i5-13500H(軽量) | 2875 |
AMD Ryzen 7 7735U(軽量) | 3470 |
Intel Core i7-1260P(軽量) | 2486 |
Intel Core i5-1340P(軽量) | 2140 |
重量級3Dゲームの動作は厳しそうです。
3DMark ベンチマーク

Fire Strikeのスコアは4008でした。
Fire Strikeのスコア目安は以下の通りです。
グラフィックボード | 3DMark Fire Strike |
GeForce RTX 3080 Ti | 38323 |
GeForce RTX 3080 | 36176 |
GeForce RTX 4070(Laptop) | 27898 |
GeForce RTX 4060 | 27500 |
GeForce RTX 3060 | 20764 |
GeForce RTX 3050 Ti | 14911 |
GeForce GTX 1060 | 10000 |
GeForce GTX 1650 | 9000 |
AMD Ryzen 7 6800U(CPU内蔵) | 6666 |
Intel Core i5-13500H(CPU内蔵) | 5237 |
Intel Core i5-1340P(CPU内蔵) | 5000 |
Intel Core i7-1260P(CPU内蔵) | 4462 |
Intel Core i5-1235U(CPU内蔵) | 4284 |
AMD Ryzen 7 7730U(CPU内蔵) | 4000 |
AMD Ryzen 5 5625U(CPU内蔵) | 3288 |
めやすとしてはGeForce GTX 1650、1060がエントリー向けグラフィックボードとなります。
CPU内蔵のグラフィックでは、エントリーグラフィックボードの半分程度の性能で、重量級3Dゲームは厳しいです。
RawTherapeeでのRAW現像時間
フリーの画像編集ソフトRawTherapeeを使って、スマホで撮影したRAW画像10枚のRAW現像にかかる時間を測定しました。
CPU | 時間 |
Intel Core i7-13700HX | 11秒 |
Intel Core i5-13500H | 13秒 |
Intel Core i5-1340P | 13秒 |
Intel Core i7-1260P | 15秒 |
Intel Core i5-1335U | 17秒 |
Intel Core i5-1235U | 18秒 |
AMD Ryzen 7 7730U | 17秒 |
AMD Ryzen 7 5800U | 23秒 |
上記は別機種での測定結果ですが、レビュー機は14秒でした。
同じCore i5-1340Pを搭載したYoga 7iが13秒でしたのでほぼ同じスコアです。
Davinci Resolveでのyoutube動画書き出し時間
動画編集ソフトDavinci Resolveで、4分のフルHDのyoutube動画書き出し時間にかかった時間を計測しました。
CPU | 時間 |
Intel Core i7-13700HX+GeForce RTX 4060 | 42秒 |
AMD Ryzen 7 6800H+GeForce RTX 3050 Ti | 48秒 |
Intel Core i5-13500H | 1分10秒 |
Intel Core i5-1340P(Yoga) | 1分17秒 |
Intel Core i5-1340P(Nano) | 2分1秒 |
AMD Ryzen 7 7735U | 1分18秒 |
AMD Ryzen 7 6800U | 1分18秒 |
Intel Core i7-1260P | 1分28秒 |
AMD Ryzen 7 7730U | 1分29秒 |
Intel Core i5-1235U | 1分40秒 |
Intel Core i5-1335U | 1分48秒 |
AMD Ryzen 7 5800U | 1分56秒 |
上記は、別機種で測定した結果の一覧ですが、当機種はCore i5-1340Pで、2分1秒かかりました。
別機種の同じCPU(レノボYoga 7i Gen8)では1分17秒だったので、当機種は性能が抑えられているのが動画書き出し時間に大きく影響しているという結果でした。
排熱性能と静粛性について
CPU負荷をツールでかけてみて、CPU温度と本体の温度、静粛性をチェックしてみました。
パフォーマンスモードで計測しています。
負荷をかける前の状態です。

負荷をかけ続けた時の状態です。



上記が測定結果ですが、負荷をかけても、温度・消費電力ともにそこまで大きくは増えません。
CPU温度は80℃程度となり、そのあと70℃くらいまで下がります。
CPU電力は、負荷をかけても20W強程度までしか上がらず、かなり性能を抑えている印象があります。
この間、キーボードは上部が少し、熱くなる感覚がありますが、そこまでではありません。
ただし背面は少し熱くなります。
また、負荷をかけた時の音についてはとても静かです。
騒音測定アプリで測定したところ、負荷をかけている状態で30~35db弱程度で、あまり音は聞こえませんでしたので静かです。
騒音目安については以下の通りです。
騒音値(db) | めやす |
50db | 大きく聞こえる。静かな事務所 |
40db | 聞こえるが会話に支障なし。図書館、静かな住宅地の昼 |
30db | 小さく聞こえる。郊外の深夜、ささやき声 |
20db | ほとんど聞こえない。ささやき |
高負荷をかけても音は気になりませんでした。
全体的な印象として、CPUの性能を抑えて熱や音を抑えるという、モバイルノートパソコン向きのセッティングになっていると感じました。
レノボThinkPad X1 Nanoのレビュー評価まとめ

評価まとめ
各作業のレビュー結果は以下の通りです。
Web閲覧 | ◎(快適) |
---|---|
Office系事務作業 | ◎(快適) |
動画鑑賞 | ◎(快適) |
Web会議 | ◎(快適) |
SNS・ブログ | ◎(快適) |
プログラミング | ◎(快適) |
画像・写真編集 | ◎(快適) |
動画編集 | △~○(CPU性能をフルに発揮できていない) |
ゲーム | ×~△(軽めのゲームならOK) |
ノートパソコン自体の質感、デザイン、耐久性、キーボード、持ち運びやすさ、コスパなどのレビュー結果は以下の通りです。
質感 | ○(良い) |
---|---|
ディスプレイ | ◎(とても良い) |
キーボード | ◎(とても良い) |
インターフェイス | △(Thunderboltのみ) |
デザイン | △~○(良くも悪くもThinkPad ) |
耐久性 | ◎(とても良い) |
バッテリー | △(普通) |
持ち運び | ◎(1kg未満) |
コスパ | ×~△(高め) |
ThinkPad として最も軽く、ディスプレイやキーボードも良いです。
ただ高いので、予算が許せば、良い選択になると思います。
ThinkPad X1 Nano Gen3の良い点
- ThinkPadシリーズ最軽量955g
- キーボードが良い
- ディスプレイも良い


ThinkPad X1 Nano Gen3で最も良いのは、キーボードはThinkPad品質を確保しつつ、かつ955g(実測値)と、ThinkPad最軽量であることでしょう。
ThinkPadのキーボードが良い、かつできるだけ軽い機種が良いということであれば当機種が真っ先に候補となるでしょう。
ThinkPad X1 Nano Gen3で気になった点
- 価格が高い・・・
- CPUの性能を活かしきれてない
価格が高いのがネックです。
ThinkPad X1シリーズは、ThinkPadのフラッグシップで、かつ軽量なので高いのもある程度納得はするのですが、22万~という価格は、気軽には購入できない価格です。
ビジネス用途で、仕事道具に妥協したくなく、20万以上をかけても良いという方向けだと思います。
またCPUはCore i5-1340PもしくはCore i7-1360Pを搭載しますが、本来高性能なはずのPプロセッサーをフルに活かしきれていなかったことも残念なポイントです。
実用上はレスポンスも極めて快適で問題はないですが、ベンチマークのスコアを見ると、Core i5-1335Uなどの省電力性能が高いUプロセッサーでも良かったのではと思います。
このノートパソコンを購入するのに向く方

- 軽量なThinkPadが欲しい方
- 仕事道具に妥協したくなく、毎日ノートパソコンを持ち運ぶ方
ThinkPadのキーボードや耐久性がお気に入り、でも毎日持ち運ぶから軽い機種が良い、という方におすすめです。
私も本業用PCで予算があるなら、この機種をぜひ使いたいと思います。
重量は1.1~1.2kg程度でもよいから、画面が大きくインターフェイスが充実している機種が良い、という場合はThinkPad X1 Carbon がおすすめです。こちらも実機レビューを書いているので参考にしてみてください。

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