私が読んでいる本で、社会人が教養をつけるという意味でも役に立つし、大人があらためて読んでいても面白い、世界史の本を紹介します。
宝島社文庫で、後藤武士さんという方が書いている「読むだけですっきりわかる世界史」という本です。
上のは完全版という書籍で、これ一冊で古代〜現在まですべての年代がまとまっています。
790円で購入可能です。
また、読むだけですっきりわかる世界史シリーズは、各年代ごとに詳細にかかれているものもあり、私が特に気に入っているのが、現代編です。
こちらは、第二次世界大戦が終わる1945年までの、現代史が詳細にまとめられており、とてもおもしろく、わかりやすく読むことができます。
特に第二次世界大戦は、日本やドイツが破滅に向かってしまう経緯などがわかりやすく書かれており、「なるほど、こうやって失敗に向かってしまうのだな・・・」ということがよく理解できます。
「読むだけですっきりわかる」シリーズは、他にもたくさんの本がでており、日本史や日本地理などもあり、その本も私は持っていて読んでいます。
日本史は、別記事にまとめましたので紹介します。こちらも、とてもおもしろい本です。

この本のおすすめポイントについて、紹介していきます。
とにかくわかりやすく、読んでいて面白い
歴史の本のイメージは、堅苦しくて読みづらく、事実ばかりが書かれているので面白くない、という印象がどうしてもありますが、この本は真逆で、
読みやすく、わかりやすい
ことを最も意識して書いている、というのがよくわかります。
文章の堅苦しさがまったくないので、読みやすいし、内容もとてもわかりやすいです。
少し、文章を紹介すると、2021年現在においても、日韓問題というのはときにニュースになるほど、引きずっている問題で、いまだに賠償請求などがされることがありますが、この問題についてわかりやすく紹介しています。
〜〜日露戦争終結、ポーツマス条約締結後、日本と韓国は第二次日韓協約を締結する。
この協約では日本は韓国の外交権を得、事実上韓国は日本の保護国となった。
ちなみにこの条約の無効化が確認されたのは1965年の日韓基本条約においてである。
そこでは韓国の要求する賠償について解決がなされている。
〜〜昨今、韓国はこの取り決めが無効にあるかのようなことを主張しているが、もしそうなると、極端な話、第二次日韓協約が無効である確認がなされていないことになる。
もちろんそんな現実に反したことを認める必要はなく、また一度締結した条約は、戦争状態になりどちらかが国際社会から孤立する状態にでもならない限り有効である。
つまり日韓基本条約は完全に有効なはずなのだ。
それを40年経ってもまだ蒸し返そうとするのはどんなものだろう。
出典:読むだけですっきりわかる世界史 現代編 第3章
このような文章で、まるで話の面白い先生が、生徒に話しかけるようなイメージで文章が書かれており、とてもおもしろく読みやすい、そしてわかりやすいです。
また、現在の韓国の賠償金請求も、当時の国家間での取り決めを完全無視するようなものであり、とても非常識なものである、ということが良く理解できます。
まるで実際に見てきたのか?と思えるほどの、歴史上の人物に対しての深い考察が面白い
この本はただ歴史の事実を記述しているだけでなく、まるで見てきたのか?と思えるくらい、人物に対しての深い考察が書かれているのが、読んでいて面白いです。
以下は、日露戦争あとのポーツマス条約と、関税自主権の回復の外交交渉を行った、小村寿太郎という外交官の紹介です。
昨今の日本の政治家や官僚はやたらと命をかけたり腹を切ると口にする。しかし彼らがそれをやったのを見たことがない。
だが小村寿太郎は文字通り命をかけて職務を遂行した。やたらと美化するのは好きではないが、それでもこれは明治の男の気骨として認めないわけにはいかないだろう。
職業に携わる者としてプロであることにこだわりをもつ者として、彼に敬意を抱かずにはいられない。
教科書ではポーツマス条約と関税自主権の回復のたった2行で綴られる男だが、偉大な官僚であり政治家であった。
出典:読むだけですっきりわかる世界史 現代編 第2章
このように、人物に対する深い考察が、読んでいてとてもおもしろいし、単に歴史上の人物が実施したことを羅列するよりも、感情移入して読んでいくことができます。
過去の歴史の失敗パターンがためになる
これは、この本に限った話ではなく、歴史を学ぶことでそのような考えになるかもしれませんが・・・
特に、現代編では第二次世界大戦の日本やドイツなど、失敗するパターンというのが読んでいてとても教訓になり、ためになります。
これは、「失敗は成功のもと」と常々言われる通り、失敗パターンというのは大抵似通っているなあ、という印象をもつことができます。
たとえば、この本ではないですが、日本の戦国武将の話を読んでいると、戦国史の武将の負けパターンは、大体以下にあてはまるな、と。
1.情報不足:相手の戦力を見誤る、味方になるはずの相手が裏切るなど、情報不足によって負ける。
2.政治的敗北:戦の前に、事前に味方を増やさないといけないところで、相手に政治活動で負けてしまい、戦力が整わない。負けるべくして負ける。
3.油断・慢心:意外と多いパターン。戦力的には勝っているはずなのに、知名度などで相手のことを油断してかかってしまい、負ける。
・・・なんか、仕事でも似たような感じだなと。
私はSEで、システム構築プロジェクトをいくつもこなしてきてますが、失敗するパターンは大体上記パターンだな、という感じがします。
また、ドイツは、第二次世界大戦前に、かの悪名高いアドルフ・ヒトラーが独裁政治を開始し、第二次世界大戦の口火を切ってしまい、破滅に向かうのですが・・・
なんと、このヒトラー、当時の国民の圧倒的な支持を得て、議会にて政府に立法権を委ねる、すなわち事実上国会の権限を奪い取る全権委任法を成立させてしまっています。
こういうのを知ると、ただの人気取りのための演説や大衆宣伝というのは、実に危険なんだなということ。
現代にも考えさせるものがあり、マスコミの報道や、政治家のその場限りの耳当たりの良いだけの演説などに、惑わされてはいけないということがよくわかります。
こういうことを学ぶために、歴史というのは学ぶ価値があるんだろうな、と感じます。過去を知り、未来に活かせということでしょう。
読むだけですっきりわかる世界史は大人が読んでも面白い!教養をつけることもできて一石二鳥!
ここまで紹介してきたとおり、「読むだけですっきりわかる世界史」は、文章がとても面白く、わかりやすいので、大人が読んでも、とても楽しめる内容になっています。
通勤や出張のときなど、スマホで自分の興味のあることだけを見るのではなく、こういう教養みたいな知識をつけると、自分の人生の役に立つような気がして、おすすめです(笑)