私はSIer勤務SEを15年ほど続けているが、SEというのはメンタル不調になりやすい職業だな、と思います・・・
・勤務時間が長くなりがち
・納期のプレッシャーが強い
・品質のプレッシャーが強い(システムトラブルを起こすと大変)
勤務時間が長くて、しかも精神的負担が大きくなりがちなので、メンタル不調になってしまうのもうなずける環境と言えます・・・
私自身も不調になったことがあるし、後輩でも不調になり、やめていった人を何人も見ています。
そういった経験をしてきているからこそ、不調にならないためにいろいろと心がけていることがあるので、それを共有したいと思います。
なお、メンタルの整え方を心がけるにあたり、以下の本がかなり参考になったので、ご紹介します。
メンタル不調は脳疲労が原因
長時間働いたり、精神的プレッシャーのかかる仕事が続くと、疲労感がたまり、
・やる気がでない
・集中力、思考力、判断力が落ちる
・注意力が散漫になりミスが多くなる
・なんとなくだるい
というような状態になります。社会人なら誰しも経験があると思います。
私は休日作業でよくシステムのテストやリリースをしていますが、休日作業でプレッシャーのかかる仕事が続き、平日もあまり休めない、という状況が続くと、疲弊して上記のような状態になってしまいます。
これらは実は、肉体的な疲労によるものではなく、脳の疲労からきている、というのが、上記で紹介した「すべての疲労は脳が原因」という本に書かれています。
脳は、呼吸や心拍など、人が生きていく上で必要なことを調整する機能があり、これが「自律神経の中枢」と呼ばれる部位になるのだが、長時間働いたり、精神的プレッシャーの強い仕事が続くと、この自律神経が疲労していきます。
その結果、メンタル不調になったり、健康(フィジカル)にも影響を及ぼすようになってしまう、ということのようです。
メンタル不調のきっかけになる脳疲労を見逃さない
上記の「やる気がでない」「なんとなくだるい」などの症状が軽微であれば、仕事を休んでゆっくりする、などの対策を都度とれば、また復活して仕事も普通に取り掛かれるようになります。
一番まずいのは、「やる気がでない」などの症状が出ているのに、「仕事が残っているから・・・」などの理由できちんと休まず、無理してしまうことです。
私自身も経験があるし、メンタル不調になった後輩などを見ていても、長らく無理をしてきて乗りきっているように見えたが、ある時、何かがきっかけで急に折れてしまう、というのをよく見てきました。
一回折れてしまうと、完全に復活するまでに長い期間を要してしまうことが多いと、後輩や自分自身の経験から感じます。
なので、疲労が溜まって「やる気がでない」などの症状が出始めたら、無理をせずにきっちり休む、メンタル不調を重症化させない、というのが何よりも重要だ、と感じています。
達成感のある仕事には要注意
「すべての疲労は脳が原因」にも書かれていたが、
達成感のある仕事、というのはメンタル的には最も警戒すべき、
と、自分自身の経験や、メンタル不調になった後輩を見ていて感じます。
かなり無理をして、難しい仕事を乗り切り、疲弊しながら終わらせたとします。
そうすると、場合によっては上司や顧客から評価され、褒められることもあるでしょう。
上司や顧客から褒められると、達成感を感じ、疲労感が一時的になくなるような感覚になるのだが、これが最も危険です。
実際には脳疲労は残っているのだが、人間の脳の構造上、達成感によって疲労がマスキングされてしまうことがあるらしいです。
そういった状態を続けていると、何らかの仕事で失敗したときに、急に疲労が表れてきてしまい、いきなり心が折れてしまう、ということが起こりえます。
これは自分自身の経験でもあるし、そういう状態になってしまった後輩を見てきています。
他人から見ると、今まで順調にやってきたのに急に折れてしまった、と見えるかもしれないが、実際のところはずっと無理をしてきているだけだった、というだけのことです。
こうならないためにも、仕事はきついが達成感はある、という状況のときこそ、自分自身のメンタルや体調には気を付ける必要があります。
日々の自分の体調を客観的に分析する
「急に折れる」というような事態を回避するためには、日々の自分自身の体調を常に気を付けるしかないと思います。
仕事のある朝に起きて、「今日も仕事やるか!」というような気持ちになれれば問題ないが、日によっては「やる気が出ない・・・」とか、「集中が続かない・・・」というような気分になっていたら、それはメンタル不調の兆候です。
そういった兆候を見逃さず、必要に応じて半休でもよいから休む、休んでメンタルを整える、というのが、とても大事だと感じます。
マメにやるなら、毎朝自分の調子をメモなどに書いてみてもよいと思う。プロスポーツ選手はそういうことを実施している人もいるようです。
睡眠不足はメンタルの大敵
私は、上述した通り、仕事がきついときほど、朝起きたときのメンタルの調子はどうか、というのに気を配っています。
自分の経験上、夜更かししてしまったときの翌朝は、ほぼ間違いなくメンタルの調子がよくないです。
仕事が忙しいと、仕事が終わった後、息抜きに自分の趣味のことをやりたくなってしまうものだが、それはメンタル的には一番よくないことだと経験上感じます。
逆に、プレッシャーのかかる仕事が続いていても、早く寝た日の翌朝は、メンタルが復調していることが多いです。
やはり、メンタルの健康を考えると、睡眠時間は最も重要な要因であると、感じます。
メンタルを回復する休日の過ごし方
メンタルを回復するための休日の過ごし方について、
・仕事のことは頭から消して切り替える
・運動や遠出など、疲労の溜まる行動は控える
これらが効果的であると、経験上感じるし、「すべての疲労は脳が原因」の本にも書いてあります。
休日なのに仕事のことを心配して、だらだら考えてしまうのが一番よくないです。これをやってしまうと、疲労感が取れません。
何か切り替えることをやるとよいと思います。
私の場合、子供と過ごしていると、いろいろ振り回されたりして大変なところもあるのだが、仕事のことは忘れることができるので、効果的だと感じています。
あと、心配事が抜けないのなら、いったん書き出してしまうのも効果的と感じます。
TODOリストみたいなものにアウトプットすると、不思議と頭から抜けて切り替えることができるようになります。
あと、気持ちを切り替えるためということで、疲れているのに過度な運動をしたり、遠出して1日中出かけたりするのは、それはそれで脳疲労につながるのでよくないようです。
確かに自分の経験上も、気持ちを切り替えるためと思って遠出したりしても、結局月曜日は疲れたまま、ということが多かったと感じます。
一番メンタルの回復によいのは、疲れているときは自宅や近場でゆっくり過ごすことです。
まとめ うまくメンタルを整えて不調を回避しよう
冒頭にも書いたが、SEはメンタル的にきつい仕事だな・・・と思うことがよくあります。
メンタル不調を起こさないためには、上述した
・メンタル不調の兆候を見逃さず、すぐ休む
・毎朝自分の体調を自己分析する
・休日は仕事のことを考えない
・疲労が溜まっているときは休日ゆっくり過ごして回復に努める
というのが何よりも大事だと感じます。
メンタル不調に悩んでいる方は参考にしてみてください。