今回、レノボより、ThinkPad X1 Carbon Gen9のレビュー機をお借りすることができましたので、レビュー記事を書きます。
ThinkPad X1 Carbonは2022年モデル(Gen10)も発売されましたので丁度良いタイミングと思い、レビュー機をお借りしてレビュー記事を書きました。
Gen10とGen9ですが、仕様表を見る限りでは、ボディの違いはほぼなく、CPUの違いがほとんどのように見受けられました。そのため今回レビューは参考になるのではないかと思います。
レビュー機のスペックは以下の通りでした。
CPU:Intel Core i7-1165G7
メモリ:16GB
ストレージ:SSD 256GB
CPUは1世代前の第11世代Intelですが、性能は普段使いには十分です。
また、ThinkPadは打ちやすいキーボードを持っていることで定評があり、実際に使ってみてまさしくその通りであると感じました。
このキーボードの良さは本当に魅力的で、記事を書いていてもこのキーボードをずっと使っていたくなります。素晴らしい出来です。
キーストロークだけは、レッツノートと比較すると浅く感じるので、レッツノートのキータッチには僅かながら及ばない?気がしますが、値段を考えると十二分でしょう。
このキーボードだけでも、購入する価値があるといえそうです。
ディスプレイも、14インチで16:10の縦に長い比率を採用しており、事務作業にはもってこいの性能を持っています。
重量も実測1.14kgと14インチにしてはとても軽く、モバイルノートとして全体的にバランスの高い出来であると感じました。
Lenovo ThinkPadシリーズの紹介
レノボのThinkPadは、レノボのノートパソコンでも、最も力を入れて開発している機種です。
黒い本体と、キーボード真ん中に用意されている赤のトラックポイントが大きな特徴です。
デザインは男性向けでいかにもビジネス用、という感じです。
そのため、女性にはデザインで敬遠されるかもしれません。

ThinkPadの研究開発は、日本の大和研究所にて行われており、品質を確保しています。
レノボは中国企業なので、品質が不安という声もよく見ますが、研究開発は日本で行ってますし、実際にレノボからパソコン2台買いましたが品質にも問題ないので、そこまで気にすることはないかなと思います。
なんで研究所が日本の大和?と思ったのですが、ThinkPadを開発したのは、日本IBMで日本人みたいですね。
そのときから大和研究所で開発がされていたので、それが継続されているようですね。
個人的に、ThinkPad は、プログラミングをするのにもっともお勧めできる機種であると思います。
私はプログラミングもすることのあるSEですが、仕事用マシンを選べるならば、真っ先に候補にしたい機種です。
- 性能良し
- キーボードが打ちやすい
- 16:10の見やすいディスプレイ
プログラミングするには申し分のないスペックです。
プログラミングのためにノートパソコンを探している方は、ぜひ検討候補にいれてみましょう。
Lenovo ThinkPad X1 Carbon 製品紹介
スペック(Gen9)
稼動確認OS | Windows 11 Home (64bit)、Windows 11 Pro (64bit)、Windows 10 Home (64bit)、Windows 10 Pro (64bit) |
プロセッサー | インテル® Core™ i7-1165G7 プロセッサー |
セキュリティー・チップ(TPM) | TPMあり(TCG V2.0準拠,ハードウェアチップ搭載) |
その他のセキュリティー機能 | パワーオン パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、ハードディスク パスワード(NVMe パスワード)、セキュリティ キーホール、HPD |
指紋センサー | あり |
主記憶(RAM)容量 (標準/最大) | 16GB LPDDR4X (オンボード) / 16GB |
主記憶(RAM)スロット数(空スロット数) | 0(空0) |
補助記憶装置(内蔵)|HDD/SSD | 256GB ソリッドステートドライブ (M.2 PCIe NVMe,Gen4, OPAL2.0) |
ディスプレイ|ディスプレイサイズ(ドット・発色) | LEDバックライト付 14.0型 WUXGA IPS液晶 (1920×1200ドット、1,677万色以上、16:10) 、ブルーライト軽減 |
ビデオ・チップ | インテル® Iris® Xe グラフィックス |
ビデオRAM容量 | メインメモリと共有 |
外部ディスプレイ出力|アナログ接続時(ドット・発色) | なし |
外部ディスプレイ出力|デジタル接続時(ドット・発色) | 最大 3840×2160ドット、1677万色(HDMI接続時)、60Hz/最大 5120×3200ドット、1677万色(Thunderbolt™4接続時)、60Hz |
USBポート (Type-C) | USB 4 (Thunderbolt4 対応)x2 |
USBポート (Type-A) | USB 3.2 Gen1 (Powered USB) x 1、USB 3.2 Gen1 x 1 |
ディスプレイ関連ポート(VGA) | なし |
ディスプレイ関連ポート(HDMI) | HDMI x 1 |
オーディオ関連ポート | マイクロホン/ヘッドホン・コンボ・ジャック |
イーサネット・コネクター(RJ-45) | なし |
ワイヤレス | インテル® Wi-Fi 6 AX201 a/b/g/n/ac/ax |
WWAN | なし |
Bluetooth※2 | Bluetooth v5 |
オーディオ機能 | Dolby Atmos®、Dolby Voice |
スピーカー | ステレオスピーカー |
マイクロホン | デジタルマイクロホン |
内蔵カメラ | あり (前面:HD 720P+IR カメラ、プライバシーシャッター付) |
キーボード | 日本語キーボード (バックライト、指紋センサー付) |
本体寸法 (W×D×H)mm | 約 314.5×221.6×14.9mm |
本体質量(バッテリー・パックを含む) | 約 1.13kg |
メインバッテリー | 4セル リチウムイオンバッテリー (固定式) |
使用時間(JEITA2.0) | i5 CPU non vPro WUXGA の場合 約 26.0時間; i5 CPU vPro WUXGA Touchの場合 約 22.6時間; i7 CPU vPro WQUXGA Touchの場合 約 14.5時間 |
充電時間(パワーオフ時) | 約 1.9時間 (パワーオフ) ACアダプターなしの場合 ご利用のACアダプターによります |
ACアダプター|種類 | 45W ACアダプター(USB Type-C) |
ACアダプター|質量 | 本体:約 200g コード:約 60g |
最大消費電力(W) | 45W |
価格 | 20万 |
スペック(Gen10)
初期導入済OS | Windows 11 Pro 64bit その他のエディション選択可能 |
プロセッサー | インテル® Core™ i7-1280P vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i7-1270P vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i7-1260P プロセッサー インテル® Core™ i5-1250P vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i5-1240P プロセッサー インテル® Core™ i7-1260P vPro® Essentials プロセッサー インテル® Core™ i5-1240P vPro® Essentials プロセッサー インテル® Core™ i7-1265U vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i7-1255U プロセッサー インテル® Core™ i5-1245U vPro® Enterprise プロセッサー インテル® Core™ i5-1235Uプロセッサー |
セキュリティ・チップ(TPM) | あり |
その他のセキュリティ機能 | パワーオン パスワード、スーパーバイザー パスワード、システム マネジメント パスワード、ハードディスク パスワード(NVMe パスワード)、セキュリティ キーホール、HPD |
メモリー | オンボード: 8GB/16GB/32GB 最大32GB(LPDDR5) |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB SSD |
光学ドライブ | なし |
ビデオ・チップ | CPU内蔵(インテル® Iris® Xe グラフィックス) |
ディスプレイ | LED バックライト付 14.0型 WQUXGA IPS 省電力液晶 (3840 x 2400) 、マルチタッチ対応(10点)、ブルーライト軽減、光沢なし LED バックライト付 14.0型 WQUXGA IPS 省電力液晶 (3840 x 2400) 、マルチタッチ非対応、ブルーライト軽減 14.0型 2.8K OLED (有機 EL ディスプレイ)液晶 (2880 x 1800) 、マルチタッチ非対応、ブルーライト軽減、光沢なし LED バックライト付 14.0型 2.2K IPS液晶 (2240 x 1400) 、マルチタッチ非対応、ブルーライト軽減、光沢なし LED バックライト付 14.0型 WUXGA IPS液晶 (1920 x 1200) 、マルチタッチ対応(10点)、Privacy Guard、光沢なし LED バックライト付 14.0型 WUXGA IPS 省電力液晶 (1920 x 1200) 、マルチタッチ対応(10点)、ブルーライト軽減、光沢なし LED バックライト付 14.0型 WUXGA IPS 省電力液晶 (1920 x 1200) 、マルチタッチ非対応、ブルーライト軽減、光沢なし |
インターフェース | USB 4 (Thunderbolt4 対応) x 2 USB 3.2 Gen1 (Powered USB) x 1 USB 3.2 Gen1 x 1 HDMI マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック |
ワイヤレスWAN | 対応(4G LTE Cat.16/5G Cat.20) |
ワイヤレスLAN | Wi-Fi 6E対応 (IEEE802.11ax/ac/a/b/g/n準拠) |
Bluetooth | v5.2 |
イーサネット | なし |
オーディオ機能 | Dolby Atmos® Speaker System, Dolby Voice, 4mic+4スピーカー(キーボード面にスピーカー) |
カメラ | インカメラ: 全てプライバシーシャッター付き FHD 1080p RGB+IR Webカメラ 人感検知機能付き FHD 1080p RGB+IR Hybrid Webカメラ FHD 1080p RGB Webカメラ HD 720P RGB Webカメラ |
カードスロット | なし |
キーボード | フルサイズ・キーボード (6列)、89キー (Fnキー、PgUpキー、PgDnキー、Windowsキー)、JIS配列、TrackPoint、ThinkPadクリックパッド、バックライト・キーボード |
指紋センサー | あり |
ポインティング・デバイス | TrackPoint+ThinkPadクリックパッド |
本体寸法(幅×奥行き×高さ) | 約 315.6×222.5×15.36mm |
本体質量 | 約 1.12kg~ |
バッテリー | 固定式 4セル リチウムイオンポリマーバッテリー 57Whr |
バッテリー駆動時間 | 最大 約24.9時間 |
本体カラー | ブラック |
さすが、レノボのノートパソコンの中でもフラッグシップとなる性能を持つノートパソコンで、すべての性能が高いですが、最大の特徴は以下でしょう。
- 16:10の縦長14インチディスプレイ
- 14インチなのに1.12kgと軽量
- 定評のある打ちやすいキーボード
- 米軍調達基準に準拠した高い耐久性
ノートパソコンにこだわる人が、最終的に行き着くモデルとして選ばれることも多いです。
外観・デザイン・質感

まさに「ThinkPad」という安定感のあるデザインです。


本体は綺麗なブラックで、高級感があります。
キーボードをタッチしたときの質感も上々です。
HP ENVY(13インチ)と比較したときの大きさです。

本体は13インチと14インチの違いがあるのでThinkPad X1 Carbonのほうがやや大きいですが、厚さはほとんど変わらず、とても薄いです。

横から見たときの写真です。とても薄いですね。
180度倒して使うこともできます。

- 〇:デザイン・質感ともに安定のThinkPad
- 〇:高級感のある綺麗なブラック
- △:ビジネスよりのデザインは好みが分かれるかも
重量
メーカー公称値は1.14kg~です。新型は1.12kg~と若干ながら軽くなっています。

実測値は1145gでした。
レビュー機はバッテリー容量が41Whと少ないほうであったので、少し軽くなります。

純正バッテリー合わせた実測値は1447gでした。
バッテリーは、USB Type-C対応となっているのはうれしいですが、重いです。ただこれは65Wの重いバッテリーのようなので、軽いものをカスタマイズで選択することもできるようです。
持ち運ぶなら、充電器は軽量なUSB-PD対応のものを購入したほうがよいと思います。
- 〇:重量1145gは14インチモバイルノートとしては軽量
- △:付属バッテリーはやや重い
ディスプレイ
ディスプレイは、非光沢でアスペクト比16:10、輝度400~500nitと、とても明るくて見やすいディスプレイです。
ブルーライト低減パネルを搭載しており、sRGBカバー率約100%と、高性能なディスプレイとなっています。
試しに、輝度400nit、解像度フルHDのHP ENVYと並べてみました。

ThinkPadのほうが縦に少し長く、事務作業はThinkPadのほうがやりやすいです。
16:10のアスペクト比は最近の流行りですが、たしかにこの差は実感できる差です。
このディスプレイなら、写真が趣味で画像編集などされる方にも、向くと思います。
非光沢ディスプレイのため映り込みも少なく、使いやすいディスプレイと思います。
- ◎:輝度400nit以上、sRGBカバー率100%の綺麗なディスプレイ
- ◎:画面比率16:10
- 〇:非光沢ディスプレイは映り込みも少なく見やすい
キーボード

キーボードの配置はオーソドックスで、とても打ちやすいキーボードです。
左下がCtrlでなくFnキーとなっていますが、気になるのはそれくらいでとても打ちやすいキーボードと思います。
またThinkPad特有のキーボード真ん中のトラックポッドをあえて使っていましたが、確かになれるとマウスいらずで操作できるようになりそうです。

キーストロークは約1.5mmと、ThinkPadのイメージとしては若干浅め?ですが、しっかりとした打鍵感があります。
ThinkPad X1 Carbonは、2018年モデルくらいまでは、キーストロークがもっと深く、そちらのほうがよかったというファンの方の意見も多いです。
ただこれだけ本体を薄く・軽量にしており、かつ、これだけの打鍵感を確保しているのは十分と言えるのではないでしょうか。
私が使っているHP ENVYも、打鍵感は割と良好なのですが、ThinkPadには負けますね。
このキーボードのためにThinkPadにするという方も多く、納得の出来です。
タッチパッドの操作感も、良好でした。
キーボード周りの質感もとても高く、さすがフラッグシップのThinkPadだなと感じる出来です。
またキーボードバックライトも搭載しています。
- 〇:キーの配置よし
- 〇:打鍵感良好・キーストロークは平均的
- ◎:キーボードの質感はとても高い
- 〇:キーボードバックライトあり
- 〇:指紋センサーあり
インターフェイス

左側面のインターフェイスが、左から順番に
- 1. Thunderbolt4
- 2. Thunderbolt4
- 3. USB 3.2 Gen1
- 4. HDMI
となります。

右側面のインターフェイスが、左から順番に
- 5. マイクロフォン/ヘッドフォン・コンボ・ジャック
- 6. Nano SIMスロット(オプション・レビュー機にはなし)
- 7. Powered USB 3.2 Gen1
- 8. セキュリティキーホール
となります。
インターフェイスは充実しており、不満を感じることはないでしょう。
- 〇:インターフェイスは充実
バッテリー・アダプター

純正の付属バッテリーは、USB Type-Cの充電となっており、純正にしてはコストがかかっています。
ちなみに出力は65Wのようでした。
オプションで、45Wのものや、GaNの軽いUSB Type-Cアダプターを選択することもできるようです。
充電器を軽く、小さくするなら、別メーカーのUSB Type-C充電機を購入してみてもよいと思います。
価格は3890円で、なんとこちらは106gと、とても軽いのでおすすめです!
レビュー評価も887件で4.4と、とても高いです。
私は、色々探していて、これを購入しました。
バッテリー持続時間のメーカー公称は、選択するディスプレイ解像度によりますが、最大26時間となっています。
バッテリーの持ちについて、youtubeを連続再生したままにして試したところ、約9時間まで使用できました。
レビュー機は、57Whとバッテリー容量は多めです。バッテリー時間の持ちは優秀でした。
無線速度のテスト
自宅のWiFiは、11ac(Wi-Fi5)で5.0GHzを使用していますが、同じ部屋だと540Mbps速度が出ており、無線としてはかなり速度が出ていると思います。
自宅の1Fに無線ルーターがありますが、2Fで計測しても、120Mbps程度の速度が出ており、無線接続状況は良好です。
- 〇:無線受信強度・スピードは問題なし
Lenovo ThinkPad X1 Carbonの内部性能・処理速度
パソコン処理性能を計測する上でメジャーな、以下のベンチマークソフトを使って計測した結果を紹介していきます。
- PassMark
- CineBench R23
- PCMARK10
- Crystal DiskMark(ディスク速度)
また、ゲーミング性能についても、これもメジャーな以下のベンチマークソフトを使って計測します。
- ドラクエⅩ
- FF14 暁のフィナーレ
- 3DMark Fire Strike
CPU性能めやす
CPU性能を測るベンチマークとしては最も有名なPassMarkスコアについて、ノートパソコンによく搭載される主要なCPUのスコアを紹介します。
CPU | PassMarkスコア |
Core i7-1280P(最新第12世代) | 約23000 |
Ryzen 7 5800U | 18470 |
Core i7-1260P(最新第12世代) | 約18000 |
Core i7-1240P(最新第12世代) | 約17000 |
Ryzen 5 5600U | 15385 |
Ryzen 5 5625U | 14885 |
Ryzen 5 5500U | 13348 |
Core i7-1195G7 | 11835 |
Core i7-1165G7 | 10681 |
Core i5-1135G7 | 10298 |
Ryzen 3 5300U | 10153 |
Ryzen 3 4300U(旧世代) | 8254 |
Core i3-1115G4 | 6610 |
Intel Celeron N4120 | 2510 |
目安としてはCorei3-1115G4のスコア6610程度あれば、テレワークなど日常用途では十分で快適です。
ブラウザをたくさん立ち上げ、かつ重いアプリを複数立ち上げたまま快適に使うのであれば、Ryzen3 5300Uのスコア10153程度あると、重作業でも十分快適に使えます。
スコアを見てみると分かりますが、少し前まではIntelのCore i3,5,7 が主流でしたが、AMD Ryzenの躍進により、とりあえずIntelを選んでおく、という時代は終わりました。
AMD Ryzenのほうが性能もよく、値段も安い傾向にあるので、一般用途であればAMD Ryzenを選んでおいたほうがよい状況です。
一部、AdobeソフトなどはIntelのほうが相性がよく(シングルスレッドの性能がIntelのほうが高いため)性能が出やすいなどという結果もあります。
が、基本はAMD Ryzenを選んだほうがコスパは良いです。
2022年7月現在、徐々に、Intelの最新第12世代CPUを搭載したモデルが発表され始めています。
PassMarkスコアを見ると、第11世代と比較しても約2倍と、とんでもない伸び幅で、今後に大いに期待できます。
ただ、普通に使う分にはそこまで性能いらない、というのと、コスパではしばらくAMDに敵わないと思うので、コスパ重視であればそこまで気にせずAMDモデルの購入でよいと思います。
PassMark
Lenovo ThinkPad実測値(Intel Core i7-1165G7 + メモリ16GB)

スコア11005は、高い数値で、普段使い用途では極めて快適といえます。
バッテリー駆動のスコアは9406で、若干落ち幅がありますがほぼ許容範囲内でしょう。シングルスコアは3142→3035とほぼ落ちていませんでした。

電源接続時:11005
バッテリー駆動時:9406(約85%)
CineBench R23

マルチコアスコア:4122
シングルコアスコア:1383
AMD Ryzen 7 5800UのHP ENVYが約9300であったことを考えると、マルチスコアは少し物足りないスコアです。
シングルコアスコアは十分に高いです。AMD Ryzen 7 5800UのHP ENVYが約1400超であったので、それとほぼ同じスコアになっています。
シングルスコアが高いほうが普段使い用途には効くと一般的に言われているので、十分に快適と言えそうです。
PCMARK10
PCMARK10は、実際のアプリケーションを使用したベンチマークソフトで、実際にパソコンを使った時の作業快適性を計測するのに適しているといわれているベンチマークです。
測定結果は以下の通りです。

〇トータルスコア:4740(快適めやす4000)
〇Essentials:8950(快適めやす4100)
- App Start-up Score(アプリ起動):11235
- Video Conferencing Score(Web会議):7240
- Web Browsing Score(Web閲覧):8815
Essentialsはパソコン基本性能の測定結果です。
快適めやすは4100のところ8950なので、とても高い数値です。
実際起動やWeb閲覧はとても速いように感じます。
〇Productivity:6468(快適めやす4500)
- Spreadsheets Score(表計算):5794
- Writing Score(文書作成):7222
ProductivityはOfficeなどビジネス系アプリの速度で、これもなかなか高いスコアです。
ただこの数値は、AMD Ryzenのほうが高いスコアが出やすい傾向にあり、実際、私が使っているRyzen 7 5800Uのほうが高いスコアでした。
〇Digital Contents Creation:4994
- Photo Editing Score(画像編集):8334
- Rendering and Visualization Score(3Dレンダリング):3220
- Video Editing Score(動画編集):4644
Digital Contents Creationは画像編集や動画編集などの性能を表すスコアです。
画像編集は高く、動画編集はまあまあ、レンダリングはそこまで高いスコアではありませんでした。
計測内容 | スコア |
トータル | 4740 |
App Start-up Score(アプリ起動) | 11235 |
Video Conferencing Score(Web会議) | 7240 |
Web Browsing Score(Web閲覧) | 8815 |
Spreadsheets Score(表計算) | 5794 |
Writing Score(文書作成) | 7222 |
Photo Editing Score(画像編集) | 8334 |
Rendering and Visualization Score(レンダリング) | 3220 |
Video Editing Score(動画編集) | 4644 |
AMD Ryzen 7 5800Uを搭載した、HP ENVY x360 13-ayとのスコア比較をしてみます。
HP ENVY:AMD Ryzen 7 5800U
ThinkPad X1 Carbon :Intel Core i7-1165G7
計測内容 | ENVY | ThinkPad |
トータル | 5506 | 4740 |
App Start-up Score(アプリ起動) | 6429 | 11235 |
Video Conferencing Score(Web会議) | 8588 | 7240 |
Web Browsing Score(Web閲覧) | 9002 | 8815 |
Spreadsheets Score(表計算) | 11742 | 5794 |
Writing Score(文書作成) | 7594 | 7222 |
Photo Editing Score(画像編集) | 9011 | 8334 |
Rendering and Visualization Score(レンダリング) | 6036 | 3220 |
Video Editing Score(動画編集) | 4086 | 4644 |
HP ENVY(AMD Ryzen 7 5800U)は、PassMarkスコア約19000と、Intel Core i7-1165G7より圧倒的に高かったのですが、PCMARK10だとそこまでの違いはなく、優秀なCPUであると言えそうです。
特にアプリ起動、画像編集のスコアが優秀です。
HP ENVY x360 13-ayのレビュー記事は以下になりますので興味のある方は参考にしてみてください。

Crystal DiskMark

シーケンシャルリードが3400超の値となっており、とても高速です。
ドラクエⅩベンチマーク

グラフィックを最高品質にしても、とても快適の結果となったため、快適に動作させることができそうです。
FF14 暁のフィナーレベンチマーク

標準品質(ノートPC)で、快適の結果となりました。
HP ENVYのRyzen 7 5800Uでは6000超のスコアでやや快適、となっていたので、内蔵GPUとしては高いスコアです。
これならある程度の3Dゲーム用途にも使えそうです。
3DMark Fire Strikeベンチマーク

グラフィックスコアは4957でした。
こちらも、内蔵GPUとしては高いスコアです。Core i7-1165G7のグラフィック性能はとても優秀であることが分かります。
Fire Strikeのスコア目安は以下の通りです。
グラフィックボード | 3DMark Fire Strike |
GeForce RTX 3080 Ti | 38323 |
GeForce RTX 3080 | 36176 |
GeForce RTX 3060 | 20764 |
GeForce RTX 3050 | 14877 |
GeForce GTX 1650 | 9047 |
Intel Iris Xe Graphics(Intel CPU内蔵) | 約4000 |
Radeon Graphics(AMD Ryzen CPU内蔵) | 約3200 |
Intel Iris Xe Graphicsは第11世代Core i5以上に搭載されているCPU内蔵グラフィックス、Radeon GraphicsはAMD Ryzen に搭載されているCPU内蔵グラフィックスです。
CPUやメモリ性能により若干性能が異なるので参考値として見てください。
CPU内蔵グラフィックスだと、Intelが若干ですが優勢であることが分かります。
実際にHP ENVYのRyzen 7 5800Uで計測したところ、スコアは約3300だったので、Intelがやや優勢なのは間違いないと思います。
めやすとしてはGeForce GTX 1650がエントリー向けグラフィックボードで、これくらいの性能があればある程度の3Dゲームが実施できます。
IntelのCPU内蔵グラフィックスだと、GTX 1650の半分に満たないスコアなので、重たい3Dゲームは難しいと思います。
ただドラクエⅩなどの軽量3Dゲームや、2Dゲームであれば問題なく遊べます。
排熱性能と静粛性について
CPU負荷をツールでかけてみて、CPU温度と本体の温度、静粛性をチェックしてみました。



上記が測定結果ですが、負荷をかけるとCPU温度が最大98度程度まで上がり、そのあと2分後程度に、70度程度まで下がりました。
この間、本体を触ると、キーボードの上側あたり熱くなっていました。特に右上、左上のキーあたりが熱くなっていました。
高負荷をかけているときはキーボードの上部あたりがまあまあ熱くなっていたので、タイピングするのは気になると思います。
この負荷をかけているとき、パソコン本体から少し「サー・・・」という音が聞こえましたがそこまでの音ではなく、静粛性は高いです。
ThinkPad X1 CarbonとThinkPad X13の比較
同じThinkPadで、X13がモバイルノートとしてコスパがよいので、比較をしたいと思います。
比較項目 | ThinkPad X1 | ThinkPad X13 |
性能 | 〇 | 〇 |
ディスプレイ | ◎(16:10 非光沢) | ◎(16:10 非光沢) |
キーボード | ◎(最高によい) | ◎(最高によい) |
重量 | 〇(1.14kg) | △(1.22kg) |
サイズ | ○(14インチ) | △(13インチ) |
インターフェイス | ◎ | ◎ |
バッテリー | ◎(最大24.9時間) | ○(最大14時間) |
価格 | △(20万〜) | 〇(13.8万〜) |
デザイン | ○ | 〇 |
質感 | ○ | △〜○ |
耐久性 | ◎ | ◎ |
その他 | – | – |
ThinkPad X1 Carbonは、値段が高い分、スキのない万能な仕上がりです。
X1 Carbonは14インチながら1.14kgと軽く、値段の差が重量の差としてあらわれています。
ただX13のほうも、値段が比較的安く、完成度も高いので、コスパ重視ならばX13もチェックしてみましょう。
レビュー記事を書いていますので参考にしてみてください。

Lenovo ThinkPad X1 Carbonのレビュー評価まとめ
各作業のレビュー結果は以下の通りです。
Web閲覧 | ◎(とても快適) |
---|---|
Office系事務作業 | ◎(とても快適) |
動画鑑賞 | ◎(とても快適) |
Web会議 | ◎(とても快適) |
プログラミング | ◎(とても快適) |
画像編集 | ◎(とても快適) |
動画編集 | △~〇(できなくはないが動画編集向きではない) |
ゲーム | △(一部ゲームはできるがグラフィック性能はそれなり) |
ノートパソコン自体の質感、デザイン、耐久性、キーボード、持ち運びやすさ、コスパなどのレビュー結果は以下の通りです。
質感 | 〇(良い) |
---|---|
ディスプレイ | ◎(最高に良い) |
キーボード | ◎(最高に良い) |
インターフェイス | ◎(充実) |
デザイン | △~〇(好みがわかれる) |
耐久性 | ◎(とても良い) |
バッテリー | ◎(とても良い) |
持ち運び | ◎(14インチにしては軽い) |
コスパ | △(やや高い) |
完成度は極めて高いです。予算があるなら文句なしにおすすめできます。
特にディスプレイと、キーボードの素晴らしさが光ります。
14インチで1.14㎏と軽量なのも、モバイルノートとしてポイント高いです。
そのため、頻繁に持ち歩き、記事を書くなど事務作業で文字をたくさん打つかたには特におすすめできます。
プログラミングにもおすすめできる機種です。